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鉄と真鍮でできた指環 《1》 ~学院の賢者~  作者: とり
 【本編】第7幕 人をさがして
66/205

57.色めがねで見る



 ・前回のあらすじです:『あおいが、化け物を退治する』


 ・今回の大枠です:『和泉いずみと葵が、あかねを追い駆ける』









 (あおい)和泉(いずみ)の手首をつかんだ。


(とりで)目指(めざ)す、タカの()ばたき」


 呪文(じゅもん)を唱えて、空に上がる。高速飛行の魔法(まほう)だ。異教の女神の(ころも)がふたりをおおい、一筋ひとすじの風にする。


 和泉はぎゅっと魔女の手を握った。


「葵さん。オレの考えてることって……」


「あなたの友達が、(あかね)に害をおよぼす可能性が高いということ」


「そんなこと――」


 葵は、枯れた木が作る隘路(あいろ)を縫った。


「ごめんなさいね。私は人を、信用していないの」


 よどんだ森を抜け、沼地にぽっかりいた(うろ)に飛び込む。地下におりる。


「正直、あなたの探している比奈子(ひなこ)ちゃんとやらが、死んでくれていたほうが良いとさえ考えてる。瀕死の状態で……誰かの助けを待っているくらいなら」


 和泉(いずみ)は、(あおい)の手を強く握った。彼女は(いた)いと思っただろう。


 葵はもう一度、「ごめんなさい」と言った。


「自分の命と引き換えても、(いもうと)と立場をすり替えたいと願っている連中は、多いの。実行に移すだけの、意志力が無いだけで」


 葵は迷宮(めいきゅう)の通路を、迷いなく飛んだ。和泉は、風圧のなかで()いた。


「じゃあ、葵さんは、(あかね)のことを」


「大事よ。他人のことなんて、本当はどうでもいいの。ただ……」


 葵は言葉を切った。


 彼女はもう、無言(むごん)になって、道を飛ぶ作業に集中した。








 ・呪文を変更へんこうしました。

  旧→『(とりで)目指(めざ)すタカの羽音はおと

  改→『(とりで)目指(めざ)すタカの()ばたき』



 ・読んでいただき、ありがとうございました。


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