SS12.09_サイバー・ゾンビメガロドン
M&Cまで続くマジックシリーズ3作において、史上最初のユニークプレイヤー、ノクター。
彼は、クリスマスイベントのボスとして、6人のサバイバーの前に立ち塞がった。
まさか、プレイヤーがイベントボスになるとは、経験者でも予想外の展開。
この事態に、全員が気を引き締め直す。
これだけのメンツが居ればボスも楽勝だろうと思っていた感情を、心の外へと追いだす。
「イイ表情になったじゃねぇか? あぁん?
上澄みが5人も居れば楽勝かと思ってたか?
甘めぇんだよォォォォ!! ヒィィハァァァ!!」
実のところノクターは、裏で密談を交わしていた。
密談の相手は、メリッサ。
彼女は、サバイバーを勝利に導くと同時に、裏でキラーの手も引いていたのだ。
サバイバーをオーブに導く裏で、キラーをサバイバーへとけしかける。
その中で、今回のイベントに相応しいキラーを見繕い、キラーにナイスデイを殺害させる。
クリスマスを乗っ取る。
‥‥そっちの方が、サプライズだから。
メリッサの思惑は上手くいった。
イベントの主催者たるナイスデイは倒れ、手綱を握る者は居なくなった。
ナイスデイのシナリオやバランスなんて無視して、メリッサとノクターが暴れ回る。
「感じるぜ、この力! この魔力ッ!
オレが――、オレこそが、この世界のルールッッ!!!」
ノクターは、マイクを片手に狂喜乱舞。
左手でメロイックサインを作り、サバイバー全員を指差す。
「世界のルールである、オレが命じる。
4人だ。4人、オレの贄となれる機会をやろう。
6対2で遊んでやっても良いが、それでは目立てない脇役が出てしまうだろう?
サバイバー共! オレを楽しませろ! 観客を興奮させろォ!!」
6人のうち、4人をノクターが相手し、残りの2人をメリッサが相手をする。
これも、密談で取り決めた約束。
最初は3・3で山分けする予定だったのだが、ノクターが駄々をこねて4・2となった。
‥‥いま思うと、ノクターの意見を飲んで正解だったと、そう思う。
上澄み3人相手は、さすがに一方的になりそうだ。
ノクターがボスバトルのルールを決めると、6人の前にウインドウが表示される。
パーティの編成を決めろということらしい。
セツナが、みんなの意見を確認。
「4・2で別れろって言ってるけど、どうする?」
質問に答えたのは、八車。
「なら、いい案がある。
俺とコイツは、別々だ。」
そう言って指差したのは、フロントさん。
八車は、フロントさんと組むのが嫌らしい。
「――ほう。お前、頭良いな。
ナイトが強くて最強なのは確定的に明らかだが、はっちゃんも唯一ぬにの一級廃人。
ナイトの背中を安心して任せられることで、俺はさらに全力を出せるだろうな。」
「コイツ‥‥っ!?」
皮肉が通じない。
下段ガードを固めて隙の無いフロントさんに、八車はぶっきらぼうに背中を向けた。
「なら、はっちゃんの相方には、俺が行こう。」
「はっちゃん言うな!」
八車とのバディに名乗り出たのは、JJ。
「まあまあ。助けられた恩もある。
それに、お互い気が合いそうじゃないか? な?」
「‥‥チッ。好きにしろ。」
「決まりだな。よろしく。」
「足を引っ張るようなら、見捨てるからな。」
「上等。」
JJと八車。火薬術士と、魔導鎧士。
2人は、5弱クラス。
きっと気が合うし、きっと良いコンビネーションができる。
とんとん拍子で、パーティ分けが済んだ。
ノクターの相手は、ダイナ・セツナ・フロントさん・ヤマブキ。
「ほう‥‥。上澄みが3人、5強が3人――。
ナイト・メイジ・モノノフ。
それとォ! 姉の出涸らしィ!」
「出涸らしぃ~!?!?」
指差されて、出涸らし呼ばわりされるセツナ。
優秀な姉のメイジの影に隠れて、影の薄い魔導拳士を煽られる。
出涸らし呼ばわりをフォローするのは、心強い味方であるフロントさんとダイナ。
「お前、頭悪いな。
魔導拳士が出涸らしだったのは、今は昔の話し。
英語で言うと、バックトゥザフューチャー。」(?)
