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しくじりおへんろ

1「決意のない執念の旅路」

物事を決めるとき、何らかの理由があることがほとんどだ、人間というものは、自分にとって損なことをしないと言うが、それはつまり、自分が窮地に陥れられようとしているものも、自分がそう望んでいると言うことになりかねない

どちらにしても、何らかの決意というかたちにして

普通人は進むものだが、自分の場合は、ほとんどにおいて、融通が利かず、また、本当に重要なことは、すべからず決められず、逃げてきたのであり

今回の旅にしても、それは、合致しているのであり

始めに、引きこもりを心配されて、四国八十八カ所巡りに、誘われるも、度重なる心配性により

また、そのときの心境的には、そのたびを成功できるかもわからないうちから、成功したときの優越感を

不必要なものと考えており、さらには、風呂に入れないかも知れないまた、他人と旅をする事への恐怖などから、旅立ちの数日前に、逃げてしまうのである

かくして、手元には、旅に必要な、用意だけが残り

引きこもり生活を、より、充実させる装備にしてしまうわけである、それから、一年ほど経ち

何の変化もない人格形成のまま仕事を、経験して

驚くべき失敗を積み重ね、命からがら、冬の仕事が終わろうとしている自分にとある変化が訪れた

まずい、逃げなければ

はたして、その言葉のみが全てとは思わないが

しかし人とは、いや、自分とは、そう言う生き物なのだから仕方がない

かくして、誘ってもらった人に、勇気を、引きこもり人格者の最大限の死ぬほどの勇気を振り絞り

電話をかけたのである


2「北風と太陽なら北風の方がいい日陰者」

理想と現実とは、否応に違う

そのどちらが良いとも言えないが

どちらかに偏りすぎるとあまり楽しい人生と言うには

茨の道であろう

どちらにしても、社会性も、会話術も持ち合わせていない自分にとって、少しの会話も、かなり億劫なものだ、それこそ、一方的なものならば、実に楽しいが

キャッチボールとなるとその難易度は、驚くべきクラスにあがる

かくして、そんな自分を、旅に誘う位なのだから

その明るさたるや、世界中の人は皆ともだちと言わんばかりであり、部屋で世界を恨み、果てには、孤独を選んだ、自分にとっては、世界観をぶちこわす

正直逃げたい相手であり、また、一緒にいても損害はあっても利益の得られないものである

しかし、孤独に生きることは選んでも、見栄というものは、どこまでも存在する恐ろしいものだ

で、全く、今まで、何を経験したのか、忘れてしまった僕は、はた迷惑にも、二人で、旅に出てしまったのであった


3「地図など無くても世界は回る」

地図が読めない

これは、社会の授業でも、歴史には興味はあったが

地理など何の価値も見いだせない自分に到来した

現実的な危機だった

「徐々になれればいいよ」

なんて、優しい言葉に甘え、結構甘えまくってしまうのであるが、どちらにしても、読めなかった

英語なんて日本語も分からないのに、勉強している暇はない、何て事をいっている内は、現実的な(テスト以外)困難は訪れないだろうが、今まさに、地図と言う現実が、目の前に、存在した

しかし、人というものは、本当の危機が来ない限り

あまり、努力はしないようで、一人で歩き始めない限りは、読もうとさえしなかった

つまりは、危機が訪れれば、どんな怠け者でさえ

悲しいことに、変化せざるおえないと言う

救いと絶望の入り交じる現実の一面であった

4「長い前書きよりも旅を進めよう」

チケットも、親に任せるという大凡誉めるべきどころか怒られても仕方がないようなていたらくのまま

自分は、長野発の夜行バスに乗り込んだ

そのとき、誘っていただいた人はおらず

途中で合流したのであるが

そのときの自分の心境は

「仕事をしていた人に言ってしまった手前

足の指が一本二本無くなっても、必ずこの旅を、歩き通さねばなるまい」と言うものであり

楽しむという本分はゼロに、近かった

どちらにしても、人見知りな、自分は、みことほど言葉を交わした後、一人無言のまま、いすに横たわった

申し訳ない

で、四国である

鳴門海峡の感想も、おお、橋だくらいであり

それよりも、雲が低いことに驚いているのであった

ちなみに、バスは、一度乗り換えており

大阪で、四国に向かうバスを、待っていたのであるが

そのときにはもう、巡礼の方が、ちらほらとこんな所から居て、荷物を、持たせてくださいと、言われ

「重いですね」何て言われると、歩いてもいないのに

鼻高々な馬鹿であった

しかしながら、いざバスが出発して

いよいよだなどと、思っていたのかも知れないが

ふと横を見れば、コロコロの付いたアタッシュケースを、すごいスピードで、転がす二人が、バスを追い駆けていた、そのとき、運転手に、言う勇気が、あれば、少しは、晴れやかに、それっぽく、お遍路を始められたのかも知れない

5「本分は、願わないこと」

実に宗教というものは、難しい

そう言う自分だって、まず始めに思いつくのは

オーム真理教のような怪しげなイメージしか浮かばない人間であった

しかし、かく言う自分は、仏教徒であり、本来であれば、四国など巡る必要はないと言うもう救われているのに

まだ自分の力で、救われようとするのかみたいな

つまりは、自分の宗派的に言えば、お遍路と言う行為は、浮気に、相当するものなのだ

しかし、それを、建前として

別に、何かを願わなければ、さして、問題ないだろう

と言うような事を、ネットで見つけた自分は

まあ、そう言うものかと、何食わぬ顔で

平然と納得していたのである

つまり、この旅は、1200キロを、歩き通せるかという引きこもりの願掛けのようなものであり

別段、そう言う意味では、お遍路に何の興味もない

ある意味失礼な旅でもあった

6「会話と笑顔と感謝と無言と」

人はどうして、人に笑顔でいられるのだろう

どうして、何の恐怖心もなく人としゃべれるのだろう

感謝感謝って、もう少し自分で行動できないのかと

そんな、こんなで、苦しみ続けている自分にとって

今までしてこなかったことを、する事になる

連れてきてくれた彼は、物事を、プラスにする旅のプロなのだとしたら

自分は、物事を、突き詰めるマイナス思考の職人とでも言える

何とも、誤解しか生まない会話を、続けながら

旅は、始まるが、その溝は、別の生き物を、見るほどに深いのである

まず持って、店員の会話にしても、自分の場合

物事と要件を、ぼそぼそと下を向いて話すのだとしたら

彼の場合は、まっすぐと太陽みたいな暑苦しい笑顔の元冗談混じりに言えるのだから、羨ましいやら孤独やら、一緒にいるのは、過去の自分に対する否定に思えるやら、なんやらかんやら

どちらにしても、旅のはじめの用具店の事である

7「袈裟の紋を、選ぶ優柔不断」

優柔不断なことについて、困ることは、あきらめてはいるが、やはり恥ずかしい

出発するとき、自分の宗派の紋の入った袈裟を探したのであるが、もって行くのを、見事に、否定されてしまった、仕方なく現地で探すことにしたのであろうが

現地で見つかったのは、太鼓に書かれているような

曲玉を三つ並べたような紋が刺繍されているものであった、果たして、これを、身につけて良いものだろうか、しばし迷い、彼に聞いてみたが

「いいんじゃないか、どれでも」と中々アグレッシブ

うむ

悩む自分

そのうち、いつの間にか、紫の袈裟か緑茶色の袈裟

そして、短いか長いかに迷いだし

結果的に、会計後に、申し訳ないが、交換してしまうほどに、迷う

彼は、人に迷惑をかけたことに、少々しかめっ面である・・・・

8「尼と甘茶」

一番始めに、回るお寺は、「霊山寺」である

そのとき、付いてから知るほどに、自分は、無知である

その寺では、カメラを構えた人の前に

どこかで見たことのある女性が、立っていたのであるが、よく見れば、世界不思議発見で、司会の横で、立っている人ではないか、と、思いながら、何か、思案顔の彼女の横を通り過ぎて、本堂の中へ

ここで、礼儀の一つとして

この四国八十八カ所巡りの寺には、ほとんどに置いて

本堂とは別に、大師堂と言う空海上人を、まつる建物があり、そのにかしょに、線香、ろうそく、を、お供えしなければいけない

なので、自分のカバンの中には、恐るべき数の短い蝋燭と線香が、ストックされており、腰に巻き付けたカバンには、直ぐに取り出せる用のその二つが、ファンシーな買わなかったので代用した入れ物に入っていた

