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3−3



俺が、黙って座っていると

今にも泣き出しそうな表情を見せる歩美


俺は、考えに考えついた答えを言う。


『俺は歩美がその言葉を聞いて犯人かと思ってしまった。でも今の言葉を聞いて、分かった。おれは、歩美が犯人って思いたくないし、疑りたくない。だから、今の言葉を聞いて、信じる事に決めた。俺の方こそ、走って逃げてごめんな。』



と言うと、目に涙で潤わせながら、エンジェル スマイルをしてきた。


なんか、久しぶりに見た気がして、俺も嬉しくなった。


なんだかんだとあったが、

また前みたいな仲に戻り、マスターに俺と歩美は

『お騒がせしました。御馳走様でした。マスター、また来るね♪』


と言って、アーリンを後にした


お互い複雑な心境になりながら、駅へと向かう。


俺はこの雰囲気がとても嫌で、

『これからもヨロシクなぁ!』


と言うと、

歩美も

『うんっ♪』


と言って俺の手を握ってきた。

歩美の手は、凄く柔らかくてとても温かった。


と同時に、俺の心臓が早くなったのが分かった。


俺は、とっさに手をぎゅっと

握り返した。


歩美はそれが、とても嬉しかったのか、手を振って歩いていた。


いつもより帰りが遅くなってしまった。


もう電車行ってしまった時間だった。


いつものように、ベンチに腰掛け休憩していると、

歩美も隣に座った。


『あと1時間もあるけど、どうすっかぁ?』


と聞くと、


歩美は少し悩み、口を開いた。

『智也と一緒にいれればそれだけで良いよ♪』


と言ってきた。


この時、心の中で俺はお笑い芸人の言葉を放っていた。

(惚れてまうやろ〜)と


ただ座っているだけでも、

しょうがないので、自販機に歩いていき、ジュースを買いに行っていた。


(歩美は何がいいかなぁ♪)


と考えても思いつかなかったから、取りあえず一緒のジュースを買って帰る事にした。自販機は、駅から一分の所にあり、そんなに遠くないから、

歩美は駅のベンチに座っていた。


ジュースを持って帰ると、

歩美が若い2人に絡まれていた。


『おねぇちゃん、1人?』


『俺たちと遊ぼうよ♪』


『どうせ、帰ってからもやる事無いんでしょ?』


とナンパされている感じだった。


俺は、歩美の方を見ると明らかに嫌がっている表情を見せていた。


俺は、男2人の元に近寄り、

『嫌がってんだろう!』


と言うと、

『あ゛〜!なんだてめぇ』

『やっちまおうぜぇ』


と粋がる2人に差し置いて

俺は冷静だった。


『歩美、このジュース持っといて!危ねえから離れていな!』


と言うと、歩美は

『う、うんっ』


と言って改札口の方へ歩いていった。


『格好付けてんな!この野郎』

と1人が殴りかかってきたが、

俺は相手の勢いの力を借りて、顎にパンチを食らわす。


ホームに響きわたるくらいの

【ドゥフゥ!!】


と鈍い音がなると同時に、

そいつが床に崩れ落ちる。


勿論、一発KO!


その後ろにいた奴も

『舐めてんじゃねーぞ』


と殴りかかってきたが、

ボディに一発咬まし、

ハイキックを食らわすと

その場でのびちまっていた。


『口ほどには大したことねぇな』


と手をパンパンと叩き、


歩美の元に近づく。


『智也、喧嘩強いんだね。』


と驚いた表情を見せていた。


『ごめんな。驚かせてしまったよな』


と言うと


『全然、大丈夫だよ♪』


と歩美が笑顔で言ってきた。


何故、俺がこんなに強いかと言うと実は、子供の頃からテコンドーを習っていて、喧嘩慣れもしていた。


知らない人がいないくらい強くて、猛と一緒に歩いてるだけで、自然と人が避けていく。


猛も空手の段持ちで、

その強さは、普通の人だったらパンチを寸止めされただけでも倒れちゃうぐらいだ。


ちょっと、落ち着き

またベンチに腰を降ろした。


歩美とたわいもない話をしていると、電車が滑り込んできた。


『電車が来たみたいだなぁ!よぉ〜し、行くかぁ♪』


と言うと、


『うん♪帰ろう』


と歩美が笑顔で言ってきて

俺の手を握ってきた。


手を握りながら、電車に乗り込み家路へと帰って行く。


俺は、こんな日がいつまでも変わらずに進んでいくと、思っていた。


だが、あんな事件が起こるとは俺も歩美も予想がつかなかった…

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