「そうそう。舐めてると、痛い目みるからね!」
「――ハッ! 上等だぜ! ユニークに目覚めた俺の前では、強クラスも出涸らしも関係ェねぇ!
ヒィィハァァァァ!!」
マイクを口に近づけ、ノクターが吠えた。
魔力の乗ったシャウトが、大気を震わせる。
「――イッツァ、デモニックフィールド‥‥‥‥!」
ウィスパーボイスで囁くと、ノクターとダイナたち、それとゾンビの姿が街から消えた。
どこか、専用のバトルステージに移動したようだ。
「さて‥‥。」
JJは八車に目配せをし、空を見上げる。
空には、帯電したゾンビメガロドン。
メリッサが憑依した、メガロドンが2人を見下ろしている。
『プレイヤーJJ、プレイヤー八車‥‥。
観測を始めます。』
メガロドンの姿に変化が起きる。
メガロドンが分解されていく。
テクスチャが剥がれ、電子の存在へと分解されていく。
『肉体を再構築‥‥。プロトモジュールを適用――。』
地上に魔法陣が展開される。
再構築されたテクスチャが現れる。
CAD(設計ツール)で作図されたような見た目に肉付けがなされ、テクスチャに生命が吹きこまれる。
『パターン1。想定、地上戦闘。
タイプ、ケルベロス。』
街に現れたのは、ケルベロス。
犬の体に、サメの頭。
三頭のサメから成る、地獄の番犬が、ボスとして立ち塞がったのだ。
シャークケルベロスを前に、JJは苦笑い。
「――如何にも、B級映画って感じだな。」
「頭を増やせば、強いとでも思ってるのか?」
『ご安心ください。
きっと、お二人に満足していただける戦闘となるでしょう。』
‥‥‥‥。
JJと八車 vs サイバー・ゾンビメガロドンの戦いが、死とクリスマスの街で始まる――!
◆
◎装備確認
プレイヤー:JJ
クラス :火薬術士
ビルド :ダブスタビルド
〇スキル
1.黒色・飛燕衝 New
2.⇒硝煙の残り香 (Sp) New
3.単純な製法 (Sp)
4.高性能火薬 (Sp)
5.強化シリンダー (Sp)
6.★ロケットスターター (Sp)
7.★ロケットスターター (Sp)
8.サバイバルキット (回復アイテム)
※Spは、スキルに装備するパッシブのこと。
x.外されたスキル
飛燕衝
飛燕刃
〇パッシブ
1.火薬鎚 (Ps)
2.火薬刀 (Ps)
3.火薬籠手 (Ps)
4.★無鉄砲な大量生産 New
5.★無鉄砲な大量生産
6.午後の死
7.七発目の弾丸
8.滋養と狂走 (回復アイテム)
※Psは、パッシブに装備するスキルのこと。
x.外されたパッシブ
火薬銃
失敗の母
〇EXスキル
1.バレットタイム
2.ダブルバレル New
3.高純度火薬(EXパッシブ)
x.外されたEX
〇Ultスキル
S.賢者の火薬 New
P.愚者の引き金 New
―――――
プレイヤー:八車
クラス :魔導鎧士
ビルド :カオスダブルオー (ビルド)
〇スキル
1.ストライクコア
2.エレメンタルコア
3.ヘヴィコア
4.ソードコア
5.ファントムコア
6.★アップグレードパッチ (Sp) New
7.★アップグレードパッチ (Sp) New
8.アドバンスパーツ(回復アイテム)
x.外したスキル
ショットコア
ストーカーコア
〇パッシブ
1.★カオスフォージバンクル
2.★カオスフォージバンクル
4.ソードコア適正
3.ダークアーマーキー
