第54話 イノシシ狩りに行こう!
今回は短いよ。
私とフェルルは、新たにアイリスを仲間に加えて、パーティーを組み直した。
あの後アイリスは宿屋『篠月』に泊まることになって、ミフユさんは大喜びだった。
だけど未だになんで、アイリスが旅をしていたのかは知らないけれど、とにかく旅の先輩だ。私達は冒険者として、冒険者ギルドにやって来ていた。
「結構人がいますね」
「そうだよ。だってここ、冒険者の町だから」
「仕方ないんだよねー」
私達はそう説明した。
ここは冒険者の町。始まりの町には相応しいところだった。
「そう言えば、アイリスはどこで冒険者になったの?」
「私は故郷の魔族達の町で冒険者になりましたよ」
「えっ!?魔族の国に冒険者ギルドがあるの!」
私は驚いてしまった。
すると、
「はい。もちろんありますよ」
「そうなんだ」
「そもそも師匠、冒険者ギルドは今となったら、ほとんどの主要都市にはあるはずだよ」
「へぇー」
そうなんだ。としか言えなかった。
まあそれはさておき、ここは初めてみたいだから、いつも通り、私達はクレアさんに声をかけた。
「クレアさん、こんにちは」
「こんにちわー」
私とフェルルは挨拶した。
するとクレアさんは、
「おはようございます。あら、そちらの方は?」
クレアさんは私達の隣にいた、女の子に気づき、声をかける。
するとアイリスはスッと前に出て、
「アイリスと言います。クロエさん達とはパーティーを組んだんです」
「そうだったんですか。私はクレアと言います。それで、本日はどのようなクエストをお受けになりますか」
クレアさんはそう尋ねた。
そこで私達は前から目星をつけていたクエストの、依頼書をクレアさんに手渡す。
「シイタケノシシの椎茸のですか?」
「はい。前々から気になっていて」
私達が提示したのはシイタケノシシとか言う、猪のモンスターを捕獲して、その体に生える椎茸を採ってくるというものだった。
私はそのモンスターがどんなものか、想像しかできないけど、フェルルとアイリスはシイタケノシシは美味しいよ、の口から涎を垂らしていた。
「シイタケノシシはあまり貴族の間では流通しませんが、庶民の間では好まれていますよね」
「そうだよー!」
「肉質で大きな傘は味が染み込んで、歯応えもあって美味しいんですよ!」
フェルルとアイリスはそう説明してくれた。
それにしても、2人は貴族みたいなものなのに、よくそんなこと知ってるね。
とか言いたくなる気持ちをグッと抑え、私達はクレアさんから受理してもらい、早速クエストに出かけました。