で、見よう見まねで、お供えした後、いよいよ本堂へ

そこでは、甘茶を振る舞う尼さんの姿が

どうやら何かの記念日らしい

で、彼が、お経を、宗派が違うものでも良いかと聞いてくれたところによると、全てを受け入れるらしく

実に仏教的だ、みじかだと、善光寺みたいなものだろうか

かくして、自分は、般若心経を、詠まないおへんろを、いよいよ開始したのであるが

そのときの服装は、ズボンにTシャツ、唯一輪袈裟は、駆けているものの、白装束も、頭にかぶる笠も

ましては、金剛杖と言う、空海上人と同等の価値のするものも持たない、恐るべき服装であったが

価値観も世界観も倫理も論理も人間性もルールも違いはあるが、唯一そこには、共感した自分であった

しかし、御朱印帳を、する事に驚かれたことに

驚いた自分でもある

9「しゃべれどもまだ始まり」

いきなり、自転車に乗った年は50は、とうに越したと思われる男が、二人の目の前に、現れた

かれいわく「お遍路に行くと、人と喋りたがる人がいる、自分の疲れない程度に、接しないとだめだ」そうだ、あれだけ明るい人が言うのだから、よほどなのだろう、以降二人ほどであるが、時と場合によると

自分は思った

その男性は、自転車を巧みに操りながら

二人と会話を続けた

どうやら、彼とは、以前の旅で合っていたらしく

急に、男の態度に変化が、訪れた

今まで「君たち本当に、歩ききれるの」

と言うような、挑発なのか上からなのか心配なのかをわかりかねるものを、続けていた彼だったが

がらりと変わり、対等な、それどころか一変したものとなった、かくして、彼は、その後、少しではあったが、たびたび先回りして、会話を交わすことになるが

自分は、一向に、このたびを成功させることしか頭にないのであった

10「アフロ再び」

特徴的な髪型とは、人の第一印象を決定づけるというものらしい

自分は無頓着なので、寝癖ボウボウの爆発したような髪型で、良く接客業が出来たとあきれるような髪型であったが、彼の「旅の時頭を洗うのめんどくさいよ

暑いし」と言う一言に、つい切ってしうまうほどには

無頓着で愛着はないが、坊主にすると、洋なしのような顔を恥ずかしくなるくらいには、人の目は気にする

でだ、自分は、極楽寺だったと思うのであるが

頭の三倍はするだろうと言うアフロに出会った

それは黒人であり

また、つい最近目撃した立ち姿であった

それも、そら似ではなく、同一人物としてだ

それは、野沢の道祖神であったと思うのであるが

カメラを前に、その爆発頭は、そのアフロを揺らしながら、歩いていった、それが何者かは、知らなかったが

その姿に見間違えるはずはない

しかし、何だろうこいつ

野沢に現れたり、今度は、四国だと

どこかの英国のニュースキャスターか

と、そのアフロを疑わしげに見ていると

撮影が終わったのか、休憩所のような所に、移動していた、そこで、別のお遍路の人に、話しかけていたのであるが、それはもう、何とも言えないような流ちょうな日本語であり、後日、それが、世界不思議発見だと知ることになるのは旅の終わった別の話だ

11「ガイコクジン」

何だろう、ここは日本だろうか

自分は、そんな既視感におそわれた

そう言えば、旅にでる前に、勤めていた場所も、日本人よりも外人の方が多かった

今実は、そんなことはないだろうが、日本人よりも外人の方が、多いんじゃないか

そんな疑問さえ浮かぶ

と言うのも、八十八カ所巡りバスツアーの日本人が、通り過ぎる横で、誰も使わない駐車場で、テントを初めて張ったときに、一緒に張っていたのも外国の若い男性であった、勿論会話も出来ず

ただ、彼と彼の会話を、あわあわと聞いているに過ぎず

「簡単な英会話ぐらい出来るだろ」と言うお言葉に

撃沈するしかないのである

翌朝、外国人の彼が、朝食がないと言うので

渡すか渡さないかもじもじしている間に

彼は朝食の提供

彼が席を立ったときに

食パンを、渡すと、小食だからと笑顔で断られ

帰ってきた彼には、そんなに一人で食べて楽しいのか

と言う顔をされるし

とにもかくにも、それは、五番寺 安楽寺の向かいの駐車場のことであり、また、お茶を振る舞うお寺の住職が、英語ぺらぺらなのに驚いたという話

12「テントと装備」

テント、何と甘美だが、現実的に、かなりサバイバルな代物であろうか

空気穴を、寒いからと塞げば、翌朝には、天井や至る所に、体内から蒸発した水分が、びしょびしょに、テント内を水浸しにすることか

雨の日は、平気で、浸水させることか

彼がしてくれるのは、多少の雨風からの防御と

夜の低温から身を守ってくれる事だろう

まあ、あとは、夜の間だけの一息のプライバシーか

彼いわく、旅で危険なのは、イノシシやくまではない

「人」だそうだが・・

そんな、彼は始め、自分と一緒に、心配なら寝ても良いと、言っていたが、その人慣れしたのもさることながら、自分のことを、どれだけ貧弱だと思っているのかと、思う引きこもりであった

13「温泉だ露天風呂だ」

それは、四国八十八カ所で、唯一寺とは読まず

てらと読む寺より少し先の温泉施設でのことだ

その日は、そこで止まることになったのであるが

勿論、ホテルという体裁でも民宿でもない

それを「善根宿」と言う

その宿は、宿ではなくあくまで善意でおへんろさんのために、無料で、貸し与えてくださる屋根のある部屋であるり

それは、四国中に散らばり、基本的に、野宿を専門としておへんろを回る野宿組は、その場所で、一日の終点を、決めたりする

そこで、初めて、目撃する、納札と言う大師が、描かれた札に、自分の住所名前を、書き、かくてらに行き納めるのであるが、その札が、部屋びっしりに、はりつけられているのだ