5.ファントムコア適正
6.背徳の狼
7.活性ディヴィジョナーウイルス
8.オーバードライブキー(回復アイテム)
〇EXスキル
1.ファイターチップ
2.ソードマンチップ
3.カオスチップ
〇Ult
S.オーバーコア
P.カオスシェイドフォージ
―――――
PvP専用ルール
PvPサーバーでは、Ultスキルの発動条件が通常と異なる。
Ultゲージと呼ばれる専用のゲージを使用して発動する。
Ultゲージは、AGの増減によって溜まっていく。
AGを100ポイント(4本分)、貯めるか使うことによって、Ultゲージが溜まり、スキルの使用が可能になる。
1度使用すると、そのゲーム中(イベントや対戦中)は、使用が不可能になる。
ただし、自分がデスしてリスポンした場合には、また使うことができる。
◆
街に姿を現したシャークケルベロス。
CEの半分ほどの大きさに、黒い体。
赤い6つの眼で獲物を睨み、3つの頭で吠える。
3つの口から成る遠吠えは、雷の如き轟音。
易々と大地をカチ割って、衝撃波がJJと八車へと迫る。
「任せろ!」
JJが八車の前へ。
火薬刀を取り出し、コッキング。
EXスキル ≪ダブルバレル≫ を発動。
≪ダブルバレル≫ は、AGを消費せず、次の攻撃に弾丸を2発消費することにより、威力と範囲を強化する。
火薬刀の鞘に取り付けられた、引き金を引く。
スキル発動――。
「飛燕衝。」
≪黒色・飛燕衝≫ 。
黒色火薬のような真っ黒い煙と共に、刃が抜き放たれる。
下から、上に向けて抜刀斬り。
火薬を2発消費した斬撃は、黒い三日月となり、サメの背びれのように地を駆ける。
シャークケルベロスの背丈ほどに伸びた火薬の三日月が、ケルベロスの咆哮と衝突。
咆哮を火薬で掻き消し、JJたちが立っている場所だけ、咆哮の被害から免れる。
残弾、4発。
「――はッ!」
八車が、JJの背後から飛ぶ。
空中に着地し、踏み込み、空中ダッシュ。
八車のクラス「魔導鎧士」は、魔導拳士の使うコアレンズの力を装甲として纏い戦うクラス。
現在、八車が装備しているのは、ファントムコア。
魔導鎧士の専用コアレンズで、使用には特別なアーマーバンクルが必要。
その分、性能が高く、運動性能と格闘能力に優れる。
ただし、出力が強すぎるため、バンクルが焦げ付いて、レンズの交換ができなくなる。
八車が空中で踏み込むと、黒い炎が起きて、彼の身体を前へと押し出す。
「はァァッ!!」
黒炎を足に纏い、ジャンプキック。
ケルベロスは、キックを避けようともせず、真ん中の頭の口を大きく開く。
八車の攻撃ごと、食ってしまうつもりだ。
「ぬぅん!」
ブースターオン。
そうはさせないと、JJの攻撃。
ショットシェルを2発消費して、物凄い勢いですっ飛んできたJJが、無防備な顎下にアッパー。
赤く燃える拳が、蒼い炎を伴って繰り出される。
アッパーがケルベロスの真ん中の頭を捉え、八車のキックが、鼻先を捉えた。
JJと八車は、空中で姿勢を制御、追撃。
拳に、炎を纏う。
JJのスキル ≪硝煙の残り香≫ が発動。
火薬武器の弾丸を消費すると、一定時間「残熱」状態となる。
残熱状態中は、弾丸を消費する攻撃の威力が上昇する。
強化段階は3段階で、威力が最大20%上昇する。
JJの拳が白く、八車の拳が黒く。
拳から火炎が放たれ、ケルベロスに直撃。
地獄の番犬の巨体を退かせる。
