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55.死に至る病
・前回のあらすじです:『茜が、六十六層に飛ぶ』
・今回の大枠です:『和泉が、ワープをします』
和泉は、足元にころがる石を拾った。茜が捨てていったものだ。『48』の数字を内包した、黄色い石。
得体の知れない予感に押されて、和泉は石を、握りしめた。
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今年の二月ごろに、櫻 比奈子と茜のあいだに何かあったことを、和泉はそれとなく感じていた。賢者の屋敷におとずれた比奈子を、茜は迎えに出たのだが、そのあと、研究室にもどってこなかった。
使い魔の女性は、「お昼寝をするということなので」と説明した。和泉はうながされるままに、学生寮に帰った。詮索はしてはいけない気がした。
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黄色い光が、パッと散って、視界から景色が遠ざかる。誰かの声と、法衣を引く感触がした。
地下四十八層に、テレポートする。
泥の地面と、腐った灌木。暗い湿地帯に、ボツボツとできた沼のなかに、ワニの化物たちが、蠢いている。
・読んでいただき、ありがとうございました。




