第57話 ちょっと待ってよ、フェルルさん!?
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いよいよ煮込み終えた。
鍋の中から取り出したのは、もくもくと湯気を出して、とてもいい匂いがする
「うわぁー、美味しそう」
「ありがとうございます」
「これを餌にするのは、ちょっと勿体無いね」
私はついつい本音が出てしまった。
しかしそれはアイリスもわかっていたみたいで、にこやかに微笑んだ。
「大丈夫ですよ。餌として使用するのは、ほんの一部部分だけですから、残りは私達でいただいちゃいましょうか」
「本当!」
「はい」
アイリスは大きく頷き返してくれた。
あっ、そうだ。せっかくだしさ、
「フェルル、さっき取ってきた葉っぱ取って」
「はい師匠」
私はフェルルから、少し広めの葉っぱをもらうと、それを塩水につけて、殺菌してから、アイリスが切り分けたお肉を包んだ。
「クロエさん、何をしていらっしゃるのですか?」
「うん。ミフユさんにも食べてもらおうと思って」
「ミフユさんに!」
アイリスは目を大きく見開いた。
何か駄目なことでもしたかな?
「えーっと、そのミフユさんに、私の料理を……」
「うん。きっと気に入ってもらえるよ」
私は安心してそう言えた。
だってアイリスは料理好きだし、前に一回ミフユさんのところで出た夜ご飯、アイリスが作ったものだった。
ミフユさんとは違って、高級感のある感じが、最高で、個性があったのも特徴的で、私は好きなんだよね。
「そ、そうですね。わかりました」
「うん。それじゃあ早速……って、お肉とやさいって、バーベキューみたいだね」
焼肉のタレはないけど、それっぽくて楽しかった。
そんな中、フェルルが思い出したみたいに私達に差し出す。
「あっ、師匠、アイリス。これ食べようよ」
そう言って渡されたのはキノコだった。
これって椎茸?
「立派な椎茸ですね。これをどこで?」
「うーんと、オリーブディアを倒した時についでにね」
「そうなんだ」
へぇー、じゃあ私もとっておきを出そうかな。
「アイリス、せっかくなんだし、これ使ってよ」
「クロエさん、これは何ですか?」
「えっ、何って。ただのアルミホイルだよ」
「「あるみほいる?」」
2人はポカンとしていた。
私もまさかこんなものが手に入るとは思わなかった。これも私の能力、ビルドメーカーのおかげで、如何やって手に入れたかは長くなるので、また今度だ。
「とにかくここに椎茸を置いて、後は醤油とバターを乗っけて、焼こうよ。きっと美味しいよ」
私はそうやってゴリ押した。
フェルルとアイリスは「あるみ?」「ほいる?」と未だにそこに釘付けだった。
「うん、美味しい」
私達は少し遅めの夜ご飯を食べていた。
「このお肉柔らかいし、味もしっかりしてて」
「それに、オリーブの風味がいいよね。最高だよ、アイリス!」
私とフェルルはご満悦だった。
「ふふっ。ありがとうございます。お2人とも、口元にソースがついていますよ」
そう言われて私とフェルルは顔を拭った。
そうこうているうちに、椎茸もいい具合になっていた。
アルミホイルを開け、私は中でふつふつとしている椎茸を頬張る。
「あっくっ!ふぉふぉ、うん。美味しい」
「うん。バターの濃厚さと醤油の酸味が絡み合ってるよ」
「それだけではありませんよ。この椎茸、傘も大きく味の染み込み具合も、普通のものとは思えません。味付けもそうですが、フェルルさん、本当にこの椎茸をどこで手に入れたのですか?」
アイリスはもう一度尋ねた。
すると今度はちゃんと教えてくれるみたいで、
「えっとね、さっきお肉を取りに行ってたら、その帰りに見つけたんだよ」
「見つけたって、何を?」
「だから、シイタケノシシ」
「「えっ!?」」
私とアイリスは間の抜けた声が出た。
「えーっと、つまり私達が食べてるのってさ」
「うん。シイタケノシシのだよ!どうせ、自力で取るんだったら、皆んなでの方が師匠は喜ぶかなーってさ」
「あっ、あはは。そっか、そっか……ちょい待てー!」
私はフェルルに怒鳴っていた。
フェルルは、「ほえ?」とわかっていない顔をしていたけど、アイリスはと言うと笑顔のまま固まっていた。
そもそもこの椎茸があったら、もう帰れたのに・・・そう思うと、ため息が出てくるけど、逆に考えてみて、アイリスの料理が食べられたのを、嬉しく思うことにした私だったんだよね。
フェルルは気楽に考えてます。




