3−2
俺は何がなんだか分からなくなり、
歩美を置いて、体育館から外に向かって走り出していた。
歩美が何故?
どうして詳しく知ってるんだ!
やっぱり、犯人は歩美なのか?
等を考えながら、とにかく一人になりたかった。
歩美が言った言葉
『今回、智也を呼んだ理由は、智也が校長先生に今日の張り紙張った犯人捜すように言われたでしょ〜♪それで、私も一緒に探そうかなぁ〜と思って!
1人より2人の方が良いでしょ♪』
俺は、教室に戻ってきた時はそんな話してないのに、何故あんな詳しく知ってるんだ?
と考えながら、がむしゃらに走った。
屋上まで駆け上がり、屋上のベンチに腰掛ける。
1人で途方に暮れていると、
携帯電話がなった。
【♪愛してるって、言ったのは〜】
と俺の好きな歌手の着うたがなった。
その着信に載っている名前を見て、出るか出ないかで葛藤していた。
そこに載っていたのは、
俺が血相をかいて走っていって心配していた歩美だった。
冷静を装い電話に出てみた。
『はい、もしもし』
『歩美だけど、驚かせてごめんね。ちゃんと、話したいから会えるかな?あんな事いきなり言ったら驚かせちゃうよね。本当に悪い事をしたと、私凄く反省してる。たから、会ってちゃんと話したいの』
『ちょっと時間を貰っても良いかな?』
『分かった。私待ってるから!あの場所で』
【ブー、ブー、ブー…】
電話切った後でどうすれば良いか、分からなかった。
俺は、ここに居ても何も始まらないと思い、とにかく約束の場所に向かって行く事に決めた。
約束の場所とは、
いつも帰りに時間がある時、
寄り道する喫茶店〔アーリン〕なのだ。
そこに入ると、
マスターが
『いらっしゃい、あっ、智也君歩美ちゃんあそこにいるよ。』
と何も言わなくても、
案内してくれる。
俺は、歩美のいる席に向かう。
『お待たせ…』
と言うと、
俯いていた歩美が顔を上げ、
こちらを向く。
『智也、ごめんね。』
と話始める
『私、智也が教室出て行ってから、不安で不安でしょうがなかった。授業も身に入らず、どうしようもなかったの。そんな時、猛君が励ましてもらって、凄く嬉しくて私、お礼の手紙を書いていたの。そしたら、敦子先生に見つかっちゃって、正直凄く怒られると思っていて、怖かった。でも先生は怒らず、耳打ちしてきて、こう言われたの!大丈夫よ♪智也君は。犯人探しの探偵さんになるから。今は校長と話してるんじゃない♪と、言われて、嬉しかった。それで、智也が帰ってきたから私は力にならなくちゃと思ったの。だから、体育館に呼んで誰もいない所で言おうと決めていたんだ。それが、こんな結果になっちゃって、本当にごめんなさい。迷惑だったらハッキリ言ってね。』
と、一気に歩美が言ってきて
俺は、何も言葉に出来なかった。