が、ケルベロスもタダではやられない。
左右の頭が、それぞれに口からブレスを吐く。
高速かつ、圧縮された水のブレス。
渦巻く水流が、2人を別々に狙う。
左右に散るJJと八車。
ケルベロスに回り込むように近づき、首の可動域から逃れるように走る。
2人の後ろでは、道路と建物が、ブレスによって枯葉のように吹き飛んでいる。
三つ首の真ん中がダメージから回復する。
空を見上げ、狼のように吠える。
たちまち、空に黒雲が広がる。
狼の遠吠えに応えるように、空から雨のごとく雷が降り注ぐ。
地面は、水のブレスにより水浸し。
雷が、濡れた地面を通電し、2人を捕らえる。
一瞬で、地面を濡らす水が蒸発し、乾いた。
紙一重で宙に逃れた2人を、熱いスチームと、落雷が襲う。
スチームで怯み、雷に叩き落とされた。
ケルベロスが、追撃。
右の首が、JJにブレスを吐いて牽制。
体は八車の方へと向き、彼を前足で踏みつけようとする。
八車はテレポート。
しかし、移動先に回り込まれ、狩られてしまう。
番犬が頭を低く構え、地面を抉りながら突進し、跳ね飛ばされてしまった。
「ぐあッ!!」
吹っ飛び、建物を2枚抜きしてしまう。
が、時間は稼いだ、注意は逸らした。
この一瞬があれば、JJは立て直す。
――Ultパッシブ、発動。
「愚者の引き金」。
JJの右手に、ドクロの刻印がされたショットシェルが現れる。
体力100ポイントをコストに、愚者の弾丸を生成。
Ultとは、各クラスの到達点であり、極致。
この技法は、火薬術士、マイナス方向の極致。
火薬籠手のチャンバーオープン。
左手を素早く2回、開いて閉じる動作を行うことで、チャンバーが開く。
手の甲と、手首の部分の装甲が開き、使用済みのショットシェル3発をイジェクト。
空になった装弾口にUltで生成した弾丸を詰める。
チャンバーを閉める。
‥‥‥‥ブースターオン。
火薬籠手から、夕暮れのような、夜明けのような、光が漏れる。
光が蒼い炎と混ざり、爆ぜる。
愚者の弾丸は、次元を裂く。
宇宙とは無限に広がり、ロマンへと収束する。
左手起こった爆発は、次元を裂き、次元に広がり、ケルベロスの脳天へ火薬を叩き込む。
空間を捻じ曲げ、火薬を直接敵に叩き込む。
それが、愚者の弾丸の力。
火薬を極め、火薬術士は魔法を体得するに至る。
JJは、その場から1歩も動くことなく、三つ首の真ん中を潰した。
ケルベロスも、メリッサも、まさか火薬術士が魔法を使えるなんて知らなかったのだろう。
予想だにしない初見殺しにより、強烈な一撃を叩き込まれた。
頭を失い、足がもつれ、倒れ込む。
――そして、火薬術士の前で隙を見せるということは、死を意味する。
ブースターオン。
火薬籠手に残った、最後の弾丸を消費。
背を向けて倒れる番犬の元へと、一気に距離を詰める。
距離を詰め、背に登り、銃を構える。
「よぉしポチ! 躾の時間だ。」
主力火器、パイルバンカー。
パッシブ「無鉄砲な大量生産」が発動。
本来、AGが3ゲージ必要なパイルバンカーを、威力を半分にして、AG消費無しで使用できる。
そして、パイルバンカーは、火薬武器。
主力火器に装備されていても、パッシブによる火力上昇の恩恵を受けられる。
これにより、いまJJが放つパイルバンカーは、威力の減少幅を、1割にまで抑えている。
それを、無料で撃てる!
