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「ローマの休日」のスローリーディング  その2

◎場面1  その2

ヨーロッパ親善旅行の最終訪問地、イタリアの首都ローマ。舞踏会を終えた夜、宿舎となった大使館のアン王女の寝室。アン王女と秘書役の伯爵夫人


(英語のセリフ)


〇アン王女: Everything we do is so wholesome.

〇伯爵夫人: They'll help you to sleep.

〇アン王女: I'm too tired to sleep-can't sleep a wink.

〇伯爵夫人: Now my dear, if you don't mind: tomorrow's schedule-or schedule [(skedule)], whichever you prefer-both are correct. Eight thirty, breakfast here with the Embassy staff; nine o'clock, we leave for the Polinory Automotive Works where you'll be presented with a small car.

〇アン王女:Thank you.

〇伯爵夫人: Which you will not accept.

〇アン王女:No, thank you.

〇伯爵夫人:Ten thirty-five, inspection of food and agricultural organisation will present you with an olive tree.

〇アン王女: No, thank you.

〇伯爵夫人: Which you will accept.

〇アン王女: Thank you.


(私訳)


〇アン王女: 健康にいい事ばかりね

〇伯爵夫人: よくお休みになれます

〇アン王女: 疲れすぎて全然眠れないわ

〇伯爵夫人: (予定帳を取り出して)さて、王女様。よろしければ明日の予定でございますが、セジュール、スケジュール、どちらの発音でも結構です。どちらも正しゅうございますけれど。8時半にこちらで大使館員と朝食。9時にポリノリ自動車会社へ向かいます。 そこで小型自動車が贈られます

〇アン王女: 有り難うございます

〇伯爵夫人: ご辞退なさってください

〇アン王女: 辞退いたします

〇伯爵夫人: 10時35分、食料農業会社視察 オリーブの木が贈られます

〇アン王女: 辞退いたします

〇伯爵夫人: お受け取りください

〇アン王女: 有り難うございます


(ちょっとひとこと)


①「ミルクとクラッカーをどうぞ」について

伯爵夫人がトレイに一輪の花とミルク一緒に乗せて持ってきてくれたクラッカーをアンは少し口にする。

伯爵夫人が言うに、They'll help you to sleep(よくお休みになれます)ということで、これは就寝前の習慣となっているようだが、アンはこの後歯磨きをしないで寝るのだろうか?

江戸時代の人は朝起きたら朝食前に歯を磨いていたそうだが、そこまでさかのぼらなくても、明治生まれの祖父、大正末生まれの父はいつも朝食前に歯を磨き、夕食後に歯を磨くことはなかった。そしてその習慣は世間一般においてかつては例外的ではなかったように記憶する。

さて、この夜、アンが歯磨きをして寝たかどうかは後のシーンで観客に明らかになる。


②伯爵夫人に着いて

ヴェレベリ伯爵夫人を演じたのはマーガレット・ローリングス(1906年6月5日 - 1996年5月19日)で、日本の大阪で生まれたイギリスの舞台女優。

映画への出演は少ないがその中には「第三の男」のキャロル・リード監督作品、

ミア・ファロー主演の1972年公開のイギリス映画「フォロー・ミー!」がある。


③英語の発音

伯爵夫人のセリフ「よろしければ明日の予定でございますが、セジュール、スケジュール、どちらの発音でも結構です。どちらも正しゅうございま」if you don't mind: tomorrow's schedule-or schedule [(skedule)], whichever you prefer-both are correct.」について。

scheduleを「セジュール、スケジュール」と異なる発音で言い換えているが、前者はイギリス式、後者はアメリカ式の発音だ。

後者の発音についてどう感じているかは、伯爵夫人の表情、発音の仕方から何となく察することができる。

それにしても8時半に大使館員との朝食開始、9時に出発というアン王女のスケジュールは、食後の休憩もなしということで、かつての日本の猛烈サラリーマンを想起させられあまりに慌ただしい。


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