表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/73

第6話 冒険者の町『ファスト』

ブクマや評価してくれるとありがたいです。

 あれならどれだけ走っただろう。

 途中森を抜けて草原が見えて来て、そこから伸びる一本道をひたすら走って来たけど、あんまり疲れなかった。多分だけどこれも強化された身体(からだ)だからだと思う。


「着いたよ師匠」

「それはいいけど、結構走ったよね?」

「そうかな?まだ30分ぐらいしか経ってないよ」


 30分フルで走ったのに全然疲れないなんて、とんだ体力の持ち主だ。

 私は自分もそうだけど、素直にフェルルがすごいと思った。それに加えて全く汗をかいていないし、それどころか爽やかすぎて(まぶ)しい。


「それじゃあこの人達は私が騎士団支部に連れてくから、師匠は適当に町の中ぶらついててよ」

「えっ、でも私お金……」

「ほいっ!」


 フェルルは私に何か投げつけた。受け取ってみると袋だった。かなり重たい。(ひも)を解いて中身を確認してみると、そこにはたくさんのお金が入っていた。


「好きに使っていいよ」

「でもこれってフェルルのでしょ!」

「いいのいいの。私、その100倍の貯金あるから」


 えーっとこの袋の中に一体いくら入っているのかはわかんないけど、多分相当だ。つまりフェルルはかなりのお金持ちなんだと痛感させられた。


「マジで言ってんだ」

「じゃあ師匠、後で宿屋篠月(しのつき)で合流ねー。私も夕方には帰るからー」

「あっ、フェルル!行っちゃった……」


 私は1人取り残されてしまい、困惑した。

 とりあえず町に入ろう。そう決心して町の中に一歩踏み入れた。



 町の中は結構あれだ。ヨーロッパの町並みに近い気がする。よく王道もののRPGでお世話になるような町並みがひたすらに続いているけど、擬似的(ぎじてき)に中世ヨーロッパの町並みを体験しているみたいで結構楽しい。


「前世でもこう言うVR出せばいいのに」


 なんて思ってももう遅い。

 私はふと切り替えて、ぶらぶら散歩がてらに町並みを見て回ることはした。


「それにしても色んな人がいるんだ」


 町の中を歩いてみて最初に察したのは色んな人種がいることだった。

 人族や獣人、亜人なんて呼ばれてるのかな?そんな人達も多い。さらには耳が長いエルフって呼ばれる人達や、かなり背丈の小さいドワーフなんて人達、逆にめちゃデカい巨人族なんてのもいる。本当に見ていて飽きない。


「お嬢さんどうだい?1本いかが」

「じゃあいただきます」


 私は路上(ろじょう)で串焼き屋さんをしていたオジサンから、串焼きを一つ買った。

 ハムハム。うん、美味しい。こうばしいら焼き加減で、匂いも味も絶品だった。舌触りも良くて肉汁が閉じ込められていたのが一気に溢れ出す。もう一度言おう、美味い。


「あっ、そうだ。オジサン、篠月って宿屋さん知ってますか?」

「篠月?あぁ、あの昼飯が美味いとこだな。それなら、大通りを外れて裏道を行った突き当たりだな」

「わかりました」


 私はオジサンに宿屋の場所を教えてもらった。

 まだ太陽は真上を少し傾いたぐらいだけど、一回行ってみようかな。私は串焼きを頬張りながら、宿屋を目指して歩き出しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=927623086&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