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これが毎日

教室に入る扉を開けた瞬間、空気が一瞬止まったあと、一気にざわめきが広がった。


顔を赤らめながらこちらをちらちらと見てくる男子、うっとりと目を細めながら頬に手を添えてこちらを眺めてくる女子、澪様と目が合った!と叫んで後にぶっ倒れる数名………。

………なんだこの世界!?

いくら澪ちゃんが完璧美少女だからってこんな反応ある?

しかもその光景でも普通に時が流れていくこのモブキャラ達の神経はどうなってんの?

そしてこの状況で私にずっと話をかけまくる池綿くんも強すぎるわ。逆に好きになってくるわ。


…そうだ、池綿くんの人気って、このクレイジーさとギャグ要素満載なとこがクセになるからだ。

イケメンなのに残念というか。可愛がってあげたくなるというか。

実際これだけ塩対応をしていても、めげるどころか気づくこともなく、ニコニコと話続ける様は呆れを通り越して笑えてくる。

あれだ、ゲーム画面より断然可愛くみえてくる………って!!


はっと我に返り、自分の席の隣を見る。

そうそこは誠くんの席。

彼は座ったまま、こちらを少し寂しそうな笑顔で見つめていた。これでいいんだ、幸せになれといいたげな……まるで親鳥のような穏やかな雰囲気。

いやいやいや!違う違う!

私が好きなのはあなただってば!!


今度こそ池綿くんを振り払い、誠くんの誤解を解こうとしたその時。

チャイムの音と同時にこれまたイケメンの担任がやってくる。


「おーいお前ら早く席につけー!沢村!今日も可愛いな!ハッハッハッ!」


なんの脈絡もなく褒められる。

皆もうんうんと頷く。

いやほんとなんだこの世界。

現実ならセクハラで訴えれそう。というか怖くて学校に行けん。


私の可愛さに倒れたままのクラスメイトを放置したまま、普通に授業が始まった。

もう突っ込むまい。



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