表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/73

第16話 騎士団の依頼

今日はもう1話投稿予定!

ブックマーク登録や高評価くれると、モチベーションが上がります!

 私とフェルルは騎士団支部にやって来た。

 支部は四角くて、ビルのような建物だった。


「ここが騎士団支部?」

「そうだよ。はぁー、また門番(もんばん)いるよ。面倒(めんどう)だねー」


 フェルルは心の底から大きなため息を吐いた。

 確かに今のフェルルからしたら、ここは(かた)(くる)しいに違いない。


「でも行かないとね」

「わかってるよ。それに今日は、師匠と一緒だからね」


 そう言ってくれると私も嬉しい。

 フェルルはめちゃめちゃ私のことを好きでいてくれて、それけら信じてくれるから、私もフェルルのことが大気好きだった。


「すみません」

「ん?なんだ、お前達は」

「依頼を受けたクロエです。それから」

「フェルルだよー」


 そう言うフェルルの顔を見ると、騎士の人達はスッと顔を引き締めた。


「フェルル様!」

「フェルル様でしたか。どうぞ、奥で隊長がお待ちです」

「そっか。ラディアが待ってるんだね、OK」


 ラディア?その人がこの騎士団支部の隊長さんなのかな。

 それにしてもさっきから思ってたけどー・・・


「私のこと、無視ですか?」


 完全に私のこと、眼中(がんちゅう)にないよね。何だか(さみ)しいけど、ここはフェルルがアットホームだもんね。仕方ないよ。


「それではフェルル様、どうぞ中へ」

「お付きの方も、くれぐれも粗相(そそう)のないように」

「あっ、そうですか。はい……」


 完全に私だけアウェイなのが気になったけど、細かいこと気にしても仕方ないよね。

 私は少しだけ目を()らしてしまうのでした。



 騎士団支部の中に入ると、レンガ造りだった。外の構造(こうぞう)と同じだ。


「何だか静かなところだね」

「そうだよ。まあ、ここが冒険者の町だから、騎士の力があんまり(およ)んでないだけだけどね」


 フェルルは社会事情(しゃかいじじょう)をそう説明してくれた。わかりやすい。


「そう言えば、この町の騎士隊長さんとは、仲がいいんだよね?」

「仲が良いって言うより、昔からの知り合いなだけだよ」

「知り合いか」


 フェルルは軽く言った。

 そして、私達は廊下(ろうか)の一番突き当たり部屋に辿(たど)り着いた。


「ここが隊長室?」

「そうだよ。はぁー、じゃあ開けるね」

「うん」


 フェルルは大きなため息をと共に、ドアを開けた。

 そこで待っていたのは、ゴツゴツした鎧を着た、女性だった。


「やぁ待っていたよ、よく来てくれたねフェルル」

「ラディアこそ、私達を呼んだってことは、何かあるんでしょ」

「まぁその話はゆっくりしようか。あぁ、クロエ君だったね。(きみ)も座りなよ」


 しっとりした長い黒髪。

 はっきりとした顔立ちと、(りん)とした目元が特徴的な、しっかり者感がとても強かった。


「さて、君達2人を(まね)いたのは他でもない。今回は、2人にどうしても頼みたいクエストがあるからなんだよ」

「それは聞いてます。それで、どんなクエストですか?」

「実はね、ここから25キロほど行ったところにある、それは深い森があるんだが、そこに自生(じせい)しているとされている、(まぼろし)白百合(しらゆり)を採ってきてほしいんだよ」

「白百合?」


 私は首を傾げる。

 何でそんなクエストを私達に頼むのか、それからどうしてその花が必要(ひつよう)なのか。


「ラディア、もったいぶらずに、早く話してよ」

「せっかちになったね。でもそこが可愛いところだ」

「うえっ」


 なるほど、フェルルが嫌っていたのがわかった。

 この人、かなりきっちりしている。この雰囲気(ふんいき)が今のフェルルには(つら)くてしょうがないみたいだ。


「でも、そうだね。確かに今回のクエストは異例だ。でも、君達だから頼めると言ってもいい」

「どう言うことですか?」

「今回の森は、私達の調査外にある。だからむやみに手を出せない。そこでだ。フェルルが信用している君達になら、任せられる。だからこそ、2人に任せたいと考えたんだ」


 その話を聞いて思った。

 多分、ラディアさん達はかなり、(あせ)っているんだ。だから私達に頼んでいる。

 それを無視は出来ない。


「わかりました、お引き受けします」

「本当かい」

「はい。でも、危険と判断したら、すぐに引き返しますからね」

「それは承知(しょうち)している。では、こちらが前金(まえきん)だ。装備を整えるなんなりに使ってくれ」


 ラディアさんは私達に大金を払ってくれた。

 これは今更断れないな、と思いつつ、私とフェルルはその森に行ってみることにするのでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=927623086&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