背に腹は代えられぬ
「長官!見つけました!あの惑星です!」
「よし!それでは攻撃の準備を!」
「…お言葉ですが長官、本当にやるのですか?」
「何をいまさらそんなことを。我々の任務を忘れたか!」
「いえ…しかし調査によるとこの星には、我々よりも文明レベルは低いですが、先住星人とでも言いましょうか…知的生命体が生活を営んでいます」
「だから何だというんだ?我々の星の寿命が尽きかけているのだぞ?そんな悠長なことを言ってられるのか?」
「しかし、せめて話し合いで解決できないものでしょうか?」
「君は逆の立場で、異星人が我々の星に現れて『自分たちの星が危ないので生命体を全て移住させてくれないか?』と言ってきたら応じるかね?」
「それは…」
「そういうことだ、もし万が一、我々の星でこの行為に反対するような者がおれば、先住星人たちは感情が乏しく、痛みを感じないという調査結果が出ていた。とでも言えばいい」
「………」
「もちろん私だってつらい…だが他に我々が現在の生活レベルを維持し移住できる星などないのだ。かろうじて生活できそうな荒れ地の惑星を提案したこともあっただろう。その時我々は何と言われたか忘れたか?」
「それは……」
「税金の無駄遣いだ!遊んでいるのか、この役立たず!と非難されたことを忘れてはいまい」
「………」
「この星の連中には申し訳ないがやるしかないのだ……」
「………」
「大丈夫だ。この星を手に入れたら我々は英雄として讃えられる」
「………」
「あの時の侵略は間違っていたのではないか?などと糾弾されるのは、この星への移住が落ち着いて生活に余裕が出てきたころだ。おそらくその頃には我々は天寿を全うしているさ」
「………」
「そういう世論が出てきたら人々は侵略した罪を償うためにモニュメントを建て、毎年、黙祷をささげるさ…それでおしまいだよ。選択肢のない選択を強いられ、行動しているのは我々なのに…無責任なものだよ」
「………」
「さ、もういいだろう。我々に選択の余地などないのだよ……」
「………」
「では、改めて……攻撃開始ぃぃぃぃ!!!!!」