そんな光景に、ほお、と、思いながら、健康ランドに、挨拶に行ったり、その帰りに、絵葉書の落としたのを、届けてもらったり

借りた自転車で近くのスーパーで、住民が並ぶ激安のたこ焼きやら、野菜ジュースを、買い

食事中に、彼に

「野菜ジュースを飲むと早死にする」と言う

彼の実体験らしきものを聞き

なぬ・・と悩んだり

猫と仲良くなったり

その猫が、温泉客の車に、無断乗車するのを

くい止め、そのお礼に

お接待と言うお遍路さんを、大師と思い

大師に姿を変えたものとして、食べ物をくださるのであるが、そこで、オルナミンcを、いただいた

実にありがたい

そのとき、礼儀の一つとして、納札を、相手に渡すことも、忘れてはいけない

でだ、それは、夜、温泉に、例の外国人の彼と浸かっているとき、親子連れの二人が、一緒に露天風呂に

やってきて、外国の彼に気が付き

会話が始まる

「彼もそうなんです」

彼は、僕を示す

「あ、はい」と言う僕

「ああ」と言う父親

空は、ぽつぽつと星が輝いていた

14「キョウフおへんろころがし」

自分で言うのもなんだが、体力はある方だ

しかし、それは、全国レベルでどうこうではなく

あくまでも地方の一村とでも言うくらいだ

それでも、仕事中は、旅が決まってからは、必死に

死ぬと思うくらいには、坂を、短時間で、短時間はしるくらいには、準備した

後で知るのであるが、その日、温泉を後にして、向かったのが、通称「お遍路転がし」と言うなの

山道であるが

その道で大半のお遍路は、あきらめるらしいが

恐ろしいことに、山に近いこの飯山では

山道と言ってもそこまでの驚異ではなく

小菅神社大好き人間の自分はあの修験道が

日本一だと信じて疑わない

何と言っても頂上に水が湧いているのが

世界規模いや宇宙規模で嬉しい

とまあ、そう言うわけで都会の人混みの方が

よほど自分には脅威だったそれに

堅いコンクリートだ

このたびで一番恐ろしいのは、足が無くなること

食べ物がない事泊まる場所が見つからないこと

そして、水が浴びれない事だと自分は思うし事実だ

そして、足なのであるが、まず、水膨れが起きる

これは、無くならない

つぶしては、テーピングをして

また出来ては、つぶしてテーピング

中には、肉の中に出来ているとしか思えず

安全ピンと共に戦々恐々していた

かくして、後々になり、「ねえ、お遍路ころがしたいへんだったでしょう」ときかれ

「いや、そこまででは」と言うと

相手が、困った顔になるのが、実に何ともかんとも

15「好きなモノ」

人は好きな物がある

それは、お遍路ころがしを過ぎ去り

焼山寺の出来事だ

そこには、四国県民なら一度は、乗っているというと後で知るブランコが境内に設置されており

知らずにバカなのか乗っていたが

それよりも、特書しなければいけないのは

椿である

それは、全長三メートルは、あろう丸く切りそろえられた形のいい立ち姿であるが

驚くべき事に、その幹には、多色の椿が、咲いていた

飯山で言うと椿は、雪椿の一択のような感じがあり

立ち姿も、ほとんどが低く

雪にも負けない力強さと素朴さ可憐さがあるが

屋久島の十メートルはある椿も、元は同じ種類であるらしい

でだ、ここで、書かなければいけないのは、その大きさ、そして、芸の多さだ

その花は、通称「咲き分け」と言われる

一つの木で、何種類もの花が、見れる物のことを言い

「赤」「ピンク」「二つの混じり合ったもの」と言う

実に、見事な総合芸術であった

いや、満足

ここで一句

お遍路に 行くも 寺見ず 花を誉め

16「日本人的中国人の空似」

いつの間にか山を下り、人里の喧騒の中にいた

車が走りパチンコ屋があり、スパーが、あった

勿論人もいる

そんな中、一軒のタクシーやの二階に自分達は居た

そこには、大量の布団の山と

壁一面にあっかんするほどの納め札が、張り付けられている

そう、善根宿にいた

ちなみにその日は、誕生日であり

コンビニで、ワゴンセール品の酒をいっぽんかってみたが、後に知るが、それがスコッチであり

初めて、「酒だ」と思える味であり

名を「レッドラベル」と言い

自慢げになんかの折りに、喋ると、有名品種らしく

落胆する

始め、どこを探しても、主人が見つからず

「入ろう」

の一言で、おそるおそる入室

後で、主人が、二階に上がってきて一言

「中国人か」と

無言で首を振る自分であったが

彼と大差のない顔をしていると思うのだが

なぜか自分だけ聞かれる

その後、なにやら、スピリチュアルな自転車遍路が、入室、いやはや

17「マチ」

休みが必要だ

屋根のあるところで泊まるのも必要だ

彼は、語る

自分は、うなずく

旅のプロの言うことだ

間違いないのだろう

彼は、世界中を回り

日本を、ヒッチハイクで回る男だ

で、そこで、初めて、お金を払い宿に泊まる

少し宿を探索

使い捨てはブラシを、確保後、彼と徳島ラーメンを、食す、正直特徴がわからないが、生卵が無料と言うことに驚くと同時に、店の店長の店員のしつけの厳しさに、活気を感じる、結果5、6個の卵を、汁に混ぜ飲み干す、普段なら無理だが、今の状況、栄養が必要不可欠だ

かれいわく「食べ物は、ケチるな」だ

まあ、結果的に、歩き旅は色々と金がかかる

自分の場合、一日の食費を「1000円」に、決めていた

彼は、二ヶ月をかけてゆっくりと進もうと言っていたので

単純計算1000かける60で、六万

うむ、給料のある自分は、無職のときとは違い

小金がある、まあ、出せなくはない

しかし、御朱印帳は、一回三百円かける88で26400円ここで、86400である

勿論最低であり、実際には、無駄遣いだったり

明日のためにと自分にご褒美としてデザートなんかをコンビニでかったりで

結果的に十六万円程かかった

それでも、平均で、三十から四十万というのだから

まあ、それなりなのだろう

基本的に食事は、食パンが基本だ

これからいかに何を生み出すかが重要になる

ちなみに、自分は、それに、マヨネーズを、一本共につける旅人は言う

食パンは僕の友人だと

それほど、食パンは重宝する

安く、どこにでも手に入る

そして、そこまで腐りやすくはない

しかし一番重要なのは量が多いことだろう

また、自分はそれに、山崎の羊羹 こんにゃくゼリー

プチ詰め合わせ チューブ式ジャム 人参

そして、毎朝の青汁を、口に含み、水筒の水で流し込んでいた

恐ろしいことに、青汁を、飲んだ瞬間

明らかに、体に変化が起きた

恐るべき青汁である

18「おへんろ。」

今回の旅の支えになったものとして

一番にあげなくてはいけないのは

「おへんろ。」と言うローカルアニメであろう

その姿を始めてみたのは

山の横に立てられたローソンのドリンク売場で、売られている姿であった

そこには、おへんろ。の文字と三人の女子の立ち姿であり一人は、ジャージにでかいリュック

一人は、お遍路の正装そして制服という服装であり

なぜか、自分はその姿に魅力を感じた

普段無駄使いはしないが

その水というなの天然水を、つい購入してしまった

百円さえ惜しむ人間であるはずが

その姿は、たびたび目にする

それはスーパーの横にたてられた道の駅の中と

そして、自分は、徳島の市内を、自由探索していたときアニメイトと言うなのアニメグッツ専門店を、目にしていた

「もしや」

そう、そこで自分は、見つけてしまったのだ

ふだん、オタクを、鼻で笑う自分が、店前に置かれた

がちゃがちゃの中に

店内の入り口の特設コーナーに

「おへんろ。」の文字を

かくして、Tシャツ、そして、がちゃがちゃを、六回ほど回し

シークレットを、得てしまい

いよいよ、調子に乗り、おおきいかんバッチか

小さいにこが、入るかんバッチを、また回した

店内に、さらにでかい三個1500円のものがあったが、その値段がとうに越えているにも関わらず

荷物になると知りながら、三百円のがちゃを、店内に何度も両替を、頼みながら

まわす馬鹿がそこにいた

19「荷物」

歩くことで重要なのは、重さであったりする

それこそ、百グラム単位で、気になったりする

そのたびに、荷物を送り返すと、馬鹿高い送料が、発生するので、あまりなんでも無作為に購入は出来ない

それでも、役立つであろうと信じたソーラーパネル

音楽プレイヤー本など

おおよそ娯楽と呼べたり便利グッツと言うべき物は

いつの間にか、遠い実家に、送っていた

果たして、娯楽を選ぶか軽さを選ぶかは、実に難しいところだ

20「トイレこそ至極」

トイレという物は、実にありがたい

本当にありがたい

重度のストレスのせいか

あまり胃の調子が良くない自分は

トイレの心配が、結構あった

それこそ、トイレの神様なる神様に、ついついお願いしてしまうほどにだ

しかし、ながら歩くことによる所謂、有酸素運動のせいか、それとも、心配事をするよりも、きょうどう生きるかについての思案に回されたおかげか

旅を通して、トイレに困ることがなかったのは実にありがたい

21「トイレこそ至極2」

旅には、大きく分けて、車組と歩き組

さらにそれを分けると、テント組か寝袋組と言うことにある

テントは書いて字のごとくだが

寝袋とは、それもまあ、ご想像の通り

寝袋のみで、泊まる人たちのことだ

彼らに聞いてみたところ

テントとは違い、寝袋の上にさらにシュラフカバーと言う、防寒防水の物をかけそれで、夜をしのぐのであるが、彼らが泊まる場所は、ほとんど、テントと同じであり、違いは、テントがあるかないかなのだ

