第15話 初めての使命依頼
今日はもう1話投稿するかも。
それから、ここからは2章スタートです。
ゴブリンとの同盟を結んだ私達。
ギルドから大金を貰ってしばらくクエストを休んでいたのだが、今日は久しぶりに冒険者ギルドにやって来た。
「おっ、来たぜ!」
「スーパールーキーじゃねぇか!」
何故かギルドに行くと、私達は他の冒険者に取り囲まれてしまった。
あれからしばらく冒険者ギルドに足を運んでいなかったが、私達のことは少しだけ噂になっていた。“超凄いルーキーがいる”と言う話だ。
「スーパールーキー?」
「お前ら2人凄いじゃねえか。ゴブリン達を返り討ちにしたんだってな!」
「えっ?」
「バッタバッタとゴブリン達を次々に倒していくなんて、ルーキーのやることじゃねえよ。まさにスーパールーキーだな!」
「なっ!」
酒に酔った冒険者のオジサンが私達にそう語りかける。如何やら噂に尾ひれがついてしまったらしい。
でも知名度が上がったので、クエストを優先的に斡旋してくれるかもしれないと、フェルルへ嬉しそうだった。ちなみに私はそんなでもない。
「ごめんなさい、私達クエストを見に行きたくて」
「ちょっと通してねー」
私とフェルルは無理矢理押し通る。
何とかボードの前までやって来ると、少し見ない間にクエストが様変わりしていた。毎日毎日これだけの依頼がやって来るなんて、本当に冒険者は忙しい。
「今日は何にするの、師匠?」
「うーん」
私は腕を組んで悩んだ。
しかしそんな私達に声をかけたのはクレアさんだった。
「あっ、お2人とも久しぶりですね」
「あっ、クレアさん」
「如何したの?」
フェルルは早速クレアさんに聞いた。
何だか言いたそうな雰囲気があったから、それに気づいたみたいだ。
「クレアさん、何かあったの?」
「はい。実はお2人に指名依頼が来ているんです」
「「指名依頼!?」」
それってつまり、私達に直々に依頼がされたってことだよね。
凄いな、でも一体誰から?
「で、一体誰から依頼が来たの?」
「実は騎士団からなんです」
「「騎士団!?」」
それを聞いて私達は驚いた。
騎士団と言うのは、国から派遣された、いわゆる警察みたいなものだ。
それがこの冒険者の町にもあるって言うのは、フェルルから聞いていたけど、驚いた。しかも私達に依頼って、一体何だろうね。
「それが詳しくは聞いていないんですよ。ただ、もし冒険者ギルドに来ることがあったら、騎士団支部に来てほしいとのことです」
「騎士団支部かー。あんまり好きじゃないんだよねー、あそこ」
フェルルの気持ちが沈みこむ。
明らかに気分がだだ下がりだった。
「フェルル、大丈夫?」
「うん。私が嫌いなのは騎士の人じゃなくて、騎士団だから」
何だか含みのある言い回しだ。
そんなフェルルを気遣うように、私は少し依頼を受けるか躊躇った。しかし腹を括ったのは、フェルルの方で自分で自分の頬を思いっきり引っ叩く。
「よし、大丈夫」
「本当にフェルル?」
「うん。それに、私達に依頼ってことは、アイツの顔がどんなになってるか、想像するだけで、楽しくなっちゃうよ」
「アイツ?」
私はフェルルの言葉に首を傾げつつも、一応依頼を受けるのでした。




