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Magic & Cyberpunk -マジック&サイバーパンク-  作者: タナカ アオヒト
5.5章_11月のサウィン祭

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5.xx.1_ステータス確認_ブーマー ※番外偏

プレイヤー:ブーマー

クラス  :エクスプロージョニスト (発破士)

ビルド  :アドレナリンビルド


◎クラス概要

最強の火力と、最悪の取り回しを誇るクラス。

無秩序なまでの爆発スキルを駆使し、自他に甚大な被害をもたらす爆発屋。



◎ビルド概要

AGの回復に重きを置いたビルド。


発破士のスキルには、AG消費を求められるものが多い。

その取り回しの悪さをパッシブで補い、気持ち良くなるビルド。


気持ち良さの代償は、文化的な尊厳。



〇スキル

1.飛燕衝

属性:CC(Cキャンセル)GC(ガードクラッシュ)


AGを5ポイント消費して発動する。


自身の前方に、レティクル型の魔法陣を生成する。

魔法陣は衝撃を受けると、仮想HEAT弾 (仮想成形炸薬弾)を発射する。


AG版は、三重の魔法陣を展開。

強力な榴弾を発射する。



2.飛燕刃

属性:FC(Fキャンセル)・GC


AGを5ポイント消費して発動する。


円形の投擲武器、チャクラムを生成する(最大2本)

チャクラムは、投擲してしばらくすると爆発し、爆発で空気を圧縮して爆切を起こす。


Fキャンセル属性で、爆発をキャンセルできる。

爆発を警戒した敵の懐に潜り込む手段として使える。


AG版は、空中に4本のチャクラムを生成し、飛ばして攻撃することができる。

数が増えるので、自爆注意。



3.ハンドグレネード

安全ピンを抜いて使う、パイナップルに似た形状のグレネード。

投擲から4秒後に爆発を起こす。


グレネードの外殻は硬質で、爆発によって砕けた破片が、高い殺傷能力を生み出す。


AG版は、束にした1ダース (12本)のダイナマイトを投げる。

取り扱い注意。


発破士のスキルでは珍しく、発動にAGを求められない。



4.ダンブルファイア

AGを5ポイント消費して発動する。


垂直2連のダブルバレルグレネードピストルを装備する。


追加のAG消費で、リロードが可能。

リロードを繰り返す度に、グレネードの威力が上昇する。(2回まで)


AG版は、最大強化された擲弾が、最初からピストル内に装填される。



5.キックスターター

属性:GC


AGを5ポイント消費して発動する。


靴底を地面に擦することで、仕込んでいた火薬を発火させる。

発火した火薬は、強い衝撃を受けると爆発を起こす。


使用用途は、敵を蹴りつけての攻撃、地面を蹴って高速移動など。


AG版は、火薬が3回まで爆発を起こせるようになる。

この時、このスキルはFC属性を得る。


スキル性質上、このスキルは必ず自爆する。



6.フォーリーローダー

属性:GC


AGを5ポイント消費して発動する。


空から光の柱が6本降り注ぎ、地上に爆発を起こす。

威力は高いが、光の発生から攻撃までにラグがある。


AG版は、自分を起点に巨大な光の柱が天から射し、神罰を下す。



7.最後の切り札

属性:GC


AGを25ポイント消費して発動する。


大量のダイナマイトを留めたミリタリージャケットを装備する。

ジャケットは、アドレナリンの分泌を促し、身体能力を向上させる。


ダイナマイトは、ダメージを50ポイント以上受けるか、起爆スイッチを押すと爆発する。


AG版は存在しない。


ジャケットは、一度装備をすると外すことはできず、装備中はテレポートもできなくなる。



8.サバイバルキット

ナノマシンを注入する自動注射器。

体力が20%回復し、AG10ポイント回復する。



〇パッシブ

1.シェブ・シンドローム

B級映画を視聴して、イメージトレーニングを行う。

トレーニングにより、アドレナリンの分泌量を増加させる。


スキルが敵に命中すると、AGが2ポイント回復する。

戦闘中、体力が10秒ごとに5ポイント減少するようになる。



2.⇒自発的な救命措置

このパッシブは、「シェブ・シンドローム」を発症している時のみ、装備が可能。


ブレイブゲージを1つ消費して発動する。

除細動器による救命処置を、自身にセルフで施す。


体力が100ポイント減少し、AGが25回復する。


また、シェブ・シンドロームのデメリットを無効にし、リゲイン能力が上昇する。(持続30秒)