正直、テントのありがたみは、雨風と言うよりも

自分は、人の目線から守られると言う感じと

簡易ではあるが、多少、家のような落ち着きが得られることだろう

しかし、彼らのすごさは、寒い夜は、トイレにも、泊まれるという事だ、何でも、段ボールを、下に引き

その上に、簡易クッションを、引き眠るという

中々快適だそうだ

それはそうだろうと、自分は思う

においさえ気にしなければ、テントよりよほど暖かいだろう、それに、最近汚いトイレという物を

あまり見かけないし、案外、それはそれでいいのかもしれないと、カバンの重みを、感じながら思うのである

22「旅の意味」

人見知りという物は恐ろしい

いぜんあったスピリチュアル自転車男が、全部の寺で、この後どうすればいいのでしょうか何かお言葉を

と、御朱印帳の係りの人に聞いていると聞いて

この際だからと、聞いて回って居たのであるが

どうやら、かなり深刻な悩みでも抱えていると思っていただけたようで、たまたまそこにいやあせた

先達というお遍路さんたちの案内係のような職業の人に、バトンを渡されてしまい

あれよあれよと、内で泊まらないかと、誘われた

自分的には、これぞ旅の醍醐味なのかと

思案するも、怖じ気づき丁寧にお断りしてしまった

それは、その日の善根宿でのこと

「なにか、今日楽しかったことは、あるかい」ときかれ

そのことについて、多小残念だったと言うと

まるで、自分のことが邪魔だったと思ったらしく

少しすねる

ちなみにその善根宿では、泊まるに従いお手伝いを要求される、かれいわく、汚すぎると

そして、こういう場合、終わりがないから時間を決めよう、そう言って、風呂とトイレに取りかかるも

たまたま近かった風呂を選ぶと、自分はトイレなのかとすねる

掃除が終わると店の手伝いなどをして、お駄賃として

カップラーメンを、一つもらう

中々安く、自分で買っても良いくらいの値段だった

23「別れ」

その日、初めて別行動をとる

いよいよ挑戦が、始まろうとしているのだ

彼と別れ前日に決めた、目的地に向かう

そこで自分は、大きな誤算をしていた

次の日に、合流する場所を、今日中にゴールするやえいちだと勘違いしていたのだ

正直、自分の理解力のなさなのか説明力なさなのか

もはや、どうでも良いが

そのおかげで、ルールの一つで

暗くなる前に寝る場所を見つけると

破ることになる

約束の時間に、まだ歩いていることを知られ

怒られる自分

まあ、何とか水道のある東屋に、無事到着

やれやれな一日であった

24「次の日」

朝早く起きるのは、初日からだ

一応五時頃には、携帯の目覚ましを、セットしているが

だいたい、朝日が昇れば、テントを畳み

朝食を食べて、出発していた

その日も、食パンなんかを食べて、後にしていた

で、自分は、海の見える坂を上りながら一軒のカフェを見つける、朝早くにも関わらず

その店には、多くの車が、止まっており

入り口の看板に、500の朝食セットのメニュー

その中に、プリンの一文字を見つけ

朝食を食べたにも関わらず、ついはいってしまったのであった

中には、漁師風の人、暇そうな老人

各が同じメニューを頼み談笑していた

自分が座った席のとなりには、グループを作らずに

一人黙々と食べている老人

すぐに、周りの席が埋まり

彼らに質問責めにされ

「ああ、長野かこの前バス旅行に、行ってきたよ善光寺とか」と、話しかけられる

これは以外なのかもしれないが

どうも、四国の人は、多少の確率で長野が好きなのかもしれない

よく、長野県に、行ってきたと耳にする

で、店を出ると約束の場所まで歩く

実は、昨夜の泊まった場所から三キロほどしか離れておらず、普段20キロ30キロと考えると

その日は、あまり移動できないことになった

かくして、なんかの記念日で、割安になっている

約束のホテル内の温泉施設で、体を休め

そのあとグダグダと読めていなかった

はやみねかおる「そして五人はいなくなる」を、読み終えたころに、彼が到着、酷く割安に喜んでいた

その日のディナーは、レストランでの食事

正直、どう言うわけか、自分は外食が苦手であり

また、高い食べ物は、好きではない

けちしょうなのだろう

かれいわく何日かに一回は、暖かい物を食べるだそうだ

しかし、自分の懐は寒いのである

25「チョウミリョウ」

レストランから出た、自分達は、次の日の食料の調達で、コンビニにいた

自分はそこで、中国の何とかというマヨネーズに隠し味を足したようなソースを発見

これを、マヨパンずくめのじ分の食事にと購入するも

「それは焼いて食べるものだなぜ購入する」

と言われ

良いじゃないか食べたいんだからと

疑問に思う夜のことであった

26「海を眺めながら」

海である

海なし県にしてみれば

それはもう、なんかすごい光景である

海を、見飽きると言うが

自分はそうは、少なくとも、二ヶ月そう思った事はない良くも悪くも

しかしながら、印象的なのは、朝早く、出発したのだが、朝靄と太陽に照らされながらヨットが、海を、漂っていたのだが、その光景が、実に、旅だな

そう、思ったのが、案外このたびで、一番印象に残った風景かもしれない

27「金剛頂寺宿坊」

これは、最初で最後の寺の宿

宿坊での宿泊になった

その宿は、御朱印帳をいただき

やれやれと思いながら

寺を後にして、少しくだった場所にある

インターホンを押し、中に入ると

なおざりなたいどで案内される

部屋は、和室であり

雨風をしのげるし、洗濯物を洗える場所もあり

風呂食事もついて5000程であり

かれいわく安いらしい

まあ、安いだろう

その宿には、他に、バス組の老人たちがおり

「君たち歩いているのかい、僕も歩こうと思っている」と、話しかけられる

しかしなぜだろう、この老人が、歩く気がしない

と言うか、なんかすごく騒がしい

しかしながら、食事という物はありがたい

なにしろ、家にいれば、食べ物を満腹で食べられるが

旅に出れば、まずあり得ない

食べれば食べるほど食費がかさみ

また、重量が増える

なので、もはや、味わうと言うよりも

その無限の補給施設で、詰め込むような感じがある

ちなみにお刺身が出た

翌朝般若心経を、唱えるのを聞きながら

その後の説法で「他力なんて物は」とたしゅうの批判を、おお、と驚きながら宿を後にする

しかし、どうも女将が、彼と仲が良く

自分が邪魔者のような感じは、一体

28「こころ」

果たして、お経とは何だろうか

それは宗派ごとで違うだろうが

どういう心境で、読めばいいのか

それは、人それぞれで良いと思う

一心に願っても、絵空事でも良い

自分は、無心で、全てをなげうって

良しも悪しも無く言うべきだと思うが

かれは、「君のお経には、心がこもっていない」と言う

それはそうだろう、こころとは、間違いばかりだ

そんな物は、込めない方がいい

かく言う彼のお経は、声が小さく恥ずかしがっているような気がした

なぜだろうか

それは、とある寺での出来事

雨が降っており

先にお経を唱える年の多い女性がいた

その声は、小さくはきはきとはしていない

しかし、もう、すがるような、頭を下げるような

全てを投げ出すような、こころ 願いのお経だった

それを聞くと、自分の概念が、少しずれる気がした

29「ガラス瓶と運送」

植物を、瓶に密封状態で、そのまま何年も生かす事ができれば、それを「ボトルプランツ」瓶詰め植物と言う、これは、至難の業であり、よくネットで、目撃するガラスの中にはいっている植物の九割型は、ボトルプランツではない、もし密封すれば、物の数週間で死滅するだろうでは、どうすればいいかと言えば、実に難しい、ただ、その関連で、自分は、ガラス瓶を、見つけたらつい目が行ってしまう

