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第25話 インディペンデンス(『大草原の小さな家』の舞台

 セントルイスで彼らと別れ、インディペンデンスにやって来た。この地に Laura 達が住んでいた小さな丸木小屋が有るはずである。『大草原の小さな家』の舞台である。先ずは宿の確保をしなければ。30分ほど歩いてみたが適当なのが見つからず、バスデポと同じフロアに事務所のあるモーテルに宿泊する事にした。31ドルと少し高い。


 宿に落ち着いた後、再びメインストリートに出て何かそれらしいマークなり看板はないか探し歩いてみた。見当たらない。3人の人に尋ねてもみた。でも誰も知らないという。

 モーテルに戻り受付の女性に Walnut Grove で入手したガイドブックを見せてハイウェイ75の場所を尋ねた事により彼女が気づいてくれました。何と恥ずかしい。またやってしまった。


 Laura 達が住んでいたインディペンデンスはカンザス州にあり、ここはミズーリ州である。アメリカには同じ名前の地名がたくさんある。あ~あ、注意力不足の自分らしいミスであった。

 

 他の町でもそうであったように、この町もメインストリートから外れると林ばかりで家が見えない。その林の中に踏み入ると素晴らしい家並みが続く。周囲の樹木が家の屋根より高い為、森や林のように見えるのである。


 翌夕刻、本物のインディペンデンス(カンザス州)に到着。こちらもまた、静かで美しい町である。

 小さな丸木小屋のある場所を、早速モーテルの受付の老婦人に尋ねてみる。何と12マイルも先にあり、そこへ行く公共交通機関はないとの事である。またしても自転車かなと思ったら、この婦人も又親切な方で、とっておきの方法を教えてくださり手配までしてくれた。

『大草原の小さな家』の所在地のオーナーがナイスガイで、町ではみんなに尊敬されている人のようである。その人は毎日のようにその農場に通っているので乗せて行ってもらえば良いと、すぐ電話で話をつけてくれた。

 結果、翌朝8時にモーテルの玄関まで迎えにきて貰える事になった。アメリカの田舎町には親切な人がずいぶんいる。ほんとに有難い事だ。


 翌朝予定通り8時過ぎに、『大草原の小さな家』の所在地の農場のオーナーである Bill Kurtis さんが迎えに来てくれた。

 車内での会話でだんだんと分かってきたのであるが、Bill Kurtis さんも奥様の Wilmer Kurtis さんもこの町ではかなり有名な人のようだ。広い農場のオーナーであり石油プロデューサーでもある。


 15分ほどのドライヴで現地に到着する。眼の前に『大草原の小さな家』が静かに佇んでいる。『小さな家』に入る前にすぐ傍に建っている小屋に案内してくれた。そこから奥様に電話をかけ始めた。車内にキーを残したままドアーをロックしたようだ。そんな様子は微塵も見せなかった。ただ悠然と話している。


 『小さな家』の他に、100年以上も前の学校や郵便局が建っており、次々に案内してくれた。やがて、奥様がペアキー持参でやってくるとすぐ、お孫さんを迎えにオクラホマのツーソンという町に向かった。

(オクラホマのツーソンはたぶん私のヒアリングミスではないかと思います。検索してみましたが、そんな地名は半径100キロ以内では見つからない)


 この『小さな家』は Laura の小説『Little House on the Prairie』の記述に基づいて10年ほど前に再建した物であり、オリジナルと同一場所に建てられている。また、内部も Laura の記述に従って古い道具がいくつか置かれている。近畿ツーリストのパンフレット等も貼られているが、日本からのツアーがあったのだろうか?


 10時に、ここの売店で働いている老人がやって来た。彼もまた親切にガイドをしてくれた。Edwards がクリークを渡ってインガルス家を訪問した方角はこちらだと説明してくれた。そのシーンは朧げに憶えている。その方角は今は耕されて畑になっている。


 好天気の中、草原に寝ころんでみた。8月8日、日本だと暑さの真っ盛りなのにここでは適温、実にいい気持ちだ。 Laura 達が『大きな森の小さな家』のあるペピンを出発して最初にたどり着いた大草原。自分は今、その『大草原の小さな家』の真ん前に寝転がって、100年以上前の時代に思いを馳せている。実際には、カナダ・バンフや日本で観たTVのシーンを思いだしていた。

 ああ、何という贅沢…。


 13時頃、Bill Kurtis さんがお孫さんを乗せて戻ってきた。

 10歳ぐらいかな? 声を掛けてみる。


 "Hello, How are you?"

"Fine, How are you?"


 "Good. What's your Name?"

「スカ」


 「スカ」と聞こえた。『Scar』かな?


 Bill Kurtis さんは私が Laura の『大草原シリーズ(アメリカでは Little House Series)』に興味を持っている事をたいそう喜んでくれている。途中でハンバーグ店でハンバーグを奢ってくれたうえ、図書館まで送ってくれた。本当に親切な人だ。


 図書館で Laura に関するあらゆる資料を見せて貰った。その中に、Bill Kurtis さんと奥様が頻繁に登場する。いろんな事が解ってくるが、英文の為多少イライラ気分にもなる。全然時間が足らなく大事な部分はコピーを取って貰った。


 これで、TV での『大草原の小さな家』の舞台は全て訪れた。

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