自爆によって戦闘不能になった場合にも使用が可能で、その際は体力が100ポイント回復する。

※1度の戦闘中に1回のみ。



3.ハイ・ボルテージ

タトゥーを入れるノリで、人工心臓を移植する。


人工心臓は、心身の興奮で充電され、脈が強くなり、パフォーマンスが向上し、寿命が縮む。


スキルを発動すると、AGが2ポイント増加する。

AGが、10秒ごとに2ポイント減少するようになる。


人工心臓と、寿命の減少には、医学的な因果関係が証明されていない。



4. ⇒ボルテックスチャージ

このパッシブは、「ハイ・ボルテージ」を装備している時のみ、装備が可能。


ブレイブゲージを1つ消費して発動する。

持ち運び可能な電気スタンド (エンジンバッテリー)で心臓の充電を施す。


電気的なショックにより、体力を100ポイント回復する。

電気的なショックにより、体力が100ポイント減少する。


また、ハイ・ボルテージのデメリットを無効化にし、1秒ごとにAGが1ポイント回復するようになる。(持続30秒)



5.完熟パイナップル

スキル ≪ハンドグレネード≫ の性能を変化させる。


完熟したハンドグレネードを使用するようになる。


グレネードが衝撃により即時爆発するようになり、爆発範囲が向上する。

反面、外殻が柔らかくなり、破片による殺傷能力は失われる。(威力が低下する)



6.効率2倍

天才的な閃きと、鋭い洞察力で、ダンブルファイアの効率を2倍にする。


AGを10ポイント消費して、両手にグレネードピストルを装備する。

効率2倍!


なお、AGを50ポイント (2本)消費すれば、AGグレネードピストルの二丁持ちも可能。



7.丈夫な安全靴

日本製の靴を履くことで、スキル ≪キックスターター≫ の自傷ダメージを無効にする。

AG版の自傷は完全には防げない。


追加で、パッシブ「秘密の靴底」を装備することで、AG版の自傷も無効化可能。


スペシャルでシークレットなシューズで、バビュンバビュン駆け回る、キッカービルドというものが存在する。



8.クランクカクテル (回復アイテム)

発破士専用のパッシブ。

このパッシブは、回復アイテムを使用せずとも自動発動する。


副腎のアドレナリン分泌量を増加させ、ついでに受容体も活性化させる。


以下の効果中、1秒ごとにAGが1ポイント回復する。

・最後の切り札

・自発的な救命措置

・ボルテックスチャージ



〇EXスキル

1.ウルトラスーパーブレイズキック

属性:GC


AGを2本消費。

ブレイズキックを、科学と魔法の力で爆発的に強化する。


敵と自分に、極大ダメージを与える。

通称、バカタレエクストリーム。



2.オペレーションZI

AGを4本消費。


空に無数の魔法陣が展開。

そこから大量の仮想榴弾を投下し、一面を焼け野原にする。


見た目の割りにGC属性が無く、アサルトシールドで防ぐことができる。


見た目は派手で、攻撃範囲も広いが、アサルトシールドに無力であるため、1発芸の域を出ない。

ネタクラスの、ネタEXスキル。


爆撃が終わる頃には、ネタEXをぶっぱして、AGが枯渇してシールドを張れなかったグレイテストバカタレが横たわっている。


スキルの正式名称は、オペレーション・ツェッペリン・イーダ。



3.スイーパーレティクル (EXクレッシェンド)

パッシブスキル。

≪飛燕衝≫ を強化する。


発動コストが5ポイント増加する。


スキル発動時に描く魔法陣レティクルサークルを、任意の座標に生成できるようになる。

スキルのダメージが、10%増加する。


遠くにレティクルを生成して、それを銃で起爆して奇襲を仕掛けるなんて使い方が可能になる。


ただし、レティクルは敵の攻撃でも起動する。

逆に利用されないように注意。



〇Ultスキル

1.未開放



◎クラス解説 (エクスプロージョナー:発破士)

ブーマーのクラスは、爆発をこよなく愛する、エクスプロージョナー。

過去作では発破士と呼ばれ、M&Cユーザーも、過去作の名前で呼称することが多い。


エクスプロージョナーって名前、長いじゃん?