そのときは、海沿いにある古道具屋があり

もしやとはいると、そこには、ガラス瓶が置かれていた

一つ三千円であり、二つで、五千円に負けてもらう

しかし問題は、さらに大きい物があり

値段が、少々高くあきらめる

で、問題が起きる、ここから、発送してくれないという、仕方なく、思いガラス瓶を、鞄に入れ、待ち合わせしていた、海沿いのレストランへ

そこで、カレーとカツ丼というあまりレストランぽくない物を二人で注文

そのとき瓶の話をすると

そので買いのもまとめて買えば安くなったんじゃ

と言われ、悩み始める

人という物は、どうも、難しい

自分は特に思いこみと執着心がすごく

一度つまずくとなかなかたてない

結局、いちにち中瓶のことに悩むことになるが

それではだめだと、気分転換に、2Lの炭酸ジュースを買うが

「親にもらったからだ、何考えてんだと」怒られる

その晩、ふたりで、討論をするが

僕が一方的に、攻められている気がしてならない

しかし、物事には、なんとしても守らねばならないことがある

それは、攻めたら負けというようなことも

しかし、芸術とは、時として残酷なものだと思うのは

間違いなのだろうか

30「ワカレ」

別に喧嘩別れというわけではない

ただ、色々と納得できないことが、多かったのだ

そんなこんなで、二人別々に、進むことになる

しかし、そこまで、距離が離れるわけもなく

その日二人で泊まる宿坊が、同じに、なってしまい

何となく気まずく

無理だという時計を見て、言うことを聞かずに

次の寺に向かっていた

寺に着いた時間は、とうに、一時間ほど

参拝時間が過ぎていた気がする

どうしよう、泊まる場所はない

あたりを、うろつくが、野宿できそうな場所はない

仕方なく、神頼みで、いや、ご無理を、願い

一応、宿坊が、あるらしい種間寺のインターホンを押した

すると、ふくよかな女性が、出てきてくださり

直ぐに宿坊に、案内してくださった

そこには、布団があり、シャワーがあり、たらいと洗剤、いたせりつくせりだった

しかも、次の朝、早く出発するというと

御朱印帳も、時間外だというのに、押していただけたのだ

もう、すいませんとしか、ありがたいとしか言えない

しかし、そこで、洗濯した物を、乾かす為に、二枚ほど、シーツを、使い

さらには、なぜか自分の宗派の本が置かれており

なぜか無性に、持って行きたくなるのを

押さえたりと

人間とは、いや、自分とは実に、馬鹿で、不親切である

31「道の駅と外人」

その日は、雨であった

母親が、以前安売りで買ったというゴアテックスのイーグルを、着ていたのだが、なにやら、裏面の何かがはげており、さらには、防水もしない

じっとりと、しみこんでいた

「な、なんだと」

彼いわく、出発する前に

合羽だけは、良い物を買え

と言われたにも関わらず

こんな事になるなんて

ひとり、とほほと思う自分であった

それは、ぐっしょりと、ぬれ、さらには、旅の命と言っても過言ではない地図まで濡れ

自分は、我を忘れて、今夜とまる道の駅の反対側にあった観光案内所の大量にあったチラシを、破り

本に挟んだ

「何やってるんだ」

じと目で見られ彼に怒られた

まあ、何とも言えないが

自分にとっては、死活問題だったのだ

本がなければ、前に進めない

それだけは阻止しなければいけなかったのだから

その夜、道の駅には、もう一人、外人の自転車乗りが、いた、彼は、その自転車で、世界中を旅しているという

夕方、雨降るさなかぶりビリに破れた合羽姿で登場したのは、なかなかのインパクトである


二人の会話に、入れず

何とかひねり出した会話も

それは違うだろと、ばっさり

怒ることはないだろう

彼がトイレに行ってるさなか

自転車を見せてもらった

帰ってくると

なにやら不機嫌な彼がいた

ちなみに彼とは、もう一度合うが

そのときに、握手をしたのも印象深い

32「御朱印帳」

これについて、言うのであれば

別にコレクションではない

御朱印帳という物は、和紙で出来た本に

その寺や神社で、お金を払い、墨で文字と判子を、押してもらうのだが

その美しさ特徴インパクトから、収集として集めがちだし、自分も、ほぼほぼそれがないとは言えない

しかし、その全貌は、そこに、行ったと言う証であり

そう言う意味では、スタンプラリーと言えなくもない

まあ、自分の場合、限られたスペースに、詰め込む関係で、買うとき、大きい方が見栄えがしますよ

と言う物を、押し切り、ワンサイズ小さめの物を、購入、さらにはそこからがたいへんで

それをいかに、雨から守り

さらには、紛失しないようにするか

それが案外、このたびでもっとも気を使ったことの一つに違いない

しかしながら、十人十色とはよく言ったもので

投げやりな、書き方をする人もいれば

習字の先生ですかというような寺と言うよりもエプロン姿の奥さんと言う方

頭に押し当ててから渡してくださる人

頭に押し当てているのだが

なんか、わざとらしいのではと思える方

もう、千差万別

33「ゴアテックス」

ゴアテックス

聞いたことも見たこともない代物であるが

要は、蒸れない合羽と言うようなものだ

内側の水蒸気は、外に逃がすが、外の雨は、内側に通さない、残念ながら、合羽に置いて、あまり実感できなかったが、靴においては、多少実感できる

少々の水たまりであれば、濡れることはないが

かれいわく、何時間も雨の中を歩けば

皆靴など同じであると言う

実際、ずぶぬれにはなるが

それでも、ないよりはましだろうと言うような感じである

33「におい」

今回の旅に置いて、一番心配だったのが

風呂である

こういうのもなんだが、風呂が好きであった

日に、二度ほど入るほどに

別に綺麗好きと言うわけではないが

何かの修行のように、ヘロヘロになるまで風呂に入らないときが澄まないのだ

実際、風呂に入る機会は、あまりない

と言うか、彼は、ウェットてぃしゅで、すませていたが

自分の場合、水浴びになる

人気のない公衆トイレで

一リットルの水筒と彼が必要だと言ったきりほとんど使わなかった予備の二リットルのウィダーゼリーを、でかくしたような水筒それを、頭から浴びる

特に、ぼろぼろの足には、念入りにかけていた

恐ろしいことに、シャンプーなどを使わずとも

それで、すっきりしてしまう

驚くべき事は、家に帰り、一度も洗濯をしなかった

寝袋を、嗅いでみたが、なんと異臭もせず

あまり汚れも見えなかったことである

34「温泉ゴルフ場ホテル」

二百円のアイスが半額で、定価になるという

恐ろしい物を、食べた後

歩いていると、車に乗ったおじさんが、ちょっと先によって来れと、言い残し

用事があると、どこかへ走り去っていった

彼が言っていた場所に着くと

おばさんが、出てきて、おっちゃとお菓子を、いただいた、そこで、いろいろな情報を、いただいていると

先ほどのおじさんが、登場

さらに情報を、地図に書き込む

そこで、とあるゴルフ場が、ホテルをしており

格安で泊まれるという

自分は、折りがあれば、泊まると言い残し

色々と食材を、探しに行こうとするのを引き留め

歩きだそうとしたが、その夫婦に、ふと気になることがあり聞いてみた

何でも話していく内に、彼らは、移住者であり

その候補に、飯山もあり

例の人形のこともご存じであった

恐るべき飯山

案外全国区なのか・・まさかな

「四国が好きなんですか」と

すると、満面の笑みで

「ええ」と答えたのが、印象的だった

この地にお遍路にひかれ

宿などを安くする人たちがいる

そう言う人が、必ずしも裕福とは限らないが

それでも、幸せなのは良いことである

35「雨の中の温泉」

正直、金は使いたくはない

その日、雨が降っており

予定よりも早く泊まる場所に着いてしまった

はれていれば、先に進んでも良いが

どうも、足の調子がよろしくない

ぐずぐずである

今日は、先に進まずにここに泊まった方が良いのでは

しかし、そのとき、温泉と言う物を、深く考えていた

野沢の温泉に、親しんでしまった肌のおかしな自分は

正直ぬるい風呂は嫌いだ

しかし、四国の温泉は、ぬるぬるでありぬるぬるだ

肌に実に良さそうであり、美人になる効能があるとかかれている

今日、ここで、泊まるより

夫婦が言っていた、その温泉があるゴルフクラブのホテルに2500円払い行った方が良いのではないだろうか

かくして、途中、雨宿りできそうな井戸を見つけて

死んだように休んだりしながら

送迎が出来る道の駅まで付いた

そこでは、先客の宿泊者が、おり

もう、ここで泊まっても良いのではと考えもしたが

道すがら、何時頃につきそうですかと言う質問を

濁し濁し予約していたので、今日は、ホテルに泊まることにしたのである

その道の駅には、ホエールヲッオチングのもじがあり

マジでと思ったのと

実は、知っている方がいるかは怪しいが

日本が誇るフィギュアメーカ海洋堂の本社が

近くにあり、道の駅から送迎していたのであるが

それを知らず、遠いからとあきらめたのが実に悔やまれた

36「センタッキー」

実は、洗濯があまり詳しくはない

何となく長じかん回したほうがいいだろうと

一番ながいものを自分は、ホテルに着くと選択して、洗濯物を、ほおりこんだ

ホテルに着いた当初も、四国の人の豪快な運転にへきえきしながら、付いたら付いたで、自分の電話番号が、わからず、父親にかけて聞き出すという失態

部屋で落ち着いていると、ノックがあり

掃除のおばさんが、選択の講義を、繰り返ししてくれた

自分で言うのもなんだが

わからなくても「はい」とうなずいて元気よく返事をしてしまう、馬鹿には、死ぬほどありがたい

「もう一度説明する、それはね」

と本当に、しつこいほどに、なんどもなんども

ありがたくて、ありがたくて

ちなみに、その日は、何度も、温泉に浸かる

温泉から出て、洗濯物を取り込んでいると

丸坊主の女性と会う

