第24話 セントルイス
Bill さんたちが帰られた後、従業員の女性はダウンタウンへ戻るバス停までの経路を説明してくれた。ところが、この英語が今一つ理解できない。ジェスチャーもあったし、大体の方向は分かるので全然心配はしなかったが。
コナープレイリーでは、小学校の授業の実演や当時の子供の遊び道具もありそれなりに楽しく過ごせたが、一般旅行者が立ち寄るほどではないようだ。立ち寄る場合は、普通はインディアナポリスで連泊して身軽な服装で日帰りするであろう。方向音痴のノンビリ屋の万年青年だと計算通りには事が運ばない。でもフリーな一人旅にはこういった『予定外』が面白い。観光旅行じゃないんだから。
さて、インディアナポリスのダウンタウンへのバス時刻表もないし、急ぎでもないので、途中の Castleton という町で宿泊する事にした。二階建ての大きなモーテルで冷蔵庫付き、氷のサーヴィス有りで居心地はなかなか良い。
翌朝はかなり雨が降っていた。午前10時のバスでインディアナポリスに戻り、グレイハウンドバスに乗り換えて、夕方セントルイスに到着した。
このバスでニューヨーク郊外に5年住んでいるという29歳の日本人、それに彼のガールフレンドと知り合いになった。彼らはロサンゼルスに行く途中で、セントルイスに一泊するとの事だった。彼らと同じホテルに宿泊する事にした。Twin にしろ Double にしろ一人当たりは安くなる。でもこちらは30ドル以上で、バックパッカーには少し高いけど…まあいいか。
部屋に落ち着いた後、3人でセントルイス・シンボルのアーチブリッジと西部開拓史博物館を見学し、夕食を共にした。彼とはその後夜中の2時近くまで近くのレストランで将来の夢について話し合った。もとい、話を聴かされた。
『リズム&ブルースが好きであり、今はウェイターをしているが、5年後には日本で小さなリズム&ブルースを聴かせられるようなレストランを開業したい』
と言っていた。彼の夢である。開業できる事を期待したい。
翌朝一番で、昨夜は眺めただけのアーチブリッジに彼らと一緒に上ってみた。遊園地の乗り物のようなのに乗せられアーチの頂上へ。実につまらない。小さな窓から覗くだけ。それでも、大勢の観光客が列を作っている。
(街のシンボルなどと言うものにはあまり期待しない方が良いかもしれません。ヨーロッパの旅で訪れたデンマーク・コペンハーゲンのリトルマーメイド(人魚姫)、ベルギー・ブリュッセルの小便小僧は無料で見られるので問題ありません。
日本においても、土佐のはりまや橋、高知県安芸市の野良時計、札幌の時計台などは無料で見られます。
東京のシンボルタワーと言えば東京タワー、スカイツリー。大阪の高層ビルではアベノハルカスが有名ですが、上からの眺めに相応の価値があるのは広く見られるからですね。小窓から覗くだけではねえ…。
余談になりますすが、アベノハルカスには5300円払って上った事が有ります。1610段を16分30秒掛けて。
スカイレースという大会でした)