発破士は、爆発のエキスパート。

科学的・魔法的な手段を問わず、爆発に精通する技師。


感の良いM&Cユーザーはお気づきかも知れないが、あのネタクラスで有名な「火薬術士」と暖簾を分けたクラスでもある。


火薬術士が、火薬の「制御」を理念とし、頑丈な部品で複雑な機構を組み立てているのに対し、発破士の火薬に対する理念は「破壊」。


火薬の破壊力だけにフォーカスし、より単純で、より強力な爆発を起こすことに快感を覚える変人集団なのだ。


‥‥暖簾を分けようが、理念を別としようが、両方とも変人であり、ネタクラスに変わりは無い。


でも、この2つを一緒にすると、界隈の変人たちはバチキレる。

――気を付けよう。


さて、そんな暖簾を分けたネタクラスである発破士。


その性能は、「良い所だけを見たら100点」、「ダメな所だけを見たら0点」、「総合評価は0点」。

そんなクラスである。


まず良い所。発破士は、火力面だけで見れば全クラス屈指。

それどころか、最強だと言う声も少なくない。


次に防御面。

これに関しては、オワっている。


発破士は、自らが引き起こした爆発に巻き込まれると、ちゃんと自分もダメージを受ける。

全クラスの中で最強の火力が、少なくない頻度で我が身に降りかかるため、まあ耐久がペライ。


M&Cは、標準体力が1000に設定されており、これは全クラス共通。


しかし、発破士は自爆のせいで、実質的な耐久力は700とか600とか、それくらいになる。

そして、EXスキルで特大自爆をして、平気で300ダメージくらい受けて死ぬ。


ただし、発破士には、自爆からの蘇生スキルがあるので、あえてEXスキルで自死をして立て直すテクニックがある。

ミリ残りの体力を自死で回復したり、状態異常を解除するために自爆したり。


このテクニックは、「自爆ヒール」と呼ばれている。


他にも「食らいボム」というテクニックがあり、自爆を使って敵の攻撃から緊急脱出をするという戦術が存在する。


この食らいボムを使えば、敵の連続攻撃の被害を最小限にしつつ、相手にダメージを与えるなんて芸当も可能。

そんでもって、ヤバくなったら自爆で自殺して蘇生で復活。


自爆も善し悪しで、上手く使いこなせば、攻撃だけでなく防御にも利用できる。

発破士いわく、「自爆は無敵技」。


一級の発破士は、自爆ヒールや食らいボムによって、相当しぶとくなり、PvPだと嫌われやすい傾向にある。

かと言って、PvEでは味方の視界を爆風で遮ってしまうため、やっぱり敬遠されやすい。


こっちが気持ち良くコンボをしてたら自爆で割り込んでくるし、あっちが爆発で気持ち良くなっている時は (視界が悪すぎて)何もできないしで、ネタクラスなのに嫌われ者という、でっけぇカルマを背負っている。


――ケサティーアボム!!

――プロペラトルティーヤ!!


なお、これよりも防御方面がオワっているクラスが存在し、それは我らが主人公、セツナの使用している魔導拳士である。


やり込み勢視点での話になるが、自爆テクニックによる防御性能は、魔導拳士の貧弱な装甲に勝ると評価されている。


魔導拳士だって、AGがあれば武器を装備できるし、AGがあれば無敵技だって使える。

が、逆から言えば、AGが無ければ守りの札が碌に無いという事であり、そのため防御最弱の不名誉に輝いている。


なのに、防御のペラさをネタにされるのは、発破士の方。


‥‥ドベ争いをしている相手のキャラが強烈過ぎるせいで、ネタにもされない弱さの魔導拳士くん、可哀そう。


ふつう、○○最弱とかって、コミュニティではネタにされるはずなんですけどね?