尼だ、と思いすれ違う

部屋に戻り、また温泉へ

なんと、落ち着けることか

そしてその鬼気迫ることか

明日までに足を回復させなくてはならない

そして、治る

野生化した人間の治癒力とは

実に恐ろしい

37「遊具」

道すがら、ほとんど足を止めないのが馬鹿な自分である

ほとんど、寄り道をしない

そんな自分が、道の下に、それなりの遊具施設を発見した

ブランコに乗ってみたり

ロープにぶら下がり、移動してみたり

どんどん体力を消費する

馬鹿な自分であった

38「ジオパークとボールペン」

朝早く歩いているとジオパーク博物館

入館無料と、かかれており、つい中に入る

お遍路や、地質 文化

いそいでいるので駆け足だったが

そんな自分が、ボールペンの前で、足を止めた

アンケートに答えると

マグネットやらがもらえるらしい

素早く書いて、ボールペンをもらう自分

実に現金なものだ

ちなみに、そのたびで、使用したノートは

母親が買ってきた百円しょっぷ由来の

雨に濡れても大丈夫と言う恐ろしいものである

39「喫茶店」

その日の宿坊には、寝袋組のおじさんが居た

何でも、喫茶店をやっているとかで

隙を見ては、歩き遍路をしているという

帰りに、よかったらコーヒーを、奢ってくれるという

ちなみに、尼さんが、泊まるときいて

外で寝ようかとあわてると

大丈夫だと、外で寝るなんて事にならないようにと

説得させられる

彼女は結果的に別の建物で寝ました

しかし、その寺の尼さんが、ここは冷える

明日凍死した姿なんて見たくないと

言っていたが、正直そこまで寒くはなかった

40「犬と老人とおじさん」

ぎりぎり参拝して、へとへとになりながら

ようやく奇跡的に見つけた道の駅に泊まったとき

そこには、犬を連れた車いすで押して移動する老人と

おじさんがいた

犬と老人は、東屋でテントを張っており

自分は、その横に立てたのだが

おじさんは、何となくずるいという顔をしていた

老人と二人で話していると

割り込んできて、自分の宗派の本を見せてきた

老人が、見終わると

君もどうとどうでも良い感じに

一応、中身をみる

返す

言葉を濁す

その夜、何となく気になり

老人に、犬の名前を聞くと

「イイコ」と言う

どう言うことだろう

何て名前ですか

「イイコ」

それが名前らしい

かくして寝る自分である

次の朝

目が覚めると、直ぐに出発

「もうでるのか」と驚く老人

昨日の会話で、自分が、ゆっくりでると

勝手に勘違いして

朝寝坊とおもっていたらしい

老人と犬と歩いてみるのも良かったのやもしれない

41「汗だくの男」

山の上にある寺を、参った後

坂を下っていると

昨日、電車などを乗り継ぎ歩いていると言う

あのおじさんにであった

「早いな」

彼は、そう、汗を拭いながら

言うのであった

話も、程々にして、僕は、先を、進むのである

42「クジラはいないらしい」

迷っていた、クジラが見えるらしい

乗るのに一万円かかるらしい

見えないのかもしれないらしい

ホエールヲォッチングの看板を見てから気になっていた

あたりは、雨がしとしとと降っており

漁港という感じであった

一応、親に聞いてみると

是非いけと言う

試しに、売店にはいると

クジラが見えるのかと聞くと

チケット売場と

定員があると言われた

試しにあるいていき

もう一軒商店にはいると

「今の時期は見えないよ」と言われる

なんども、チケット売りの間を、うろうろと行ったり来たりしたが、そのひと事で、後にするのである

43「ジンベイサメハみれないらしい」

大阪の海洋水族館を、ご存じだろうか

そこでは、ジンベイザメと言う魚類最大の

生き物を巨大な水槽から眺めることが出来

金を払うと、そいつを、近くにおびき寄せて写真撮影も出来るというが、撮らなかった

で、なんでも、四国最南端のその場所に、捕獲されるとじんべいざめが、保管され

土日には、一般公開されると言うが

その日は土日ではなかった

途中老人に、であい

見れますかと聞くと

見れると言いついでに、その日の宿泊予定地である

ジンベイザメ公園に、連れて行ってもらうことになった

しかし、その日は、土日ではない

ジンベイざめこうえんで、老人と別れた後

そこには、一人のけがをした自転車乗りが、いた

彼は、会社を、ある日突然やめ

その日から、四国を回っているという

もう一人、はじめのころに、彼と一緒のころに出会い

リュックの調整を、されていた僧侶が、いた

正直、自分の歩く二分の一程の距離を歩くと聞いていたが、なぜか先にいたことに

疑問を感じるも

後に彼に聞いたところ

「電車などをつかっているのだろう」とのこと

その公園には、主のおばさんがおり

机に、札を置き

なにやらたばこを吸い

色々と世話を焼いている近所の人らしく

自転車乗りに、イノシシの肉やら米やらを、渡したり

古品回収に、捨てに来た日本人形を、良い奴だと

老夫婦からもらったりしていた

自分は、岬で、夕食を食べていた

近所の子供たちが、つりをして騒いでいる

自転車のりは、こけて、指を怪我しており

次の日、僧侶に、荷物をおいて、次の寺へ向かい

戻ってきたときに、自転車の彼にお礼をしてくれ

と、言い残し歩いていった

44「あーもんど」

忘れた、と言うか、甘く見ていた

その寺は、そこだけコースからずれて行かなければならず、荷物をおいて、行って帰ってくる方法を選んだ

「荷物お願いします」と言って

テントを張ったまま出発

水も持たず、金と御朱印帳を、腰のカバンに入れて

歩く

途中漁港のトイレで、シャワーを、見つけるも

浴びて帰ってきたころには、汗だくであり

意味がないだろう

ひたすら歩き

途中、地獄につながる井戸

と言う感じの看板があり

少し離れた目的地の寺の本堂の下までつながるという

代物でもあるらしく

一円玉を落とすと

実にこぎみいいおとがする

その小さな穴は

後日、腹の調子がおかしくなったとき

思い出すと、実に収まると言う驚きの効果を発揮する

かくして、おまえりをすませ

自分は、窮地に陥っていた

おなかが空いていた

まずい、ひじょうにまずい

燃料切れは、わからないが、恐ろしいことになると

わかっていた

そんなとき、露天で、アーモンドチョコ、を見つける

ぎりぎりのせんであったと思う

ちなみに、レストランが、二階にあったのであるが

その日はやっていなかった

45「帰り」

そこにテントはあり、リュックも無事だった

実に失礼である

以外かも知れないが

結構、荷物をおいていくことがある

コンビニだったり、寺の境内だったり

幸いなことに、無くなったことはない

しかし不思議なことに、荷物を背負っている方が

体が楽に感じることがある

結構早く付いてしまったが

なんやかんや、自転車のおじさんに引き留められ

やすむきになり、その日は、そこで寝る

僧侶に、飯をあげなさいと言われたにも関わらず

ラーメンを、ごちそうになる

こちらも、

「別の人にあげなさい、私に今帰すのではなく」

と、言われたにも関わらず、羊羹とチーズを、彼の前に放置

火は、良いものです

彼に、色々と、情報を、もらう

かなりさ気まで聞こうとしたが

ここら辺でいいだろう、行ったら、そこでまたと言われる

やはり、ここら辺の引き際が難しい

聞きたくて仕方がない

彼と話している内に

比叡山、に、行く気はなかったが

何となく行ってみることにした

45「接待」

またしても、早く付いてしまった

しかし、良いのだ、もう、休みたいのだ

コンビニで、かさばりそうだけど、うまそうな

団子、うまい棒30などを、買い込み宿に着くと

「まだ時間あるよ、あるいたら」と宿の人に言われる

「そうですか」

お菓子を出すかれに、かさばると、団子を、渡し

二人で処理

「まあ、かさばるし、重いし、これも接待か」と

中々良い解釈だなと思いながら

宿を後にした

46「馬鹿」

実に馬鹿なことをした

その日、自分は、公園のアスレチックの上にテントを張り、撤去しろと、管理の人に、ボロいし撤去予定だからと怒られていた

もちろん、人は、いなかったし、もうすぐ夕方だ

実に馬鹿なことをした

しかし、ふてくされながら

元来た道を帰り

幸い、第一候補に決めていた東屋が、五百メートル程もどり橋向かいにありそこに、決める

そこで、車から鯉のぼりの支柱みたいな物を、たてている、チェックの服を着たおじさんを発見

彼は、車のなかで、何者かに

「えーこちら、・・・どうぞ」とか言っている

すると、別の誰かが、同じような返答を

変な人だと、東屋に、細長いテントを張る怪しい若者が思っていた

後に、それが、無線だと知るのであるが

47「YOUKANN」

羊羹は良い

彼は言う

試しに買う

確かに良い感じがする

その中で自分は

山崎の羊羹を、発見する

それは、甘ったるく

一つ食べれば、もうほかに何もいらないほどだ

ここが重要だ

駄菓子なんかは、後がひくように出来ている物があるが、それは旅では、バッドステータス

出来るだけ、少量で満足したい

それを満足させてくれる物は、ありがたい

ちなみに、六個入りが、お得であり

他店との値段の落差が、以外にあり

ついかいだめてしまったりしていた

48「青木地蔵」

一番泊まって、嬉しかったのがこの青木地蔵だろう

ここに行き着くまでに、

太陽石油の門主さんに、聞いたり

老婆に聞いたりして、たどりつけたが

実に落ち着いた

ここで、に三日とまろうかしらと本当に思ったほどだ

そこは、人通りの多い道から少しだけずれ

少々木の立ち並ぶ坂の途中にぽつんと建っている

本堂と、宿坊の離れがあり

ぽっちゃんしきのトイレ、水、布団電気

何でもござれ

ともかく、人がいないことが良い

自分はそこで、水を浴び

おまえりをして、感謝したりパンを食べたり、

