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第47話 ゴスロリ服を着た女の子

ゴシック・アンド・ロリータって、どれぐらい前に流行ったんだろうね。

 私達は山の中を進んでいた。

 深い深い森が埋め尽くす木々の合間を縫うように進み、しばらくすると水の流れる音が聞こえてきた。


「ん?フェルル、水の音が聞こえるよね」

「うん。多分川が近いんじゃないかな?」


 ここまで少し傾いた、歩きにくい粘土質の道を歩いてきた。

 この間の雨のせいもあってか、地面がぬかるんでいて、靴の裏にはドロッとした土がべったりこびり付いている。


「主人様」

「なに、シルフ?」

「左隣を見てみてください。木々の奥です」

「奥?」


 私はシルフにそう促され、木々の枝の間から奥の方を覗いてみた。

 すると、キラキラした光の粒が輝いている。しかもかなり透明で、とっても綺麗だった。


「フェルル川だよ!」

「やったじゃん師匠。ってことは、上流はもうすぐだね!」

「うん」


 私達は互いに顔を見合わせると、力を振り絞って山を登る。すると川の流れと音がだんだん激しくなっているように聞こえてきた。

 サラサラと静かな音を立てていたのが嘘みたいに、ザーザーとパチパチ激しく音を立てる。


「こんなに離れてるのに涼しいね」

「サラミズ川の効果じゃない?サイレントフィッシュがいるぐらいだもん。多分冷たくて、栄養満点だよ?」

「じゃあ後で汲んで帰ろうか」


 私ならすぐに瓶を作れる。

 近くに落ちている木屑(きくず)から、コルクの蓋を作れば問題ない。

 低予算かつ、荷物少なめで冒険できるのが最高によかった。


「おっ、先が見えてきたよ師匠!」


 フェルルがそう教えてくれる。

 やっと森を抜けて、上流に到着だ。私はどんな光景が待っているのか楽しみだった。


「うわぁ」

「上流ってこんなになってたんだ」


 そこに現れたのは私の想像とは違って光景だった。

 大きめの岩が川の左右を挟むようになっていて、芝生(しばふ)のような短い若葉が敷き詰められている。


「思ってたとの違うね」

「師匠は何を想像してたのさ?」

「えーっとね、こうゴツゴツした岩がたくさんあって、地面は隙間だらけのいつ崩れるかわからないハラハラ感がある、川の流れも速い危なそうなところかな?」


 私が想像していたのはそんな感じだった。

 しかしここはほとんどが想像の反対で、危なそうな要因よういんはなさそうに見えた。

 しかしそんな想像も束の間。


「師匠危ない!?」

「えっ!?」


 ザブーン!

 急に大きな波が起きて、私達を飲み込もうとした。しかしそれを間一髪(かんいっぱつ)のところで、フォルルが私を連れて躱してくれた。


「ありがと、フェルル」

「それより今の気配気付いたよね。相当強いよ、これ」


 えっ、気配?

 私にはそんなのわからなかったけど、フェルルの目つきは鋭く、眼光を覗かせる。

 そして川の氾濫(はんらん)か何かで起きた波が静かになると、その先には人の姿があった。


「えっ!?」


 そこにいたのは女の子のようだった。

 だけど普通じゃない所が二つある。

 一つは手に巨大な斧を持っていたこと、そしてもう一つはゴスロリの格好をしていたことでした。

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