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信長様と戦国時代を歩いていこう

ほう、あれが織田信長か


馬に乗った数人を遠目に見ながら思った



「こらっ、ごん!」


父親から怒られた


水田の草取りを再開した




オレの前世の名前は佐藤啓介


そして今の名は権三だ


権蔵の三男坊という意味だ




そう定番の戦国時代の転生だ


ネット小説であるやつだな


手あかがつきまくりで恥ずかしいかぎりだ


・・・神様さくしゃは恥を知るべきだと思うよな





もっともチートも何もなしに農民の三男坊とか止めて欲しい


誰得だよ!、と言いたい


無理ゲー過ぎて泣けたね




いや実際朝から晩まで続く農作業がきつくて泣けてくるんだけどな



どうやら定番の織田信長の領地らしい


まあどこの領地なら安穏と暮らせるかというとどこでも同じだから文句も言えない


農民なら農作業がきつい


武士ならば戦いがきつい


公家ならば貧乏がきつい




・・・あれ、おれ詰んでね?


現代は幸せだったと実感したな





まあ泣いても全然自体が良くならないのは現代と同じだ


リアルはクソだな


いやクソなのは神様さくしゃだな


神様と書いてクソと読む


・・・アララララギ君が懐かしい





「おいっ、これをお屋形様の所に持って行けよ!」


村長の息子がニヤニヤしながらオレに言ってきた




村長けんりょくしゃの息子は立場を利用して取り巻きをつくり村人を虐めているクズだ


どこの世界にでもいるんだな、ジャイアン




何が気にいらないんだかいつもオレを虐めてくる


まあスルーするけどな


イヤミを言われるくらいなら全然問題ない




やられらたやりかえす


倍返しだ!




・・・いつか仕返しができると思うといくらでも聞き流せるってもんだ


どんな顔芸するかが楽しみだ




オレが黙っていると怖がっていると思ったのか満足した顔になった


そして手紙をオレの足元に放り投げると手下を連れて去っていった




この時代の手紙というと時代劇でお馴染みのアレだ


書いた手紙を折りたたんだあと、紙で包むというやつだ


早い話、ちょっとお高い香典袋?


そんな感じだ




人が居なくなったのを確認した後、手紙を取り出して読んでみた




え?


草書を読めるのか?


安心してください


はいてますよ





とめ○ねは偉大だね


あと不思議の国のバ○ド




前者をきっかけに草書を学んだ


最後には市の博物館に特別展示されていた江戸時代の書家の虎の巻がスラスラ読めましたが何か?




後者は英語が基本で日本語が草書で書かれている


読んだ時思わず言ったね


見える、私にも見えるぞ


・・・魔女の血ならぬオタクの血は侮れないな





手紙の内容は驚くべきものだった


ダメでしょ


こんな重要なモノを落とすなんて




内容を知ったら即座に殺される


そんな内容だった




そこで閃いたね


村長の息子の破滅ネタゲットだぜ!




さっそくお屋形様の所まで運んだ


といっても門番の人だけどな




この時代最低辺の農民おれがお屋形様えらいひとに会えるわけがないんだよ




門番に渡したらいきなり手を引かれて館の中に引きずり込まれた


そりゃそうだ内容が内容だからな


さぞ大騒ぎして捜していた事だろう





「これを拾ったのはお前か?」


偉そうな人が縁側に仁王立ちしながら聞いてきた


もちろん農民のオレは庭の土の上で土下座だ




・・・まるでどこかの銀行員バンカーの敵役のようだ


施されたら施し返す!


とでも言ってみようか




「いんや~ちがうb違いますじゃ」


無知な農民のフリをしてみた




「村長が持っていけといったべ~、あ、オラに手紙を渡したのは息子の方じゃったがの~、そういえば息子の仲間がなんか言っていたが~、いましたじゃ」


相手の反応をまたずに言ってみた


バカは空気を読めないんだよ





「おら村長の息子と違って字が読めないんじゃが何が書いてあったんじゃが~」


追い打ちをかけてみた




「おいっ」


偉い人が怖い顔で顎をシャクッタ


それを受けて走り出す人多数




さあどうなるか


村長以下全員が殺されるかね?


オラわくわくしてきたぞ





まあ結果として問答無用で殺された


村長


その息子


息子の取り巻き


倍返しどころか10倍返しだった




まあ手紙の内容を知っている可能性がある人間は即刻口封じだろう





オレ?


無事だったよ


あえてガガンボを潰そうとは思わないって





今まで威張り腐っていた村長の息子が居なくなったので村は平和になった


これで安心して昼寝ができるってものだ




農民は日が出た直後の朝早くから働く


でも夏の昼間は暑すぎるから昼寝の時間だ


水田の近くの木陰なんて結構涼しいんだよ


水と風による天然のクーラーだ


・・・平成や令和の温暖化による異常気象とは違うのだよ




ちょっと前まで昼寝していると村長の息子達が邪魔してきた


今は邪魔する人間がいないので平和だ




平穏な時代を生き抜く事が出来る人間が勝者になる、だっけ?


オレは十分に勝者になれるな



そんなことを考えて昼寝をしていたら人の気配がした


目を開けると信長様がいた




「おい、おまえ、オレに仕えろ!」


・・・いままでのどこにフラグがあったのか教えて欲しい







実はオレは前から変人だと噂されていたとか


怨んでいた村長の息子を嵌めるために一家全員どころか取り巻きまで含めて殺した極悪人だとか


その他イロイロ影で言われていたことを信長様から教えて貰うのはもう少し後の話

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