第15話 遥かなるセンテニアル(セントラルシティ)
デンヴァーでは、エステスパーク、グランドレーク、セントラルシティへのアプローチをいろいろと調べてみた。エステスパークへは定期バスが1日2便あるようだ。セントラルシティまでは55kmなので、レンタバイクが使えそうだ。
翌日、エステスパークにやって来た。ロッキー山脈の麓の町だけあって景観の美しい町である。カナダ・バンフに似た感じだが、それ以上にシャレた女性好みの町だ。
モーターロッジに3拍する事にした。2日目は町中を歩き回り、いささか疲れた。3日目は不本意ながら、グランドレークまでのバスツアーを利用する事にした。
グランドレークは特に感動はなかったが、最高点で3700mの高度を誇る山岳道路であるトレイルリッジロードは天気の良い日には、気持ち良いツーリングができそうだ。本日は運悪く途中から雨になった。
最後の日は町の一角にあるプロスペクト山に、空中ケーブルで登ってみた。町中や前日通ったロードに続く道が手に取るように分かる。
再び、デンヴァーに戻って来た。以前に宿泊した汚いYMCAはパスして、 小ぢんまりしたStandish Hotel に宿を取った。13.05ドルと良心的である。部屋はYMCAの方が良いが、ベッドはこちらの方がずっと良い。何と言ってもゴキブリとも同居しなくて済むのが有難い。
明日はロッキー山脈麓の最注目の町、セントラルシティへ行こう。
どうにかレンタバイクショップのある場所を見つけたので、とにかく行ってみる。思った以上に時間がかかり2時間半を費やした。更にそこからハイウェイ6号線 に出るまでに1時間少々費やした。出発前に既に疲労状態…。まあ、こんな事は過去何度も経験済み、どうってことはない。
いざ、出発。前半は次から次へと猛スピードで、他の車に追い抜かれヒヤヒヤだった。 Clear Creek Canyon に入ってからは落ち着いてきたが、天気があまり良くなく空模様を気にしながらのサイクリング(?)である。
途中20分ぐらい夕立に遭ったけど、ゴールまで残り2km の Black Hawk までどうにか辿り着き、ラストは歩いて無事セントラルシティに到着した。
このセントラルシティであるが、先述の『ボナンザ』や『ララミー牧場』とは若干異なるが、やはり日本のTVドラマに登場した町である。『遥かなるセンテニアル』と言うタイトルで、数年前にNHKで数か月放映されていたのであるが、残念ながら私は観てはいなかった。
アメリカで大ヒットした西部開拓時代のドラマらしい。西部開拓時代の舞台なら、是が非でも訪ねなければと勢い込んで来たのである。ただ、センテニアルは架空の土地のようだ。セントラルシティをドラマ上センテニアルに変えたのでなく、ドラマの土地のイメージに合ってたので撮影場所にしたようだ。
(今回の執筆のため検索してみると、タイトルは『遥かなる西部~わが町センテニアル』になっています。私が勝手に短縮していたようです)
この町にはホテルは1軒のみである。ハワイと違って野宿というわけにはいかず、今までで最高級のホテルに宿泊する事になった。素泊まりで1泊50ドル少々である。高い分、豪華ではある。バスルームはサウナ付きで、日本の木の風呂を大きくしたような湯舟があり、日本的ムードがあった。
(実は日本のガイドブックにスウィートルームと紹介があったが、たぶんSweet Room で何となく女王様や王女様が宿泊する女性向きの高級な部屋だと思っていました。そうでなくて、Suite Room つまりキッチンやダイニングルーム、リヴィングルームを兼ね備えた部屋の事でした)
宿のチェックインの時、ちょっとした勘違いがありました。TCで取り敢えず一泊分払おうとしたが釣銭がないとの事なので、チェックアウトの時でと言うことになった。
私はスイートルーム宿泊者に不似合いなバックパッカーで、ジーンズにTシャツ、その上に埃まみれ、汗まみれだったので、相手を信用させる為とクレジットカードを預かってもらおうとしました。これを相手はクレジット決済と判断したようです。番号を控えた後すぐ返却されたので、あれっ?とは思ったけど信用されたんだなと思い一旦忘れました。
結局2泊する事にし、2泊分なら100ドルちょっとだから釣銭は問題なかろうと改めて支払いに行き、そこで誤認に気づきました。
初めからクレジット決済にすれば何の問題もなかったはず。TCも100ドルは店によっては拒否されたり、パスポートを要求されたりする事もあるので、早めに使える時には使っておこうと思ったりしてまして(笑)。