脇に抱え込んだ銃の引き金を引く。
6点バースト。
シリンダーに装填された全ての弾丸を使い、バレルに格納された杭を、音速を超える速度で撃ち出す。
杭の衝撃波が、ケルベロスの内部を破壊しながら、地面へと撃ち込まれる。
強力なダメージにより、立ち上がり暴れるケルベロス。
背中のJJを振り落とそうとするが、マジックワイヤーを撃ち込まれて、上手くいかない。
雷を呼ぼうにも、雷を制御している真ん中の頭を失って、上手くいかない。
「もう1発、食らっとけ!」
使いきりのパイルバンカーを捨て、新しいパイルバンカーを取り出す。
暴れられて不安定な背中の上で、無造作に引き金を引く。
接射ができず、威力が完全に発揮できないまでも、撃ち出された杭が、背中へ深々と刺さる。
ケルベロスは、2つとなった頭で悲鳴を上げる。
震える足で駆け、巨体を建物の壁に押し付ける。
背中と壁でJJを潰し、引き剥がした。
JJが、建物に埋まる。
JJと距離を取り、大きく口を開く。
2つの首が、ブレスで消し飛ばそうと構える。
――空を、黒い鎧が飛ぶ。
空を駆け、空を蹴り、黒炎を纏う。
「破ァァァ!!」
黒炎纏う蹴りが、ケルベロスの背中に命中した。
背中の、深く突き刺さった、杭に。
杭が燃え盛り、猛獣の背中へと食い込み、腹まで貫通。
腹に大穴を2つ開けたケルベロスは、空元気も限界に達し、動きが止まる。
建物に埋められたJJが飛び出す。
火薬鎚を縦に振るい、回転しながら空を飛ぶ。
八車がアーマーバンクルに「アーツチップ」を差し込む。
『――カオスチップ。オーバードライブ。』
EXスキル発動 ≪カオスインパクト≫ 。
右手に力を込め、単純明快なパンチを放つ。
――それを、黒炎の跳躍力で威力を高める。
『ファントムジャンプ。』
『――カオスインパクト。』
「ぬぅぅん!」
「デヤァァァ!!」
JJの火薬鎚が、八車の拳が、ケルベロスの左右の首を捉えた。
火薬と混沌をモロに受けたサメの頭には、亀裂が生じる。
内部を駆け巡る、膨大なエネルギーに、肉体が内部から崩壊していく。
爆発四散。
左右の頭は、亀裂から白と黒の光を放ちながら、ついに爆発して砕け散った。
サメの頭を失った犬の体は、憐れにもフラフラとよろめき、その場に伏せた。
八車が右手をプラプラと振り、JJが火薬鎚を担ぐ。
「伏せは、出るようになったな。」
軽口を叩き、八車の方を見る。
彼は腕を組み、「ふん」と鼻を鳴らした。
伏せをした犬を横目に、リロード。
鎚の柄尻を叩いてシリンダーを外し、新しいシリンダーを装填。
火薬籠手も、同様にリロード。
左手を2回、握っては開いて、チャンバーオープン。
タンカージャケットの裏地に括りつけてあるショットシェルを取り出して、装填。
「――リロードの時間をくれるなんて、随分と余裕だな。」
犬の亡骸に、そう呟く。
『ええ。おかげ様で、良質なデータの採取ができました。』
メリッサが、電子の身体を現わす。
ケルベロスの体が、電子の海に還っていく。
『あなた方を超えるには、首が3つでは足りないようです。』
「「‥‥‥‥。」」
『ならば――、こうしましょう。』
魔法陣が展開される。
CADの設計図が浮かび上がり、そこにテクスチャの肉付けがされていく。
『観測終了。プレイヤーJJ、プレイヤー八車。
2人を倒すために必要な戦闘力の計算結果がでました。』
ケルベロスの2倍は大きい、怪物が街に現れる。
背の低い建物と、小さな人間を見下ろす。
『計算結果によれば、8つの頭があれば、あなた方を圧倒できる。』
此方を見下ろすのは、ドラゴン。
8つの頭を持つ、ドラゴン。
顔が3つあり、手と足にも頭があり、尻尾にも頭がある。
ヤマタノオロチのような、8つ首のドラゴン。
『サイバー・ゾンビメガロドン・ドラゴンアハト。
これで、相手をして差し上げましょう。』
「‥‥サメに頭やられ過ぎだろ。」
「気を抜くな。強敵だぞ。」
サイバー・ゾンビメガロドン・ドラゴンアハト。
8つの首を持つシャークドラゴンが、5弱クラスコンビの前に立ち塞がる‥‥!




