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第65話 馬車も竜車も

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 私達は1日で準備を済ませた。

 ここから『アクアパッツァ』までは、結構ある。隣接している国ではあるが、500キロはあるらしい。車もないので、どうするのかと思いきや、私達は早朝フェルルに連れられて、広場にやって来ていた。


「フェルル、こんな朝早くにどうしたの?」


 早朝4時30分。

 私はフェルルに叩き起こされて、急いで準備をするとシルフを出して、置いて来た。

 私はまだ半開きの目をこすり、絶え間ない眠気に襲われていた。


「うーん、今回はかなりの距離を移動するでしょ。だから馬車でも借りようかなーって」

「馬車?それだったらもう少し遅くてもいいんじゃないの?」

「確かに馬車は大丈夫ですが、もっと面白いものもあるんですよ」

「面白いもの?」

「あっ、アレだよ師匠!」


 フェルルが指を指した。

 そこにあったのはたくさんの荷馬車だった。茶色の毛並みの馬が多いけど、私にはどれがいいのかとかわからない。

 だけどその中で、一際異彩(いさい)を放つものがあった。後ろに積んだ、車の部分も少し豪華で、何よりその前で引っ張る側が、変わっていた。


「なにあれ?竜かな」

「そうだよ。アレは地竜。それで、竜が引く車で、竜車なんだよ」

「竜、車?」


 知らない単語だ。いや、確かにこう言う系も出て来そうだけど、まさか本当にあるなんて。

 私は呆気に取られて固まった。だけどフェルルもアイリスも微妙な顔をしている。何かあったのかな?


「2人共どうしたの?さっきの高揚感(こうようかん)が嘘みたいになってるけど」

「アレは駄目だね」

「はい。残念ですが、あの竜車では私達には及びませんね」

「あ、あれれ?」


 2人共かなり辛口で辛辣(しんらつ)だった。

 目の色は曇り、竜車の隅々まで見て回るけど、納得がいかない様子だった。それに落胆したのか、短いため息を吐くと、私に視線をずらし、お手上げポーズをする始末だ。


「ごめん師匠。馬車も竜車もパスね」

「えっ!?」

「本当ごめんめなさい。冒険者の町と言うこともあって、もう少し品揃えも良いと思っていたのですが……」

「えーっと、期待はずれだったとか?」

「「はい」」


 2人が声を揃えた。

 期待はずれの意味がわからない。何がどうして駄目なのか。私の目利(めき)きでは、ちんぷんかんぷんだった。

 そこでフェルルとアイリスに何が駄目なのか聞いてみることにした。するとフェルルとアイリスはどちらも同じところに着目していた。


「脚の筋力が弱すぎて、私達が普通に走った方が速いよ」

「スタミナはあるかもしれませんが、休憩を取りながらもでも、私達の方が速くて正確ですね」


 どちらもスピード一点張りだった。

 別に早く行く必要はないはずだ。私はそのことも思い出すように、伝えるが、アイリスが目の色を変えて、声を張った。


「駄目ですよ!」

「ど、どうしてさ!」

「師匠、ミネラルそら豆は魔力抵抗が少なくて、長時間魔法で保存していても、少しずつ鮮度が落ちるんだよ」

「えっ、そうなの?」

「はい。野菜は土から離れた瞬間に、鮮度は着実に落ちていきます。それは魔法で保存を加えても変わりません。ですから、既に死に行くものをのんびり運搬なんて、駄目だと思うんです!」


 如何やらアイリスのスイッチがピコンと入ってしまったみたいだ。

 でもその考え方には一理ある。有名グルメ漫画でも似たようなことを話す名シーンがあったのを思い出しながら、アイリスの考えを飲むことにした。だけど、如何やって向かう。


「ここからアクアパッツァは500キロ程です」

「うん。程じゃないよね」

「それでも方法はあるよ。走るんだよ!」

「走るの!?」


 フェルルは頭の上で腕組みをして余裕そうだった。

 いくら転生者の私でも、そんな心が折れるようなことはしたくない。ここは何とかして止めないとと思うのだが、もう2人は決めているようだった。


「えーっと、やっぱり走るの?」

「うん、走るよ。心配しないでいいよ。疲れたら、私がおぶってあげるから!」

「うん。恥ずかしいからやめて」

「はーい」


 フェルルは子供みたいだった。

 けれどこれで望みは断たれた。私は落胆の意味も込めて、腰からガックシ折れてしまうと、アイリスが肩を抱いた。


「大丈夫ですよ。食材も大量に買っています。それに野宿の心配も要りませんから」

「えっ?」

「ほらほら師匠!そんなえっ?ばっかり言ってないで、早く行こうよ!ここからだったら、2、3日もあれば着くからさ!」

「えー」


 フェルルは凄いやる気を見せた。

 アイリスも私の手を引っ張る。そこで私は最後の抵抗だ。


「帰りは絶対ゆっくり楽して帰るからね!」

「「そのつもりだよ(ですよ)」」


 2人はあっさりしていて、呆気に取られてもう一回ため息を大きく吐く私でした。


ここから無茶苦茶な話が展開されます。

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