さて、火力は最強、防御はブービーな発破士。

このクラスの汎用性はと言うと、論外。


オワっているとかってネタにできる範疇では無く、論外。


その原因はいくつもあるのだが、本項では有名どころを3つピックアップする。


1つ目、クラス固有の武器を持たない。

魔導拳士でさえ、格好いいガントレット (@紙装甲)を装備しているのに、このネタクラスは丸腰である。


いちおう、プレイヤーは主力火器と補助武器を装備できるため、完全な丸腰とまではいかない。

いかないものの、近強遠弱な世界において、銃を持ったところで丸腰と大差ない。


2つ目、AGの消耗が大きい。


繰り返しになるが、発破士とは、火薬の爆発を最大限に活かすことを是とするクラス。

そこに、火薬との共存などという思考が入る余地は無い。


発破士は、火薬術士みたいにオモチャを弄る真似はしないのだ。

爆発とステーキは、デカければデカいほど良い。


そう言ったバックボーンがあるからか、発破士のスキルは、通常スキルであってもAGの消費を要求されることが少なくない。


全クラス共通のスキルである ≪飛燕衝≫ や ≪飛燕刃≫ ですら、発動に5ポイントのAGを要求される。(※)


一応、パッシブで無料化が可能。

なお、無料化すると、威力が7割減少してゴミスキルと化す。


そのため発破士は、丸腰状態で戦うシチュエーションを、クラスコンセプト単位で強いられる。


‥‥暖簾を分けた火薬術士は、火薬が尽きても武器を鉄の塊として使えるのに、発破士はそれさえ許されない。


AGが溜まらないとまともにスキルさえ使えないので、戦闘能力が著しく低下する。


とくに、AGスキルや、EXスキルを使おうとすると、もう地獄。

スキル無し、武器無しの状態で戦い、AGを溜めないといけないのである。


M&Cには、極々一部の例外を除き、リベンジシステムが存在しない。


ダメージを受けるとAGが回復するとか、ピンチになると攻撃力が上がるとかは、基本的に存在しない。


※5強のナイトには、被ダメAG回復が存在する。

 5強つえぇー!


無論、発破士にリベンジシステムを開発陣が与える訳も無く、発破士は気合と根性でAGを捻出しなければならない。


確かに、発破士の火力は最強だ。


――それが、発動できるのであれば。

そして、発動できるくらいの腕前があるのならば、別のクラスを使った方が強い。


発破士がオワっている理由の3つ目。

それは、強力なスキルに、常にリスクが付きまとうこと。


発破士が、自らのスキルで自爆をするのは、先述の通り。


で、その自爆は、AGスキルや、EXスキルでも起こり得る。

むしろ、強力なスキルは火力も範囲も強力だから、自爆のリスクは倍率ドン!


火力最強クラスの、強力なAGスキルやEXスキル。

そんなもんを、丸腰のバカタレが食らっちゃったりなんかしたら、大変なのである。


発破士は、ハンカチを持ち歩く感覚で、蘇生パッシブを装備しておくこと。

それが、セントラルでの身だしなみ。


この他にも、細かいところを挙げれば色々とあるのだが、以上の3つが、発破士の汎用性を著しく下げている原因だ。


総じて、発破士とは、最強な火力が、貧弱な防御の足を引っ張ているクラス。


‥‥これが5弱じゃないってマジ!?


5弱クラスと呼ばれているクラスは「火薬術士」「魔導鎧士」「無名」「スナイパー」「レスラー」の5つ。


もちろん、そんな訳は無く、人によっては発破士を5弱クラスに挙げることも少なくない。


ただただ、火薬術士とキャラ被るからという理由で、お情け5弱回避をしているのが現状である。


分かりやすくオワっている発破士よりも、発想と着想は間違って無いのに、方法と手段がオワっている火薬術士の方が、5弱ソムリエ好み (?)NA☆NO☆DA。


イギリスの珍兵器、生まれる前から失敗作だったパンジャンドラムよりも、フランスの黒歴史、設計図()()は傑作だったショーシャ軽機関銃の方が、芸術度高いでしょ?


つまりはそういうこと。



◎プレイヤー解説 (ブーマー)

