第14話 西部ムードの街・シャイアン
Jackson を出発し、Rock Springs、Rawling を経由してララミーにやって来た。周辺の大草原は相変わらず美しく果てしなく広い。しかし、街中はとくに何もない。
自分が中学生の頃、『ララミー牧場』というアメリカの西部劇をよくTVで観ていた。そのドラマの舞台であろうと、ほのかな期待で立ち寄ってみたのだが特に見どころはなかった。
(前述の『カートライト兄弟』が日本でもアメリカでも大人気だったのに対し、『ララミー牧場』はヒットしたのは日本だけで、意外にもアメリカでは不人気だったようだ)
翌日、シャイアンにやって来た。街のムードはララミーよりずっと西部的だ。観光案内所はオールドタウン広場前に幌馬車を改造したシャレた建物である。こちらの受付の女性も一生懸命な表情であれこれと説明してくれた。
ここでは、日本のガイドブックに紹介されているPrain Hotel に宿泊の予定であったが、うっかり他の小さな安いホテルに宿をとってしまった。そのすぐあと、近くで Prain Hotel を見つけた。一階の表玄関が広く、高い。そこに二本の大きな石の柱のある西部のムード満点の古い高級感溢れるホテルである。
これは高そうだなと思ったが、興味本位で宿泊費を訊いてみたら、驚いた事に自分の宿泊ホテルとほぼ同額だった。『しまった!』と思ったが、後の祭り。
昼食はそこのレストランで摂ったが、ここでも西部のムードは十分だった、残念。
昼食後、フロンティア西部博物館を訪れてみたが、それより道中の街並みの美しさの方に心を奪われた。帰りに立ち寄ったライオン公園では、何とバッファローが飼われていた。
夕食は、『BONANZA』というカフェテリアに入ってみた。ここもまた西部のムード満点であった。
翌日、デンヴァーに到着したのはいいが、St. と Ave. を間違えてガイドブックを読んだ為目的地と逆方向に30分以上歩き、えらい目に遭った。宿泊地のYMCAには1時間半かかって到着した。
そのYMCA だがガイドブックでは模範的との触れ込みであるが、とんでもない。実にひどいYMCAである。
新館で小綺麗かと思えば、えらく汚い。高層ビルが見えるのは良いのだが、汚い窓にこれまた汚いシングルベッドがピッタリとくっ付いている。
洗面所は水はけが悪く、トイレはペーパーがセットできず、シャワーは水量が少な過ぎ。
おまけに、部屋にはゴキブリの子供が3匹同居している。
受付の黒人男性は少々不愛想。更には部屋を出る時、内側からロックした状態で外に出てドアーを閉めると、その部屋のキーではドアーは開けられず、一度えらい目に遭った。
デンヴァーの街は予想してたより大きいが、予想をかなり上回る汚さだ。