第17話 怪奇、植物の罠!
ごめんなさい、再投稿しました。
それにしても、植物系のモンスターとなると、動きが付けにくくて難しいですよね。
コメントあれば、感想ください。
私とフェルルの2人は騎士団からのクエストを引き受け、早速、例の森にやって来た。
そこはかなり鬱蒼としていて、木々たちの葉が生い茂る。
「ここが、ラディアさん達が言ってた森?」
「そうだよ。ったく、ラディアの奴。私と師匠じゃなかったら、ここまで来るの大変だったんだよ」
フェルルの言う通りだ。
25キロはかなりある。ここまで来る間に、体力のほとんどを使い果たしてしまいそうになった。
だけど、鍛えているフェルルや強化された身体の私だったからこそ、ここまで息、一つ乱れず、走ってこれた。
「それにしても変な森だね。動物の鳴き声も聞こえないし、気配もしないよ」
「でも行くしかないんでしょ。はぁー、やっぱりやる気出ないなー」
「頑張ってみようよ、フェルル。もう前金も貰っちゃったんだからさ」
「そんなの、返せばいいよー。はぁー」
私は頬を掻いた。
それから、思いっきりフェルルの背中を叩き励ます。
「フェルルそんなこと言ってないで、やってみよ。もうここまで来ちゃったんだし、せっかくだから、騎士の人達に、恩を売っておこうよ!」
「師匠って、結構がめついんだね」
「あはは、ほらほら行こ行こ!」
私はフェルルの背中を押して、意気揚々と、森の中に入るのでした。
そしてそこで待っていたのは・・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「師匠、こっちこっち!」
いきなりよくわからないモンスターに、襲われてしまいました。
しかも襲って来たのは動物系のモンスターではなく、植物でした。
「何あれ!?」
「あれって、確かウィップフラワーだよ」
「ウィップフラワー?鞭の花ってこと」
見た目的には赤い苺みたいな花弁に、長く伸び縮みする蔦を、まるで鞭のように使って襲って来た。
しかも花弁には歯が付いていて、某配管工が主人公のゲームに出てくる、火の玉を吐いてくる植物に似ていた。
「あんなのがいるなんて、聞いてないよ!」
「だって騎士団の管轄外なんだよ。知られてなくても、おかしくないよ」
フェルルはフェルルでこの状況を楽しんでいた。さっきまでの不満の塊はどこへや、今じゃ笑顔と興奮で塗り固められていた。
「どうしよう。こうなったらビルドメーカーで」
私は落ちていた木の枝を、剣に変える。
だけど、フェルルはそんな私の手を止めた。
「駄目だよ師匠。そんなことしても、すぐに再生しちゃう。燃やすか、根っこから引き抜くしかないよ」
「じゃあどうするの?」
「うーん、火を使ったら森が燃えちゃうもんね。だったら手段は一つしかないよ!」
「一つ?」
フェルルは人差し指を立てて、私に答えた。
一体、どんな作戦かと思い期待する私だったが、何故かフェルルはクラウチングスタートの構を取った。
「フェ、フェルル?」
「さぁさぁ早く。師匠も準備して」
準備してって何を?
そう思う私だったが、まさかと思いフェルルに尋ねる。
「まさかだけどさ、フェルルの考えてることって」
「そう、逃げるんだよ!」
「ですよねー」
そう言い張り、フェルルはその場からダッ!と逃げ出した。
その瞬間、草むらが揺れ、私はウィップフラワーに気づかれてしまう。
「ヤバっ!」
私も間一髪のところで、その場から逃げ出した。
まさか森に入って、早々に逃げ出すなんてと思ってしまうが、後ろからはウィップフラワーの蔦がしつこく襲ってくる。
「もう、しつこいよ!」
私は逃げながら、ビルドメーカーで剣に変えた木の枝を使って、ウィップフラワーの蔦を斬った。
しかしすぐに再生して、また私達に迫ってくる。
「本当に効かないじゃん!」
「だから言ったでしょ。あれは燃やすしかないの!」
フェルルは超高速で逃げながら、私の先を行く。
邪魔になるような木の枝をバッサバッサと切り倒しながらだ。
そのおかげでかなり進みやすく、気がつけば、ウィップフラワーの猛攻を何とか掻い潜り、私とフェルルはその場から逃げおおせたのでした。
「はぁはぁ、つ、疲れた」
「走ったばっかりだったもんね、大丈夫師匠?」
「大丈夫じゃないよ!」
私はフェルルに怒鳴った。
でもこれって、フェルルが悪いわけじゃない。安全確保しなかった2人のミスだと、気付かされてもやっぱり疲れは取れなかった。