有名な時代小説作家のおかれていた本を読んだりしていた

バンザイ

49「ふく」

洗濯が、案外一番悩んだ場所かも知れない

旅の最中で、一度も同じ下着を着用した覚えがない

くらいに、なんか、嫌なのだ

しかし、コインランドリーは、そこまでの頻度で

現れない

しかし、一日おきに洗濯するほど時間も金も無駄にしたくはない

だから、五日分の予備が無くなり始めると

結構悩むのだ

とくに、山の中などは、おそろしい緊張感に、包まれる

さらに、コインランドリー一回千円なんて、高いところもあると、実に悩む

この先あるかわからない

しかし、洗濯に千円って

50「五本足」

歩くときに、靴下は、互いの足が干渉しないように

五本足ソックスが、良いと彼が言っていたので

持って行ったのは、全て、五本足であった

しかし、水膨れやらで、テーピングを、している足は

実には入りにくく

入りやすい靴下が重宝する

しかし、五個持って行った靴下も

一つ破れてしまったときがある

しかし、あるけども、五本足が、おいてあるふくやが無く、路頭に迷いかけたとき

ユニクロが、目の前に現れた

店員に、聞くと、27と言うワンサイズ下の物しか

おいておらず、どうするか迷ったあげく

購入に踏み切った

結果としては、大丈夫であったが

五本足中々おいていないものである

ちなみに、それまで、めんどくさいと履いたことがなかったが、履き心地は、別段、これと言って気持ち悪いものではなかった

51「ラジオ」

よく、天気予報を気にするようになった

新聞がおいていれば、見るし

少し先まで、覚えておく

しかし、役に立ったかと聞かれれば

少々と惑うくらいに、あまり記憶にない

だが、道行く旅人に、お遍路に

「ラジオを持った方が良い」と言われ続け

ユニクロの隣にあったヤマダ電機に、踏み込んだ

しかし、異質なものだろう

日焼けした大きなリュックを、背負った男が

電気店の近代化の中を歩くのだ

お遍路に行って、多少感覚が麻痺しなければ

とうてい出来そうにないだろう

そこで、防水用の物を探したが

かなりでかい、正直そこまで持ちたくない

自分は、まあ、いらないかと

思ったとき

「TVが、聞けるラジオ」と言う

一万円もする物を、見つけてしまった

そう見つけてしまったのだ

実に馬鹿なことをした

しかしながら、そのラジオは、夜のほんのひととき

実に楽しくも落ち着ける時間を提供してくれた

昼間は、密封トレイで、厳重にタオルにくるまれ

夜になると顔を出すことになる

ただ、天気予報を、聞いた記憶はない

52「みかん」

愛媛と言えば、みかんだろう

と、言う常識を、旅先で、親に言われるまで、知りもしなかった、唯一、鳴門海峡が、あることを、バスの中で実感したのと

香川のうどん、それだけが楽しみだったと入っても

嘘偽りはない

歩いていると、みかんの無人売店が、いろんなところにあり

色々と、買って食べてみる

人がいる商店みたいなところにみかんが大袋でおいてあり、いえに送ることにした

正直、みかんと送料が、どっこいどっこいで

さらに、みかんの量が多く

送るには、ワンサイズ大きくしなければいけないと言われるも、ぐずぐずと、鞄に入らないととか言っていると

しかたがないと、おせったいしてくれることに

「郵便局も、昔ほど融通が利かない」らしい

すいません

53「竜馬」

正直興味もないが

有名どころだと言うことは知っており

珍しく寄り道した

リュックを、道の植え込みに隠し

このたびでは珍しく走っていた

白浜には、竜馬像だったり水族館だったり

ほんの少し小高い丘の階段を上り

像を眺めて、もうダッシュで、カバンを取りに行く

まあ、そのせいで、種間寺に、遅れることになるのだが

54「まむし」

まむしという存在を思い浮かべることは

旅にでるまでなかった

しかし、歩いている最中

牧野植物園と言う日本植物の父と言われる方が、創設に尽力した植物園があり

そこに、どうしても行きたく

前日に近くで泊まり

開園の前に、門の前に建っていた

しかし疲れ、ベンチで休んでいると

足に違和感を覚え

見ると、ムカデが、そこにいた

それは、あっとうまに、晴れ上がり

こすると破けた

まずいと思いながら

僕は、門の前の売店に、行き

「ムカデに刺された」と、言うと

塗り薬やら、氷、やらをだしてもらい感謝である

そのとき「本当にムカデかな」「むかでなら、もっといたい」と客とおばさんが、はなしていた

そのおでんを食していたおじさんだが

なんでも、まむしは、においでわかると言い

ムカデをまむしは、食うと言っていた

開園のころには、痛みは、引き

念願の植物園に入る

おじさんも、一緒にはいるが

シルバーは無料らしい

彼と一緒に温室内にはいると

コーヒーのきを見つめ

「息子は今、ブラジルにいるんだよ」と話す

なんとも、つながりとはおもしろいものだ

結果的な評価として

この植物園で、評価できるのは

記念で作られた庭

と、まきの博士の歴史だろう

まきの博士は、日本にいる食虫植物ムジナモ英明アルドロバンダの世界初の開花を、確認した人というのが自分の知っているまきのはかせであり

何かと名前を聞く人でもある

55「海パン」

そんなものなにに使うんだ

と言われ、持って行くのを、やめたが

海パンは必需品であると、言わなければならない

なぜなら、四国には、四万十川が、ながれ、海に囲まれ、ところどころプールだってあるのだ

それなのに、指をくわえて眺めるなんて

学校のプールの授業を、休むより酷い

なんたって、一日寝る前に、水を浴びないと

僕は、休めないのだから

56「電車」

二度、遍路中に車に乗ったことがある

とはいえ、そのどちらも、乗ってもまた同じ場所に戻ってきて再スタートしたが

それは、ゴルフクラブの送迎ではなく

金比羅さんに、向かったときだ

母に、電話で調べてもらったとき

歩けない距離ではないとわれたが

地図を見ると、結構あり歩くのが億劫で

電車を利用した

金比羅さんが、ある駅でありると

にぎわいのある町があり

坂の左右を、店がぎっしり待ちかまえていた

途中で、疲れ、荷物を、店の人におかせてもらい

頂上へ

疲れたが、まあ、よく聞く金比羅さんだしと

おみくじを、ひとつかってかえる

中には、小さな犬の金色の人形が入っていた

57「トンネル」

トンネルは、案外落ち着く

「怖くなかったですか」時かれたとき

「いえ、自分は、トンネルの方が、安心して歩けます

」なんて馬鹿なことを口走るほどに

しかし、なぜだろう、強いて言えば、台風の時にテンションがあがるような、非日常を、心のどこかで、楽しんでいるのかも知れない

しかし、危険である、有毒ガス

ふらついて堕ちれば、車にひかれる

ふらつかずとも強風で、堕ちかねない

狭い道前方からの自転車

まあ、危険ではあるけれど

58「コンビニ」

所々に、本当にそれは、点在する

何となくだが、ほとんどにおいて、コンビニは、たしょうたかいが、食パンや菓子パン類が、実にリーズナブルであり、よく購入した

しかし、その存在を知るのは、いつも地図であり

それは、命綱に近い

あるとき、休憩していると

草むらにほんを見つけ拾い上げると

ぐっしょりと濡れた

お遍路の地図の本だった

はたして、このあと、落としたひとは、どう旅をしたのか気になることである

しかし、地図とてあまり信用出来ないようで

地図の改正もあるのであるが

よく、そこにもうこんびにはない

商店は消えたと、教えてもらうことがあると

いろいろと、道順を、考えなくてはならない

なにせ、いつ食料調達をするかで、買い物の量

なんかも、考えなければならない

59「休けい」

それは、本来休もうと思っていた場所に

早く付いたのと

先客がいたため

シャワーがあったが、先を歩くことにした

途中しとしとと雨が降り始めそうで

急いで先を急いだ

三時ぐらいだっただろうか

ほぼほぼない予定外の場所に泊まることに決めた

その場所は、今は使われていないバス停であり

直ぐ横にトイレまである

トイレは重要だ水がでるので

なんとなく、地図に、トイレ休憩の文字が、何個か密集していたので、もしかしたらと思ったが、実際に、あったのだ

雨宿りしている風を装い

完全にとまるきでくつろいでいると

一台の車が、目の前に止まったのだ

60「岩屋寺」

彼は、車から降りると、ジュースやら、話やらをして

最後に、車からシャンプーを取り出すと

僕の持っていた開いたペットボトルに、入れてくれた

すごいひとである

途中、目の前を通るお遍路にも、走って追いかけては

ジュースを渡しに入っていた

彼は、かなり重い病気にかかったらしく

二十台らへんで、毎日病院に行っていたという

きょうも、新たな遍路道を、登ってきたと

携帯を見せてくれた

しかし、ことあるごとに、もっと歩こうよ

ほら、あるいてると、言ったが

テント組の自分としては、この先にあるともしれない

安住の地を探すよりも

ここの方がいいだろうと、ここにとどまることを伝えた

最後に、このさきの、道後温泉に、浸かりに行くと車に誘われたが、先に進むのに車を使うのに拒否感があり、お断りした

その日は、テントは張らず木のいすの上に、マットを引き、寝袋組に習いそのまま就寝した

雨が、バス停内にはいってこなくて良かった

61「岩屋寺2」

岩屋寺には、泊まれる場所があり、温泉があるが、自分は、それをスルーして、だいほう寺に、荷物をおいて、先を急ぐ

どうも、なれているせいか、荷物をおくと

ペースが狂う

おかしな話しだほんとうに

途中天体観測所と言うひかれる言葉を無視し

先に進むと一台の車が、クラクションを鳴らした

昨日の彼であった

彼は、自分と、車に乗らないとわかると歩き出した

岩屋寺につき、色々散策した後

彼と車で分かれる

