第2話 神戸観光
神戸市内を箒で飛び回り、様々な観光地を巡った結は最後に六甲山へ向かい、頂上から煌めく街の夜景を眺めていた。
「きれい……」
夜景に目を奪われながら、結は胸の奥で小さな満足感を噛みしめた。
この街を守るために、自分はまだまだ頑張らないと──そんな気持ちが湧き上がる。
六甲山で夜景を堪能した後、結は支局へ戻り、仮眠室で短い休息に身を委ねた。
翌朝、支局の食堂で朝食をとる結。
「このお肉美味しい……」
何のお肉か気になった結は、メニュー表を確認し、目を丸くする。
「えーっと……あった!こ、神戸牛!!」
(魔法管理庁、どれだけ予算があるんだろう……)
思わず心の中でツッコミを入れる。
朝食を終え、出発の準備をしていたそのとき、支局の外で大きな音が響いた。
窓の外を見ると、支局前の交差点の信号機が魔力異常を起こし、すべて青信号に変わっていた。
数台の車が交差点で衝突し、煙と悲鳴があがる。
「大変だ!急いで駆けつけないと……」
結は急いで箒に飛び乗り、現場へ向かう。
到着すると、信号機の暴走はさらに危険な状態に。
結は杖を握り、異常解除の魔法を放つ。魔力の光が交差点を包み込み、信号機は徐々に元通りに動き始めた。
事故で破損した車や怪我をした人々を前に、結は治療と修復の魔法を手早く施す。
街の安全を取り戻した瞬間、彼女はほっと息をついた。
その後も街を巡回する結。しかし、箒に搭載された魔力異常探知機が微弱な反応を示す。
「……ん?これは……」
向かった先は神戸港近くの倉庫街。
積まれた箱が魔力の影響で宙に浮き、ぶつかり合いながら不規則に動いていた。
「こ、これは……危ない!」
結は杖を構え、箱が人にぶつからないよう魔力で制御する。
息を整えながら魔法を使う、浮遊する箱を静かに地面へ降ろした。
任務を終えるといつの間にか夜になっていた。支局へ戻る途中、結は再び夜景を見上げる。
「街を守るって……こういうことなんだ……」
少し疲れた表情を浮かべながらも、その目には確かな決意が宿っていた。
支局に戻ると、局員たちが笑顔で手を振る。
「おかえり、結!」
「今日も一日お疲れ様」
結は小さく微笑み、仮眠室へ向かう。
「明日も頑張らないと……」
夜の街の灯を背に、箒でのパトロールの日々を思い描く結であった。
次回に続く....




