3.3_天蓋の大瀑布
――魔法界。
科学界の人類が、科学の技術と偶然により発見した、異界の大地。
そこには魔法があり、魔力があった。
魔法を中心に世界が回り、自然・気候・植生・生物・生態は、科学界と非なる部分がある。
この世界には、この大地の恩恵によって高度な文明が栄えていたと考えられている。
考えられているだけで、それがどんな文化を持った者たちだったのかは分からない。
‥‥なにせ、魔法界に歴史の語り部はおらず、今はただ、現代に残された遺跡が、過去を黙して語るのみなのだから。
◆
足元に発生した魔法陣の光が収まる。
つい先ほどまで地下室にいた2人に、青い空の陽の光が眩しく映る。
一陣の風が吹き抜けて周囲の木々を揺らし、森が突然現れた2人の存在に、ざわざわと騒ぎ立てた。
木々が揺れ、木の葉が擦れる音。
セントラルでは、まず耳にしない音に、自分たちは今までとは全く違う世界に来たことを、耳が拾う音で実感する。
周囲を見渡す。
まず、目に飛び込んできたのは、大きな滝だ。
自分たちは今、周辺を見渡せる傾斜の緩やかな山地に立っているらしいのだが、その目の前には大きな滝が流れている。
山を下りて、森林地帯が広がり、その向こうで大きな大きな一本の水柱が空から落ちていきている。
滝の流れを上に追って見れば、首はどんどん上の方に上がっていって、ついには空を見上げるような格好になる。
それでも、滝の上流、この見事な滝を生み出している水源の判別はできない。
今の視点からでは、空から滝が降ってきている。
そうとしか言えない光景が広がっている。
天蓋から降り注ぐ滝は、大瀑布の名に相応しく、太い水の柱が空から降り注ぎ、降り注いだ水それは湖と二重の虹を作り、そこを囲むように黄色と紅色の森林が広がっている。
ダイナは、周辺の木の高さを目測でだいたい確認。
それから、自分の指や腕を使って、大瀑布の近くにある木を目測の目印にして大瀑布との距離を測る。
その距離から、今度は滝の大きさを割り出す。
大瀑布の麓は水しぶきで薄い霧がかかったようになっているので、正確には分からないが、大瀑布の直径は500メートルくらいはありそうだと判断した。
丸く長い形を水の塊が、絶え間なく空から降っている。
直径500メートルだと、小さな集落が丸々収まってしまいそうな規模だ。
セツナは、紅葉が敷き詰められた地面を前に駆け出す。
「異世界! 異世界! ――ファンタジー!」
天蓋の大瀑布。
空から滝が降り注ぐ土地。
これは、冒険のしがいがありそうだ。
ダイナがセツナの横に立つ。
「よ~し、セツナ隊員! これからダイナ探検隊は、あの大瀑布を調査する!」
――進め~!
――オー!
「ちょ~っと待ってください。」
前に進もうとした出足を、アリサに払われた。
出足を払われて2人はすっころび、顔からこけて出鼻を挫かれる。
2人揃って、顔を押さえて地面を地駄場駄と横に転げ回る。
「うぅ、アリサちゃん。なに?」
頭に赤い葉っぱをつけたダイナが、アリサに説明を求める。
アリサは、少し困ったように愛想笑いをしながら。
「お二人に調査して頂きたいのは、後ろです。」
後ろ?
