第18話 ミネアポリス～マーシャル
シカゴ～ミネアポリスのバス旅は快適だ。森、樹木、コーン畑、牧草地が次々と現れる。途中、いくつか通過した美しい田舎町の中でも小さな湖のある別荘地のような小さな町はミルウォーキーであろうか？
ミネアポリスのYMCAはユースホステルみたいだ。ベッドメイクはセルフである。それにしても、部屋もトイレも実に汚い。古いのは良いが、もう少しきれいに掃除ぐらいできないのだろうか？
YMCAの汚さに対して、住民には明るい話好きの人が多いようだ。夕食時に話しかけてくれたおじさんは日本にも３度訪れているそうだ。Laura博物館のある Walnut Grove の事は知らないそうだが、店のマスターに尋ねてくれた。車で１時間で行けるとの事だった。
翌朝、もう少し詳細な情報を得ようと街の雰囲気を楽しみながら、昨夜のおじさんに教えて貰った観光案内所を訪ねてみた。ここでは地図が入手でき、場所が分かった。次にグレイハウンドのバスデポに行ってみたが、ここでは何も得られなかった。
一度YMCAに戻ると、田舎風な親切なおじさんがいて、いろいろと相談に乗ってくれた。TrailWays のバスデポに行けば何か分かりそうとの事なので行ってみた。
受付のおばさんはとても親切で、TrailWays とグレイハウンドの両方を調べてくれた。Walnut Grove に一番近いバス停があるのはグレイハウンドバスの Marshall という町だと分かった。それにしても、グレイハウンドのバスデポの受付は勉強不足と言うか不親切と言うか？ 地図で見るとまだそこから３０マイルほどはありそうだ。レンタバイクかレンタルサイクルがあれば良いが。
実際のところ日本での予想では、ミネアポリスから徒歩圏内だと思っていた。大誤算である。
ミネアポリスも世界的に名のある街でもあるので、午後からのんびり歩いてみる。アメリカで最も有名なミシシッピ川をパスする訳にはいかないので、土手まで行ってみた。ミネアポリス迄のバス車内から見た時はきれいに見えたが、近くで見ると幻滅。泥だらけと言うより工場の廃液であろうか、どす黒く汚れている。
翌朝。
ミネアポリス～ Marshall のバス旅も悪くない。日本的な田園風景の連続で快適である。途中のオリヴィアと言う田舎町で小型のマイクロバスに乗り換え、ますます田舎っぽくなってきた。
Marshall ではバスデポでもなんでもないような所で降ろされた。モーテルがたくさん有ると聞いていたが、古ぼけたホテルが１軒あったのでそこに２拍する事にしたら、何と１泊５ドルなり。こんなに安いと逆に少し心配になる。訳ありの部屋ではないだろうな⁉
受付の女性との英会話がスムーズに行かず少しイラついたが、ミネアポリスのYMCAよりは少しきれいなこの素晴らしいホテルに２泊する事にした。
夕食後、メインストリートから離れて町を散策してみた。そこは実に素晴らしい環境である。各家の間隔は十分にあり、ほぼ全ての家には広い芝生の庭がある。玄関前の歩道には大きな樹が適度な間隔で植えられており、整理された森の中を歩いているようだ。きれいに掃除され、チリ一つ落ちてない。
一つだけ気になるのは町から外れた田園にタバコの吸い殻がかなり目立つ。車の中から投げ捨てるバカどもが居るのであろう。
明日はいよいよ、Walnut Grove へ行ける。レンタサイクルも朝８時には借りられる見通しが立った。現地までは２５マイルとの事である。４０km か、フルマラソンより短い。いや、往復８０kmだ。大丈夫、カナダでは１６０km こなしてる。
