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第19話 おっきな湖に着いたよ。

今回のは短いよ。

だかは早く読めるよ。

 私とフェルルはカカオ豆効果(こうか)かは知らないけど、かなり(あゆ)みに余裕(よゆう)が生まれた。

 そのおかげで、かなりの距離を進むことが出来た。


「そろそろ10分ぐらい経つかな?」


 私はフェルルにそう尋ねる。


「うん」


 フェルルは周りを警戒(けいかい)しながら、普通の剣を使って周りの草木を伐採(ばっさい)する。それにしても気になるのは、フェルルの腰には普通と剣と、1回も使ったところを見たことない、凄そうな剣がある。

 でもそのことを聞く気にはなれず、私とフェルルは先を急いだ。


「ん?」

「何か見えて来た?」


 フェルルは一瞬止まった。

 私は奥の方を見てみると、キラキラとしているものがある。何かはわからないけど、(まぶ)しくて綺麗(きれい)だった。


「あれって……」

「行ってみようよ!」


 私はフェルルの腕を掴んで、走り出した。

 周りの草木を押し避けて、見えて来たのは大きな(みずうみ)でした。


「凄い、こんなおっきな湖があったんだ」

「騎士団が調査してたら、きっと整備(せいび)されてたかもね」


 ここまでの道のりを考えれば、そうだろう。

 それにしても大きな湖だ。滋賀県(しがけん)琵琶湖(びわこ)には行ったことがないけど、それだとどっちが大きいだろう。

 それとも北海道(ほっかいどう)阿寒湖(あかんこ)とか?それらと比べたら、そんなに大きくないかもね。


「うわぁ、冷た!」


 私は湖の水に軽く手を入れてみた。

 すると思った以上に冷たくて、すぐに手を水の中から出す。


 その隣では、フェルルが湖の水を軽く(すく)い上げ、ゴクゴクといい音を立てて、飲み干した。


「うわぁ、この水、すごく美味しいよ師匠!」

「本当?」


 私も気になって飲んでみた。

 すると、全身を駆け巡る血の流れが早くなり、(とどこお)っていたものが、一瞬にして解決した。そんな気分になる。

 さらに言えば、さっきまでの疲れが一瞬にして吹っ飛び、身体が妙に軽くなった。


「嘘でしょ。身体が軽い!」

「もしかしてこの水って、そもそも強力な聖水(せいすい)と同じ効力があるのかも」


 フェルルはそう解説する。

 聖水がどんなものかは知らないけど、フェルルの顔色を見るに、かなりのレアケースなんだと思う。


「でもどうしてそんなのがあるのかな?」

「それはわかんないけど、少なくともこの湖全部が、聖水と同じってことは、それだけでかなりの大金になるかもね」

「そうなんだ」

「あ、あれ?」


 私の反応が思った以上にショボかったからか、フェルルはあれれっ?となる。

 私だって、そんなにお金にがめついわけじゃないんだよ。そう私はフェルルに抗議(こうぎ)する。だけどフェルルはそんな私に笑顔を見せて、こう呟く。


「よかった、もしこのことが、騎士達にバレたら、この湖は無くなってたかも」

「そうかもね」


 それは何となく察した。

 こんなお金になるものを見過ごすはずがない。私とフェルルはこのことは誰にも言わないでおこうと、そう心の中で決めるのでした。

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