大瀑布とは反対側の方を眺める。
そこには、緩やかな山の上、遠くにポツリと遺跡が建っているのが見えた。
「お二人には、あちらの遺跡を調査してもらいます。」
‥‥進め~。
‥‥オー。
傍から分かるくらいに、元気が削がれた掛け声が響いた。
(次元を跨いでも、通信ってできるんだ。)
踵を返して歩きながら、セツナはそんなことを思った。
◆
馬車でも通れそうなほどに整備された傾斜の穏やかな山道を、セツナとダイナは歩く。
左右の赤や黄色に色づく木々で、紅葉を楽しみながら、道に敷き詰められた落ち葉がサクサクと音を立てて、2人の旅を賑やかす。
魔法界は、かつて文明が発達し、今は滅びた世界だと言う。
滅びた文明を紐解き、その知識と技術を編纂したのもが魔法であり、クラスである。
それにしても、この山道。
文明が滅びたのに、明らかに整備された道が残っているのは、ゲームの都合なのか? それとも魔法の力なのか? 疑問である。
異世界の違和感に、自然と警戒心が高まっていく。
――ガサガサッ!
そんな疑問や疑念を頭から追い出して、気持ちを切り替えないといけないようだ。
左右の森の中から、青い鱗を持った、大きなトカゲが現れた。
大きさは、体高がセツナの胸くらいまである。
この体高は、ダイナよりも少し低いくらいの高さ。
相当に大きい。
尻尾を含めた全長がどれくらいになるのかは分からないが、大きい。
大きなトカゲというよりは、背の高いワニのようだ。
数は6匹の群れ。爬虫類にしては珍しいハーレムを形成するのか、トサカとエリマキを持つ個体が1匹居る。
紅葉に色づく森で、青色の体表ということは、体色による擬態が必要ないほどにこの森の生態で優位な立場に居る存在であると考えられる。
体を覆うゴツゴツとした鱗は、見るからに堅そう。
また、鱗が一部発達しており、前足や尻尾に鋭利で大きな鱗が生えている。
恐らくだが、その発達した鱗を刃のように使い、狩りをするのだろう。
セツナとダイナは、無言で戦闘態勢に入る。
セツナは右手に魔導ガントレットを装備し、ダイナは右手に魔法の杖を呼び出した。
刃を持つトカゲ、ソードリザードたちも、同じく戦闘態勢に入る。
棘張った鱗を逆立てて、鱗をスパイクアーマーのように展開。
前足と尻尾に畳まれていた大きな鱗が広がって、鋭利な刃を抜刀した。
ダイナが、軽く目配せをする。
「にしし――。お手並み拝見。」
「お手柔らかにね。」
魔法界での初戦闘にして、セツナとダイナのコンビでの初戦闘。
2人は見定める、魔物の力量を。プレイヤーの力量を。
◆
前方に群れを成すソードリザードに、遠距離攻撃で先制攻撃。
セツナは、脚を振り上げて、力強く地面を踏みつける。
すると、前方の大地がめくり上がり、地面から岩石が浮き上がる。
めくられた地面は、何事も無かったかのように、すぐさま穴が塞がって元通りになる。
めくれた地面から、はらりと落ち葉が舞い上がる。
自分の半身くらいの大きさがある岩を、脚力で蹴っ飛ばす。
スキル ≪グランドスマッシュ≫ での攻撃。
ダイナは、杖を前にかざす。
身の丈よりも少し大きい。白樺だろうか、白い木材で拵えられていて、真っすぐな柄の先が、六角形を辺で二等分したような形に湾曲している杖。
そこに轟々と赤い魔力が集まって、一瞬にして自分の姿を容易に隠せるほど大きな火球を生み出した。
スキル ≪魔導書フレアボール≫ 。火球を、前方に目掛けて放つ。
「グランドスマッシュ。」
「フレアボール。」
見え見えの遠距離攻撃は、ソードリザードには命中しない。
しかし、遠距離攻撃の最大の長所は、相手を無理やり動かせることにある。
