表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/37

第27話 1985年8月12日

 翌8月12日、Laura 探訪も今日が最終日。改めて Laura 記念館を訪れた。


 ラストホームだけあってずいぶん多くの資料が展示されている。Laura の書いた物語に登場する物もいくつか有るが、最も目を引いたのは『父さん』のヴァイオリンだった。今は流石にボロボロになり、弦も切れて使用に耐えられなくなっている。


 新聞や雑誌の切り抜きもずいぶん展示されていたが、その中につい先日インディペンデンスでお世話になった Bill Kurtis さんとそのお孫さんの、『小さな家』の入り口での写真も説明文付きで展示されていた。ここで初めて『スカ』君のファーストネームが、"Scott" 君である事が分かった。日本語では『スコット』になるが、英語では『スカッ』と聴こえる。

 日本語の『スコットランド』なら、『スカッラン』と聴こえるであろう。”Scott Kurtis" 君の日本語名は『スコット・カーティス』君である。

 他にも日本語で紹介されている日本の新聞や雑誌の切り抜きもあった。

 

 部屋は広くなく狭くなくという所か。28年前までは使われていただけあって、ベッドや机、椅子などはまだ十分きれいだ。英和辞典片手に4時間近く立ちっぱなしでいたので流石に少し腰が疲れた。


 遅い夕食後、図書館で閉店まで粘ったが、ここには意外にも Laura に関する資料は無いようだ。全て Laura 記念館にまとめたのであろうと推測される。



 腰と脳みそが疲れた状態でモーテルに戻ってきた。16時20分過ぎだった。部屋に入るとすぐTVを点けた。安いホテルやYMCAだとTVのある部屋は殆ど無いが、このモーテルの部屋はTV付きである。この日は魅入られたように部屋に入るなりスィッチに手がいった。

 衝撃が走った。


 "Japan Air Line....."

『日本航空機、墜落。500名……』


 最後の方だったとみえて、ニュースはすぐに終わった。


 日航機事故の事が気になったが、この後今回の旅最大のハイライトであるグランド・キャニオンへのルートの調査をしなければならなく、TVは切る事にした。このニュースは日本料理店で新聞を見せてもらおう。




(その後の旅先では日本の新聞を見るチャンスはなく、途中で会った日本人から坂本九ちゃんが搭乗していた事を聞かされました。詳しい情報は帰国するまで知らなかったけど。モーテルで事故を知ったのは現地時間8月12日、16時30分頃。日本との時差は夏時間だから、-14時間。従って日本は13日の6時30分頃だった。事故が起きたのは日本時間8月12日18時20分過ぎだったので、12時間を経過していた事になる。


 日本では私の家族がかなり心配していたようだ。出国前の予定通りだと一日前か当日、夕方の便に搭乗するはずだったからだ。その事は実家の家族には伝えていた。それで私が12日に帰省してないという事は…、12日の便に搭乗する事になる。

 で、13日になっても14日になっても私から連絡がいかないという事は…。


 親不孝な事をしたものである。自分が搭乗する便が事故便と1~2便ずれたのであれば、当然私から連絡がいくはず。でも連絡一切なし。

 母と弟、姪っ子が新聞とTVにくぎ付けだったようです。姪っ子は泣きながら…、当時はとても可愛い姪っ子でした。


 私自身は事故の日と自分の帰国予定だった日が一致してた事は完全に頭から消えてたので、そんな家族の心配を知らず、一週間ほど後に、通常の絵葉書を出しました。これで漸く、安堵したようです。

 今なら、ちょっとした事でもすぐにメールで知らせられますね。


 


 あれから40年、ネット検索してみると、深田恭子さん、浅野ゆう子さん、さんま、少年隊等々……あわやの体験をした有名人はたくさんいますね。私の場合は早々と予定変更してたので、少し違いますが。


 この時ほど、自分の『無計画性』に感謝した事はありません)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