「ローマの休日」のスローリーディング その16
◎場面7 その1
ジョーはアパートに帰って来る。部屋の前ではジョバンニが言われた通り、銃を持って歩哨に立っている。悪ガキたちがジョバンニをからかっている。ジョバンニがジョーに話しかける。
(英語のセリフ)
・ジョバンニ: What's your problem?
・ジョー: Everything ok, Giovanni?
・ジョバンニ: Listen here, Joe: er, nobody is come, nobody is go, absolutely nobody.
・ジョー: Swell! Thanks a lot. Oh er, Giovanni, er... How would you like to make some money?
・ジョバンニ: Money? Magari,
・ジョー: That's the stuff. Now look, I've got a sure thing: double your money back in two days.
・ジョバンニ: Double my money?
・ジョー: Yeah well, I need a little investment capital to swing the deal. Now, if you'll just lend me a little cash, I-.
・ジョバンニ: You owing me two month's rent and you want me to lend you money? No, Certamente,no no!
・ジョー: Tomorrow, you'll be sorry!
(私訳)
・ジョバンニ: どうしたんですか?
・ジョー: すべて順調か、ジョバンニ?
・ジョバンニ: ええ、ジョーさん。この部屋には誰も出入りしてませんぜ
・ジョー: すごいな。ありがとう。そうだ、ジョバンニ。金儲けがしたくないか?
・ジョバンニ: 金儲け、そりゃあ
・ジョー: そうだよな。確実な儲け話があって、二日で金が二倍になる
・ジョバンニ: 金が二倍に?
・ジョー: それには資本がいるんだが少し貸してくれないか
・ジョバンニ: 二か月も家賃をためているのに、まだ貸せってか?やだね、きっぱり断る
・ジョー: 明日になったら,後悔するぞ
(ちょっと一言)
①今回のシーンのジョーのしゃれたセリフより
・Swell! 素晴らしい!
・That's the stuff そう来なくちゃあ まさにその通り
・swing the deal 事を成功させる
②アパートに戻るとジョバンニは、ジョーに頼まれた通り、部屋の前で古ぼけた銃を肩に見張りをしている。
その彼にちょっかいを出しているのが悪ガキの子供たち。
ジョバンニが「あっちへ行け、この悪がきども!」と追っ払おうとしている。
ジョバンニと子供たちのやり取りはイタリア語なので字幕に反映されていないが、こんな具合だ。
・子供たち: All’assalto! (攻撃!)
・ジョバンニ: Fermi! Esagitati! (やめろ! うるさいガキども!)
Via! Mascalzoni! (うせろ! 悪ガキめが)
さて、その悪ガキたちが階段に座り込んでいるところにジョーが返って来る。
この男の子たちは多分地元のローマっ子で、エキストラとして雇われたのだろう。
10歳前後と見える少年らは今では80歳代になっていようが、彼らに撮影当時の思い出を聞いてみたいものだ。
イタリア映画にはとても可愛らしくて魅力的な少年が登場する名作がある。
好みの三本を揚げるとすればまずは1948年のヴィットリオ・デ・シーカ監督作品「自転車泥棒」のブルーノ少年。
次に1956年のピエトロ・ジェルミ監督作品「鉄道員」のサンドロ少年。
そして1988年のジュゼッペ・トルナトーレ監督作品「ニュー・シネマ・パラダイス」のトト少年。
この三作品はいずれも父と息子の物語(ニュー・シネマ・パラダイスのアルフレードは実の父ではないが父のごとき存在)といえる。
自分の父親がこの世で一番えらい人だと思う時期が、男の子にはある。
そして、父と息子の黄金時代は、我が身を振り返ってみても実に短いものだった。