遠距離攻撃によって群れを分断。
自分たちが戦いやすい状況を作る。
セツナは、自身の後ろにマジックワイヤーを射出。
撃ちこんだ場所を中心にして、ぐるりと周回するように走ってからワイヤーを切り離す。
振り子ジャンプのテクニックを使って、身体に前方向への慣性を付けて、高速の低空ジャンプで距離を一気につめる。
ソードリザードの1体が、彼の動きに反応した。
空中に居るセツナを両断しようと、後ろ足で立ち上がり、前足の刃を横に振る。
腕から肘に向かって伸びるように付いている刃は、縦には振れないだろう。
縦に振れないならば、屈んでよければ良い。
≪ブレイズキック≫ を発動。
下方向の慣性によって、無理やり着地。
両膝立ちになってスライディング、さらに身体を後ろに逸らす。
炎の軌跡を足元に残しつつ、リンボーダンスみたく横薙ぎの刃をくぐって躱した。
後ろに逸れた姿勢のまま、ソードリザードを視界に捉えて、距離感の確認。自分の慣性を逆算。
上体を起こして、瞬時に片足立ちになって、腰のリボルバーをホルスターから引き抜く。
引き抜くと同時に、空中に後ろ宙返りをするように飛び上がる。
バックフリップをしても、身体に残った慣性の力で、セツナとトカゲの距離は開き続ける。
飛び上がり、宙返りをし、頭が下になった体勢でリボルバーを構え、射撃。
距離が近いのと、ターゲットが大きいこともあり、射撃は命中する。
耳をつんざく炸裂音が2発、ソードリザードに吸い込まれた。
そのまま、追加でスキルを発動。
空中でムーンサルトキック、空を向いている足の裏を、地面の方向へ向かって振り下ろす。
振り下ろした足から、銀色の魔力が発生し、銀の刃となってソードリザードを攻撃する。
スキル ≪シルバームーン≫ 。足で弧を描き、魔法の刃を飛ばすスキルである。
シルバームーンはソードリザードに命中し、棘張る鱗を削り、無視できないダメージを与える。
しかし、倒し切るには一歩及ばなかったようだ。
ダメージを受けて、前方にたたらを踏むソードリザード。
彼奴の前に、ダイナがテレポートで現れる。
彼女の足を、青白い炎が包む。
「ブレイズキック。」
魔導拳士とメイジは、兄弟クラス。
魔導拳士の一部スキルは、メイジも使うことができる。
下から上に打ち上げる、炎のサマーソルトキックで、ソードリザードの残りの生命力を刈り取った。
残り5体。
ダイナは、すぐさま次のスキルを発動。
「サンダーボルト。」
≪魔導書サンダーボルト≫ を発動。
空に魔法陣が描かれ、そこから複数の稲妻が時間差で降り注ぐ。
稲妻は、密集していたオスを含む3匹のソードリザードに襲い掛かる。
稲妻の威力は小さいが、複数回降り注ぎ、複数回ヒットするので時間稼ぎができる。
この隙に、1体でも数を減らす。
魔法を唱えて隙が生まれたダイナを、目ざとく落雷の被害から逃れたソードリザードが攻撃する。
地面を四つ足で素早く這って距離を詰め、鋭利な尻尾を鞭のように振るう。
ダイナはそれを避けることはしない。
魔法で迎え撃つ。
ダイナの扱うメイジというクラス。
メイジは、遠距離が強い代わりに、近距離が強い。
尻尾が命中する瞬間、彼女の足元が氷で凍てつく。
紅葉に染まる落ち葉が、一瞬にして真っ白に凍り付いた。
魔力がダイナの身体に凝縮され、それが瞬間的に膨張する。
氷の魔力が身体から解き放たれて、ソードリザードの一撃を弾き返した。
足が止まった敵に、ダイナは追撃。
杖から、尖った氷の槍が生成されて、標的を貫く。
「アイスランス。」
≪魔導書アイスランス≫ 。攻撃が発生する前に無敵判定がある。
無敵判定に触れた攻撃を弾き返して、カウンターのように使うことができる。
