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空舞う箒の巡遊譚  作者: あすへ
第四章 関東巡遊 (前編)
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第6話 休暇(後編)

バスに乗り、駅前に向かった。


近くにいい感じのカフェがあったためそこに入った2人。


「ねえ先輩、せっかく休暇なんですし、もっとどこか行きません?」

玲奈が椅子をくるりと回しながら笑顔で言う。


「行くって…どこに?」

結はホットココアを飲みながら目を瞬かせた。


「ほら、宇都宮の遊園地といえば ― とちのきランド!」

玲奈がスマホを掲げ、画面には観覧車の写真。


「あ、遊園地かぁ…いいかも。今日は天気いいし。」

結は思わず微笑む。


「やった!決まり!せっかくですし、写真いっぱい撮りましょうね先輩!」

玲奈のテンションが上がる。


「写真はほどほどでお願い、昨日のイルミネーションの時の写真まだ削除してないでしょ?」

「えっ、なななな何のことですか〜?!」

玲奈はあからさまにスマホを背中に隠す。


「(絶対まだ持ってる…)」


結はため息をつきつつも、どこか嬉しそうだった。



遊園地に着くと、園内は子どもたちの笑い声と音楽が響き、カラフルな風船が空に揺れていた。


「観覧車からの景色、絶対すごいですよね!行きましょう!」

玲奈が手を引っ張る。


「ちょ、ちょっと落ちつ— わっ!」


二人は観覧車に乗り込んだ。ゴンドラがゆっくりと上昇していく。


「うわぁ…街が全部見える…!」

玲奈は目を輝かせながら窓に張り付く。


「ほんとだ。こうやって見ると、私たちの守ってる世界って広いね。」

結が小さく呟くと、


玲奈はふっと振り返って笑った。

「はい、いい表情です先輩。撮ります。」

「ちょ、いまはダメって言ったじゃん!!」


しかしシャッター音は容赦なく鳴った。


「やっぱりカメラ向けた時の先輩の顔、好きなんですよね。強そうなのに優しい感じ。」

玲奈の言葉に、結は一瞬言葉を失い、視線をそらした。


「…もう、ほんと勝手なんだから。」

でも頬はわずかに赤い。




観覧車が頂上に差し掛かり、宇都宮の街並み、そして遠くの水戸の方向まで見渡せた。


「この景色、守れてよかったですね。」

玲奈が静かに言った。


「うん。…またバディが組めたら一緒に頑張ろう。」

結が笑う。


「もちろんです!その時はまた写真撮りますけど!」

「そこは撮らなくていいの!!」


二人の声がゴンドラに響き、温かな休暇の時間が流れていった。


その後も2人は色々なアトラクションに乗りホテルに戻ってきた。


「ふ~…今日も歩き回ったなぁ…」

結はホテルの部屋に荷物を置き、椅子に座って靴を脱いだ。


「先輩、お疲れ様です!でもすっごく楽しかったですね!」

玲奈は荷物を置くやいなや、窓から見える夜景に目を輝かせた。


「…うん、久しぶりの楽しい休日だっね。」

結も少し笑みを浮かべる。


玲奈がスマホを取り出す。

「ねえ、せっかくなので、今日撮った写真まとめましょう!先輩のいい笑顔いっぱい撮れましたよ~!」


「ちょ、まさか全部見せる気?」

結は慌てて手を伸ばす。


「見ますよ~!ほら、観覧車のやつとか、ジェットコースターで風に飛ばされそうなやつとか!」

玲奈は画面を見せながら、結の顔を覗き込む。


「ちょ、恥ずかしいって…!」

結は顔を赤くしながらも、スマホを覗き込む。


「でも先輩、自然な表情が一番いいんですよ。強くて頼れる先輩なのに、楽しそうな瞬間もあるっていうのが伝わるから。」

玲奈はにっこり笑った。


「…うん、ありがとう」

結は少し照れくさそうに微笑む。


二人はその後、ホテルの露天風呂に向かった。温かいお湯に浸かると、体の疲れが一気に溶けていく。


「はぁ…気持ちいい…」

結は目を閉じ、温かさに浸る。


「玲奈、もう写真は撮らないよね?」

結は湯気の向こうから小声で確認。


「…はい、今日はもう撮りません。」

玲奈は小さくうなずく。


二人は湯に浸かりながら、今日一日のことをゆっくり振り返った。


「先輩、今日ほんとに楽しかったです!」

玲奈は笑顔で言う。


「うん、私も楽しかったよ…ありがとう、玲奈」

結は心からの笑顔で答えた。




お風呂から上がった後、二人は部屋に戻り、布団に横になる。


「それじゃあ、玲奈…そろそろ寝ようか」

「はい、おやすみなさい、先輩…」

「おやすみ…」


窓の外には宇都宮の夜景が広がり、二人に穏やかな眠りを与えていた。


次回に続く....

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