M&Cの、PvPサーバーを主な拠点にしている、三枚目の男性プレイヤー。

本名、鳴海なるみ 悠樹ゆうき


普段は、特攻野郎の馬鹿どもとつるんでおり、運び屋の仕事を、愉快な仲間たちと一緒にやっている。

1人で黙々淡々としているよりも、大勢で騒ぐのが好きなタイプ。


ゲーム内での趣味は、ナンパ。

PvPサーバーの女性アバターに片っ端から声を掛けて、片っ端から眉間に鉛弾を貰っている。


飄々として軽率、馬鹿で阿呆な三枚目。


――が、その正体は、自衛団に100人の存在、ランカーの1人。

いつもはバカやっているが、マジになると強いタイプ。


ランカートライアルでは、セツナと一緒に訓練を受けた。

セツナとは同じ管轄に住んでいるらしい。


ランカーであり、マジになると強いブーマーは、いわゆる ”持って生まれた” 人間。


同い年が小学校低学年のカリキュラムを受けている段階で、すでに高等教育のカリキュラムを受けていた。


そのためか、同年代よりも精神的な成熟が早く、同時に冷めた性格をしていた。


それを、1人のサッカー少年が変えた。


自然公園で、日が暮れても永延とボールを追いかけている少年の姿を、冷めた少年だったブーマーは、カッケェと思った。

日が暮れた自然公園に、眩しく見えた。


以来、夢中になること、馬鹿になることに、強い憧れを抱くようになり、現在の人格が形成される。


本気で遊び、本気で馬鹿をやり、本気で挫折をしてきた。

結果、天才にありがちな打たれ弱さとは無縁の性格に成長した。


持つ者特有のムラッ気はあるものの、だいたいは上振れる方向に働くことが多い。


ランカーとして特筆すべき能力は、射撃技術。


ランカーは何かしら強烈な個性を持っており、ブーマーの場合は拳銃の射撃。


彼がサッカー少年に憧れ、やっとたどり着いた夢中。

それが射撃。


ちなみに、自衛団に入った理由は、射撃の練習や銃の購入に融通が利くから。

自衛団に入ると、専用の訓練場を利用できるだけでなく、一般人よりも銃の購入に対する制限が緩くなる。


その特権目当てで入団試験を受けた。


軽い感じで試験を受けて、その後ランカーまで上り詰めるのは、さすがは持つ側の人間。

団員特権で射撃の練習を心行くまでできたのが、本人にとっては大きかったようだ。


また、扱う銃にもこだわりがあり、彼は基本的にノーカスタムの銃しか使わない。


照準を助ける光学サイトや、反動制御を容易にするマズルブレーキなどのアタッチメントは、一切装備しない。


ノーカスタムが、1番カッケーらしい。


‥‥それに、光学サイトに関しては付けても使わないという理由もある。


ブーマーは、本能射撃 (インスティンクト射撃)という素早い射撃方法を得意とする。

照準を覗かずに、腕の感覚を頼りに射撃を行う射撃方法。


本能射撃とは本来、屋内などでの不意な遭遇戦を生き残るための、超至近距離を想定した射撃方法。

彼はその超至近距離向けの射撃で、30メートル先の人間にヘッドショットをできる。


その範囲であれば、動対静、あるいは静対動のシチュエーションであれば、ほぼ狙いは外さない。

つまり、自分が止まっているか、相手が止まっているかの状態ならば、ほぼ確実にヘッドショットが飛んでくる。


本来ならば、照準を覗いても当てるのが難しい距離を、腕の感覚だけで命中させるのだ。



しかも、これを二丁拳銃スタイルでできるから、たちが悪い。


本来、二丁拳銃とは、映画やゲームなどのフィクションの中だけの住民。

銃は、サイトを覗いて照準をしないと、普通は当たらない。


素人は、5メートル先の的にさへ、弾を当てられない。

射撃は、とくに拳銃の射撃は、見た目以上に難しいのだ。


し・か・し――。

ブーマーの得意と夢中は、本能射撃。


本能射撃は、腕の感覚を頼りに銃を扱う。

これにより、二丁拳銃の制約を踏み倒し、単純に2倍の火力を手に入れている。

異常なまでの本能射撃精度によって、フィクションを現実にしてしまっているのだ。


好きなだけ銃をぶっ放して練習できる、2XXX年に感謝。


総じて、ブーマーという男は、マジになるとめっぽう強いガンマン。


セツナとはノリが合うのか、トライアルで知り合って以降も、何かと交流があるらしい。

作中でセツナが左手で銃を扱う場面があるが、それはダイナとブーマーによるコーチングの成果である。


ちんまい頼れるお姉さんと、三枚目だけど頼れるお兄さんに感謝。


ちなみに、酒に対してザルなセツナに対し、ブーマーは下戸。

飲み会や宴会は好きだけど、サワーの一杯で顔が真っ赤になっちゃう。

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