メイジとは、遠近両用の強クラス。
五強と呼ばれ、「出来ないことが無い」と謳われるほどに、完成度の高いクラスなのだ。
そこに、一般的な魔法職にありがちなひ弱さは、一切存在しない。
氷の槍で貫かれたソードリザード、鋭利な氷塊で貫かれ後ろにのけぞる。
しかし、やはりまだ息がある。
大きな体躯と、堅そうな鱗を持っているだけあり、タフなようだ。
囲まれたら、この耐久力と数の有利で押し切られる。
その前に、短期決戦。
ダイナの魔法に耐えた敵を、今度はセツナが仕留める。
右手にファイヤーボールを生成。
それを手の平を広げて握りつぶす。
火球の熱が、魔導ガントレットを焦がし、燃え盛る。
その熱を押し付けるように、ソードリザードの横っ腹へ掌底を捻じ込む。
スキル ≪炎撃掌≫ 。
≪ファイヤーボール≫ が、パッシブの「右手の太陽」で変化したスキルである。
火球を飛ばす遠距離攻撃から、火球の力を拳に宿られる近距離攻撃に変化する。
氷と炎の連撃で、ソードリザードは力尽きる。
残り4匹。
数的不利を、遠距離魔法を駆使することで、疑似的に2対1の状況を作り、逆に数的有利で畳みかける。
ここで、稲妻に拘束されていた3匹が、稲妻が降り止んだことで行動を再開する。
セツナが端的に自分の行動を伝える。
「3匹は任せて。目の前の1匹は任せる。」
「ほいさ。」
セツナは、右手を地面に向けて力を溜める。
彼の周りに熱の渦が発生し、舞い散る落ち葉を燃やしていく。
≪炎撃掌≫ は、ファイヤーボールとしても扱われる。
そのため、パッシブの「双子の火星」で、ファイヤーボールと同様にチャージができるのだ。
チャージで隙を晒しているセツナの前に、ダイナが出て、近くにいたソードリザードを近づけないようにする。
身の丈ほどある杖を振り、杖術を駆使した体技を披露する。
武術などの型は、基本的に利き手関係なく、得物を右手で持ち、右半身で構えて扱う。
左利きのダイナであっても、刀や杖は右手で持ち、右半身で構えて扱う。
ソードリザードの前足での剣戟を杖でいなし、杖をくるくると回して、杖の頭を使う上段打ち、当たったら、石突の方で下段打ち。
杖術特有の、頭と石突での波状攻撃でソードリザードを追い詰める。
頭で刃を弾いて、石突で攻撃。石突で弾いて、頭で攻撃。
相手が踏み込んだら、自分は大きく身を引いて、杖の長さを活かした上段からの叩きつけ。
打ち込みの遠心力で手元から杖を滑らせて、握る位置を杖の中心から石突の方へ持ち替える。
持ち替えることで、杖のリーチを最大限に活かす。
剣術には無い、変幻自在な手数とリーチで、近距離戦闘のペースを握る。
これは、安心して背中を任せられそうだ。
セツナは、足を振り上げて、大地を踏みつける。
≪グランドスマッシュ≫ が発動して、大地をめくり、大岩を宙に浮かせる。
そして、右手に溜め込んだ魔力を解き放つ。
左半身となり、左手のひらを下に向け、右手のひらを上にして空間を作り、構える。
左手を天、右手を地とした空間に、火球が噴き出る。
≪炎撃掌≫ 、炎を纏う両手で、火球をぶつけるように掌底を放つ。
「メテオスマッシュ。」
≪グランドスマッシュ≫ で生成された岩が、 ≪炎撃掌≫ の力を受けて、岩の表面に煤が回り火が走る。
燃え盛る岩となった巨岩は、隕石もかくやの勢いでソードリザードの1体に命中し、爆発を起こした。
隕石の直撃、それと爆発のダメージには、さしものソードリザードも耐えられずに、戦闘不能となる。
残り3匹。
パッシブ「双子の火星」の効果が発動。
2発目の ≪炎撃掌≫ を即座に使用可能。使用する前に、テレポートができる。
