表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/130

パティ② みんな言ってた

 数々の史上最年少記録を樹立した、国を代表する女賢者が、正座を崩して足にしがみついてくる。


「もうハヤトさん()覗きはしまぜんがらぁぁぁ。私の唯一の趣味を奪わないでくだざいぃぃぃぃ」


 涙ボッロボロ流して鼻水まで垂らして、もはや賢者の威厳なんて一ミリも感じられない。


「俺以外ならやるって言ってるようなもんじゃねえか!! だいたい、なんで一生懸命勉強して変態行為働いてるんだよ!!」

「他には悪いごとしてまぜんからぁぁぁぁっ……」

「悪いことってのは一つやってりゃ罪なの! お前がこの国で法を司ってるとか、怖すぎるぞ!!」


 この国、もういっそ滅んだほうがいいんじゃないか?

 国王が国中の美女にネトラレを仕込んで、王族令嬢まできっちりネトラレ属性に仕上がってるわ。

 十四歳の引きこもりが国を破壊できる力を持ってるわ、賢者は覗き魔だわ……。

 俺はなんのために十字大陸統一なんて、頑張っちゃったのだろうか。空虚だよ、空虚。命張って頑張った結果がこれとか、ガッカリにも程がある。


「ぐすんっ、えぐっ――ぅ、ぐずぅ――」


 本気で泣きじゃくる賢者を、マノンが汚物扱いする。


「一生懸命勉強した知恵を変態行為に活用するとか、引きこもりより遙かに(たち)が悪いですよ」


 まあ、なあ。引きこもりは犯罪ではないわけで。


「言ってることはわかるけど、そこまで言ってやるなって。パティはあれだ。その……………………きっと、勉強しすぎて頭がおかしくなってんだ」

「その理屈で犯罪が赦されるなら、賢者なんて必要ありませんよ」

「仰るとおりで……」


 これってあれだよな。日本的に言えば、最高裁判所の裁判官が盗撮してた……みたいな話だよな。

 大スキャンダルじゃねえか。国が揺らぐわ。


「賢者が悪いことをしたら、どうなるんです?」

「さあ――。王族や貴族は大抵のことを揉み消せるだろうし、実際問題も沢山起こしてるみたいだけど……。賢者はみんな勤勉っつうか、あんまり犯罪とかやらなさそうな印象だからな。過去にそういう事例があったのかどうか」

「無いことを祈りたいですねぇ」

「こいつら、殺人事件も裁いてるからな……」


 ああ。なんでマノンとのぬくぬくおうちデートが、こんなヘヴィな話に……。

 この国は中世風。

 下手に王族へ逆らえばギロチン首。

 そうじゃなくたって、大罪を働けば首を落とされる。

 しかし現国王は法を重視し、賢者による裁判の仕組みを作り上げた。これによって王族に逆らっても、とりあえずギロチン首になる前には、裁判が行われることとなっている。

 正直、こんな世界で公平な裁判をやっているとは、到底思えないけど。

 ただまあ、何にせよ司法という存在があって、そこには裁く者と裁かれる者が存在するわけである。

 裁く側が清廉潔白(せいれんけっぱく)でなければ、裁かれる側は納得できるはずもないわけで。

 日本ではこういう時、弾劾(だんがい)裁判で裁判官の罷免(ひめん)を問うわけだ。


「…………とりあえず、国王にチクってくるか」

「ですね」

「ぞれだけは勘弁をぉぉぉぉ…………」


 なんかもう『せーんせいに、言ってやろ~っ』のノリである。小学生レベルか、この国は。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