2ー7
いきなり校内放送が流れた。
【ピンーポンーパンーポン♪】
『1年5組 神崎 智也君 大至急!職員室に来て下さい。』
と流れた。
私は凄く不安になり、
智也は深呼吸を一回して、
教室から出ていこうとする。
私はそんな智也の後ろ姿を目で追っていたら、
智也も私の視線に気づいたらしく、私に目を向けた。
その時の智也の顔は、
何も飾っていない素直な笑顔だった。そして私に、
(大丈夫♪すぐ終わらしてくるから!)
と言っているかのように
親指を立てて、グーとしてきたそれをみて
私は少し安心した。
智也と行き違いに
淳子先生が入ってきた。
『はぁ〜い!みんな席に座って♪』
と、昨日のように明るい先生だ。
私は,智也の事がまだ心配でいたたまれなかった。
そんな私の気持ちを悟ったかのように、手紙が回ってきた。
(なんだろう?)
と思い、手紙を開けてみたら
それは、猛からだった!
《歩美ちゃん、大丈夫か?智也の事だから、上手くやるに決まってるから、大丈夫!今までもそうだったじゃん♪それに俺の親友だぞ!こういう修羅場は何度も切り抜けてきた。だから安心しなって!》
と猛からの励ましの手紙だった。
私は、凄く嬉しくなり涙がこぼれそうになっていた。
私も猛にお礼の手紙を書いている最中、
『この問題を藤崎さん解いてみて!』
と淳子先生が私を指してきたが、私は手紙を書いている事に
夢中になり、聞いてなかった。
淳子先生が異変に気づき、
私の席に近づいてくる。
その距離、2メートル
智也がいたら、先生が来たのを教えてくれるが、今日はいない。
さらに先生は近づいてくる。
私はまだ近づいてくるのを知らなかった。
とうとう、私の隣に立って
淳子先生が私の耳元で
『・・・・・』と言ってきて、
私は嬉しくなって飛び跳ねたかった。
でも、授業中と言うこともあり、我慢をした。
なに言われたかは内緒♪
先生に小声で、
『教えてくれてありがとうです♪』
と言うと、淳子先生もウィンクをして、教卓に戻っていった。
一気に不安が無くなり、
その後は、いつものように淳子先生と明るく授業を受けられた。
皆さん沢山の人に読んで貰えてとても嬉しいです。この次からは、智也の視点からです。探偵智也がどんな動きをするか、楽しみにして下さい。