残ったメスのソードリザードに、テレポートで一気に近づいて、顔面に火球を捻じ込むように両手で掌底を放つ。
ソードリザードはダメージを負ったものの、痛みで怯まなかった。
その頑丈な体で、痛みを無理やりに耐えて、暴れるようにセツナに斬りかかる。
セツナは、素早くスキルを発動。
≪炎撃掌≫ は、Cキャンセル属性。攻撃後の隙を別のスキルでキャンセルすることができる。
「ライトニングエッジ。」
電撃を帯びたサマーソルトキックで、暴れ狂う刃をへし折った。
≪ライトニングエッジ≫ は、攻撃中の足に無敵が付与される。
暴れる刃に電撃のカウンターを貰ったソードリザードは、ひっくり返りそのまま戦闘不能になった。
残り2匹。――いや、1匹。
ダイナが、彼女が受け持っていた敵を倒していた。
敵の体側に位置取り、左腰の銃を引き抜いて、横腹に押し当てて連射して仕留めていた。
銃の歴史に名を残す傑作、M19llの銃口にストライクプレート・コンペンセイターを取り付けたダイナの銃。
手の大きな男性でやっと丁度いいサイズの大振りな銃を、小柄な女性アバターで振り回して戦っている。
なるほど、左利きというのは、武器を持ったまま利き手で銃を扱えるのは、大きなアドバンテージだ。
徒手空拳のセツナでさえ、ガントレットを装備して指が効きにくいのだから、左利きはその点便利だ。
残り1匹。
エリマキのソードリザードは、逃げる様子も無く、セツナに斬りかかる。
それを後ろに下がりつつ、こちらからダイナと連携しやすい位置へと捌きながら移動する。
数的優位はこちらにある。
攻撃のリーチも負けているので、ムリはしない。
野生の動物にすらリーチが劣っている。
徒手空拳というのは、ツラいものである。
ソードリザードが大きく踏み込んできた。
上体を起こして立ち上がり、セツナを横一文字に切り裂こうとする。
「セツナ!」
ダイナの声に、セツナは反応。
これは、連携攻撃の合図だと受け取って、右半身の態勢から身を横に倒すように屈める。
足首を捻じって、筋肉と骨の関節の繋がりを利用して、最小限の動きで大きく身体を動かす。
足首の小さな動きは、上体を素早く左に屈めこませた。
重心が左に倒れた身体を、両手をついて支える。
そんな彼の背中を上を、衝撃波が撫でる。
「飛燕衝。」
セツナが身を翻すと同時に、ダイナの放った ≪飛燕衝≫ が、ソードリザードを捉える。
魔導拳士のそれと似た性能をした、手の平から放たれた衝撃波を不意打ち気味に受けた敵は、後ろに一歩下がる。
衝撃波が通り過ぎたら、今度はセツナのターン。
また、足首を捻る動きで、上体を1拍子の間もかからずに起こし、両手で拳のラッシュを叩き込む。
素早く5発6発打ち込んで、ラッシュの最期に、右手と右足を同時に出すように、裏拳を当てる。
体重と重心移動の乗った裏拳に、ソードリザードが怯んだ。
ダイナがセツナの右側に立つ。
横一列に並んで、ダイナが右側、セツナが左側。
2人は、同じタイミングで足に炎を纏う。
青い炎と、赤い炎が、葉の舞う地面を焦がしていく。
ダイナが左脚で踏み込み、右回りに回転。
セツナが右足で踏み込み、左回りに回転。
「「ブレイズキック!」」
青い一撃と、赤い一撃。
両者の勢いをつけた足刀蹴りが、エリマキのソードリザードに命中した。
巨大なワニのような巨躯をもろともせずに吹き飛ばし、紅葉に染まる葉を焦げ燃やし付かしながら、地に伏せさせた。
必然、耐えるべくも無し、戦闘不能になる。
残り0匹。
残身。構えを解かず、周囲の警戒。
加勢の気配無し。
――戦闘終了。
「「いえ~い!」」
2人は、手を挙げてハイタッチした。




