第33話 テイマーと従魔(パートナー)
テイマーとサモナーの違いってむずいよね。
正直わかったないなー。
「薬を届けるクエストですか?しかも、早急に」
「ええ」
クレアさんは頬に手を当てた。
早急ってことは、急いで届けてあげないといけないんじゃないかな?でもでも、なんでテイマーとそのパートナーだけ?
「クレアさん、このクエストって……」
「このクエストは、昨日突然、発注があったクエストなんです。しかし、報酬が少ないことや、早急な点などが原因で、冒険者さんにお金が支払えないんですよ」
「でも、それだったら別にテイマーじゃなくても」
「それがですね、ここを見てください」
クレアさんは指で依頼書のある一文を示した。
するとそこには、村までの道のりが書かれていて、その内容に絶句した。
「山を2つも越えるんですか!」
「はい」
「これじゃあ足だけだと、厳しいよね」
フェルルも苦い顔をする。
でもそれだったら馬車でも使えばいいんじゃないのかな?
「師匠、今“馬車だったら”とか思ったでしょ」
「う、うん」
よくわかったね。もしかして、メンタリスト?
「馬は駄目だよ」
「如何して?」
「だってこの山、見てよ」
フェルルが地図を取り出して、私に山の様子を見せてくれた。
すると、道のりがかなり荒れていて、とっても大変そうだった。こんな道、普通の荷車を引くような馬がまともに通れるわけない。そう思った。
「アップダウンが激しい山道ですね」
「そうなんだよね。あっ、そういうこと!」
「どゆこと?」
私はまるでピンと来ていなかった。
しかしそんな私に、フェルルは教えてくれる。
「えっとね、師匠と契約しているフェンリルだったら、こんな山道でもへっちゃってことだよ」
「そうなの?」
「はい」
すると急に指輪から声が聞こえて来た。
私の右中指にしてある指輪。そこから、シルフの声がしたのだ。シルフは最初から会話を聞いていて、声を上げたのだ。
「シルフ、いける?」
「もちろんです。私は主人様の“足”ですから」
と、ちょっと角度を変えたら変な意味に聞こえて来そうだった。
しかしそう言ってくれるシルフがとても頼もしくて、私はにっこりする。
「わかりました。クレアさん、そのクエスト私達が受けます」
「本当ですかー!」
パチン!と手を合わせたクレアさん。
首を突き出して、キラキラお目目と笑顔を見せる。
「早急ってことは、命が懸かってるかもしれませんからね。私達に、任せてください」
「お任せください」
シルフも指輪の中から返事をする。
すると早速クエストの受理をしてくれたクレアさん。テキパキしていて、動きに無駄がない。
「はい、クエストを受理しました」
「ありがとうございます」
「クロエさん、気をつけてくださいね。道中で何があるかわかりませんから」
「わかってます。でも、大丈夫です」
「私がついている以上、主人様には危害を加えさせません」
なんたって、私には心強い相棒がいる。
どっちかと言うと、忠犬な気もするけど、そんなことは関係ない。とにかく私は1人じゃないので、今日も元気にやっていきます。
「いいなー」
しかしフェルルだけは妙に不満そうな顔をしていました。
きっと手伝えない自分が嫌になったのでしょう。しかし私はそんなフェルルの頭をそっと撫でて、宥めると、早速ですが、その村目指して出発することにしました。だってこう言うの、早い方がいいもんね。




