表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/73

第66話 勇者と魔王の娘におぶられて

【新作です】5/1より更新中。


TS転生したカラフルdeマジカルな私は、ビビッと来たら強くなる。

 水の国『アクアパッツァ』はここから、500キロある。馬車も竜車も使わないので、走っているけれど、流石に疲れてきた。

 ここまでどのくらい走ってきたんだろうか。

 『ファスト』の町からはもう遠く、ふと気になったのでフェルルに聞いてみることにした。


「フェルル、今どのくらい?」

「うーん、100もないとか?」

「えっ!?まだそんなの!」

「そうですね。でも、今日中に350は行きたいですね」

「いやいや無茶言わないでよ!」


 アイリスまで簡単にそう言ってくれる。

 だけど私には無理っぽい。正直、フェルルみたいに鍛えてないし、アイリスみたいに朝から元気いっぱいでもない。

 疲れが溜まっていくだけで、不満じゃないけど、人間業じゃなかった。転生者の身体でも、厳しい。


「そう言えば師匠、ちょっと息荒いよ。大丈夫?」

「う、うん。でもちょっとしんどいかな」


 私は苦笑いをしてしまった。

 だけど本当は違う。


(いいや無理です。足痛いです!あぁもう!スニーカーにして来ればよかった!)


 流石にブーツは重たい。

 でもフェルルも同じようなブーツだけど、鍛え方が違うのかな。

 私が貧弱なのか、フェルル達が化け物なのか・・・どっちなんだろ。

 もう訳がわからなくなってきたところで、ふと頭の中でソフィアさんのことを思い出していました。


「ソフィアさんは、なにしてるんだろう」

『クロエさんお久しぶりです。やっと、会話して来れましたね。待っていたんですよ』

「ほえっ!?」


 驚いて私は声を上げてしまった。

 それに気が付いた2人が私に、「どうしたの?」と首を回した。けれど「なんでもないよ」とすぐに返答すると、ソフィアさんとの会話に耳を傾ける。


「えっ、聞こえてたんですかソフィアさん!?」

『はい。こちらから声をかけるのは流石に失礼かと思いまして』

「話しかけていいですよ。何度も話したい時はあったんです。今だって、この状況がヤバいってことぐらいわかってるんですよね!?」

『は、はい。正直異常ですね』


 ソフィアさんは声を震わせていました。

 それを知り、安堵(あんど)するのと同時に、落胆(らくたん)の動きが心に表れます。


「ちなみに、大丈夫系ですかな?」

『大丈夫時ではない系です』

「で、ですよね。流石に転生者でも……」

「無茶苦茶ですね。転生者の身体と言えど、相手が相手です。勇者と魔王の血を引く者に、これ以上合わせるのは身体に悪い影響がでかねません』

「ちなみどんな?」

『最悪、死ぬかもです』

「マジですか……」


 私は言葉が途切れました。

 するとソフィアさんも、


『マジです。今すぐやめましょう』


 慌てて忠告する始末だ。

 それを聞きつけ、全身が寒々しく震えだしたので、私はソフィアさんとの会話を即座に切り、フェルル達に声を張り上げた。


「フェルル、アイリス。休もう。私には厳しいって!」


 軟弱だと言われてもいい。

 でもここまでとうとう125キロきた。もういいでしょ。

 その気持ちで一杯になってしまったので、今すぐ休みたかった。

 しかしそれを聞いてフェルルとアイリスは一旦立ち止まると、互いの顔を見合わせて、私に近づいた。


「じゃあ師匠、私の背中に乗って」

「えっ!?」

「いいから乗って。その方が私もトレーニングになるし、師匠と楽でしょ」

「それはそうかもだけど……それじゃあフェルルが大変なんじゃないの?」

「全然っ!どんとこーい!」


 目の瞳に星マークを煌めかせるフェルル。いつもよりも生き生きしているその姿を目の当たりにして、少し怖くなってしまった。

 だけど流石に甘えることした。

 妙に広く感じるフェルルの背中に全身を預け、まな板に近い胸を押しつける。


「よっと。あはは、やっぱり軽いや」

「そ、そう?」

「うん。師匠って、筋肉質じゃないんだね。あっ、でも痩せてるってことは……」

「余計なお世話です。はい、さっさと行く!」

「はーい」


 フェルルのあどけない様子に、心を救われた。罪悪感がすっきりして、フェルルにおぶられる。

 楽だ。しかも速い。

 フェルルはまるで疲れた様子はないし、息の乱れも脈拍も正常だった。やっぱり2人は私とはそもそもが違うなと、心底痛感してしまった。

 だけどこれで全身筋肉痛は確定した。

 はぁー、傷や怪我以外も治せたらよかったのにと、能力の惜しさに奥歯を噛んでしまいました。

少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ面白くなかったら1つと本当に気軽にで大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が湧き立ちます)


ブックマークやいいね機能なども気軽にしていただけると最高です。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=927623086&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