しかし、しばらくしてまたクラクションが、ならされ

車で、送ると、また言い出したのかと思ったら

おいてきたことに驚いていたリュックを、持ってきてくれた

重いが、実に、ありがたい

62「ぷりん」

ご褒美が必要だ

旅にはご褒美が必要だ

一日に一回くらい

出来るだけストレスをためないように

それが大切だと思う

その日、僕は、巨大なプリンアラモードのカップを、公園で、あけていた

63「テント」

以外と、がめつい気がする

車やバスの人間は

どう言うわけか、かなり上から目線で、忠告をしてくる

「うまい物食べるくらいなら水分

とにかく水分」と毎年車で来ていると言うおばさんに

お菓子を、渡されながら言われたり

大量の御朱印帳を、書いてもらっている

旅行企画会社の後ろなんかにいると

もうなんか、不思議な感覚にとらわれる

「テントで泊まっている」と言っても

別段、自分がすごいなんてのは、思わないが

しかし、そうやすやすと、受け流すほど楽でもない

あるとき、道の駅で泊まっている最中

トイレに向かい帰ってくると

一人のおじさんに

「テントで泊まっているの」

と言われ

うなずくと

「すごなー、僕は車で、とまっているんだ」と言われた

そのとき、なんかいいな、と思ってしまった

64「イシテジ」

道後温泉を、自分は、ほぼほぼすどおりしていた

なんか、どうも温泉街のイメージからして違った

自分は、野沢loveである

あれくらい無骨な方が良い

その日、自分は、石手寺に、とまる

そこは、かなりどでかい宿坊であり

京大の下宿屋かと思わせる雰囲気を醸し出していた

泊まる場所は、巨大なステージが、暗闇に浮かび上がり、壁際に、年代物の布団が積み重なっていた

しかし、そのとき自分は浮かれており

直ぐに飛び出し、コインランドーリーで、洗濯物をすませ、食事を買い

町に繰り出した

もちろん温泉にはいるためだが

正直、がっかりであった

たしかに、なんかすごいのであるが

歴史だけで、面白味があまりない

どうも、風呂にはいるという見せ物のきがしてならないのだ

結局、あまりの落胆に、ふらふらしながら、もう一軒

リュックを運んでくれた彼が、言っていた市民向けの方へと向かう

確かにでかいが

うむ、もうこの町をでよう

帰りに、生まれて初めて人のいないのみやに入り

気になったなべやきうどんを、食べる

普通である

アルミに、伸びためん・・

しかし、女将さんと、多少会話ができ

いろいろと、教えてもらう

パンツは、うらむきに履けとか

歩くときは、白線の上が柔らかいとか

なんやかんやで、道後温泉であったが

町をでるさなか

道を聞くと

「あっちだ」と

地元民らしくおじさんが、何とも良い感じで

ゆびさした

それがいいおもいでである

何とも悔やまれるのが

道後温泉には、日本で残り少ないストリップ劇場が

あることであるが、

その看板を見ている時は、ほとんど町をでているさなかであった

65「せんゆう寺」

そこには、素宿があるが

僕は、泊まったはいいが

朝のお勤めと夜に、接待として

お風呂がもらえると聞いたが

なんとも、億劫になり

「申し訳ない」と手紙を残して、先に進んでしまう

しかし、この寺は、実に難しい場所にあり

この場所に行くために、わざわざ戻ったり

本来とは逆の歩き方をそこだけしなければならず

正直、地図をみるたびに、頭を抱えていたが

なんとか、無事たどり着けたころには案外忘れている

66「ナガい」

何日も、寺がないときがある

そうかと思えば、二三個密集していたりするか

何ともいかない

しかし、一応、一つの寺で、しっかり、二つ

お経と和讃を、唱えるようにはしていたが

しかし、帰ってきた後に、覚えていたかと聞かれれば

どうも、返答が鈍くなる

ただ、一日に、一寺回れればいいが

そうもいかない日もある

何日も、歩き続けて

ようやく、一軒の寺にだけ向かうときもあるのだ

実に大変である

常に、達成できるかという不安と

今日中に泊まれる場所に着くのだろうかという

不安が含まれる

しかし、つらいことはない

逆に、楽だとさえ感じる

悩むことが無く

わざわざ苦しむ必要性がない

なぜなら、そんなことをしている暇さえ与えてくれない

怠惰でさえあった

67「雨」

朝起きると、テントの床が、びしょぬれであり

外から雨が進入していた

まずい

一応、東屋の中に、テントを張ってはいたが

横殴りの雨が

徐々に浸食したのだろう

ただ、位置的に、自分が、風除けになっている感は否めない

彼は、きょうこのままが良いか

歩くかを、迷っていた

正直、歩くの一択だった

なぜなら、もうびしょぬれだから

このまま濡れるくらいなら歩く

そういう思いが強かった

幸いに無歩きだし

午前中幾度か晴れがあり

そのときに、テントを、乾かす

案外かわくもので、休憩をかねて

靴やら寝袋を乾かした

基本的に、テントを、乾かすことはなかったが

それでも、天気の良い日は、休憩時間に

乾かすことがあった

ちなみに、テントには、雨除けとして、外側に、もう一枚、シートを、はるのだが

自分の場合、そうすると

外との温度差で、水滴ができやすいので

ほとんど使わなかった

濡れるときは濡れるのだから

68「金」

納め札には、色があり

普通は、白色だが

何回

何十回も、いくと

赤になり

緑になったり

最終的に、金色になるのだが

いつしか、怪我をした自転車のりがいっていた

「金色の納め札をとっても意味はないよ」と

正直、どう言うことかは締め意味を理解していなかったが

要は、納め箱から、紙を抜き取り

御利益をもらおうとしても

それだけ力がある人の願いだから

危険だと言う意味合いらしい

そんなことをする人がと、思ったが

終わりの方で、それを見かけてしまった

言おうか迷ったが

言う前に、そそくさと人目をきにするようにさってしまう

彼はもう一つ言葉を残していた

誰かに、お接待をしてもらったとき

名前を書いてはいけない

自分の願いを、相手に移してしまうからと言う

別段願いもなにもなかったのだが

何となく納得して

いつしか、たこ焼きを店で、食べていると

せんべいに、マヨネーズソース卵を

乗っけた物を接待してもらったとき

名無しの紙を、彼女に渡すと

「ななしだよ」と言われ

彼のことを話すと

気にしないからと、結果的に、名前を書いて渡したが

果たしてどうなのだろうか

69「良し」

旅をしていて、良い噂をあまり聞かない

あの寺の坊主は、金遣いが荒い

お茶の一杯も出すものだなどなど

まあ、寺という物は、本来、金なんてもらうものではないと思うが

しかし、少々、かれらも現金な気がする

自分に悪をなす奴が敵であり

良いことをする物が良いような

別段世の中という物は、美しくもなく

また、そこまで汚くもないだろうと

中間主義の自分には、なかなか

連れてきてくれた彼のような

善悪がはっきりしているというもは

なんとも

70「話し」

人は、果たして会話をしているのだろうか

なにか、勘違いを無理矢理納得させて

会話そして居るように錯覚しているだけ何じゃないだろうかと、ふと思うことがある

言葉なんて物は、いくら積み重ねても

伝えたいこを、表すことはできず

何となく、大まかな物に逃げるか

はたまた、相手に大きな誤解を生むかしかないような気がしてならない

しかし、それでも話さなければいけないとき実に難儀であり、大嘘をついている気がする

「あんた、あまり話し好きじゃないね」

道の途中で、老婆たちが、テントを張って

待ちかまえている場所があった

そこで、お茶をいただいたりお菓子をいただいたり

話をしたりしたのだがそんなことを言われた

正直もくそもないが

あまり話が得意な方ではない

聞く専門か

話す専門であり

キャッチボールのできない人間である

「いや実は、今日中に、道後温泉まで」と言うと

「じゃあ、しゃべってる場合じゃないや

ごめんごめん」と、言われた

何というか、人は行動だけあればいいような気がする

71「幽霊」

本当かどうかはしらないが

前日泊まったゆたんぐらと言う

千円で、飯風呂せんたっきなどがつく宿があり

そこで、こんなことを言われた

「あの寺で、駐車場に泊めてくださいと言えば

泊まれるが、あまりおすすめはしない

幽霊がでるって有名だから」

逆打ちと言う反対に、八十八カ所を、回ることに挑戦している何度もあるいている人が

そう教えてくれた

怪談話は好きだが

正直、幽霊を、ほとんど信じていない

いないとは言わないが

人間が見えるものでは、無いような気がする

で、どっちみち泊まらなかったが

そこには、うしおにの手ぬぐいがあり

結構安く買ってしまった

しかし、連れてきてくれた彼が

妖怪を信じているらしく

居たら面白いと、昔、お坊さんに、幽霊はいるかどうかと聞いたら答えた答えを言うと

「そうかい」と不機嫌になった

いやいやいやいや

72「大福」

実に多彩であるコンビニの中で

餅関係は、腹持ちが良いしでかい

もともと、買い食いをしないたちなので

あまり、こうにゅうよくは、ゼロに近いが

このたびで、まず買わないであろう

大福と言う物を、幾度も買うことになる

奴らは、大袋で、結構やすく売っている

なかでも、ヨモギが好きだが

実に難しい

スーパーで、250えんで、売っていた物が

ドラッグストアーで、150えんで、売っていたりすると

かなり落ち込むが

そんななかで、一つ150円の豆大福が

小さいが、コンビニに売っていた

何の気の迷いか

それを買い

食べたときの衝撃は、忘れられない

量より質とはこれほど偉大な物だったのかと

しかし、以後買うことはなかった

どうも、質より量なのである

そして金なのだろう

73「外国人」

驚くべきことに、日本人でさえ、躊躇してしまう

逆打ちと言う歩き方のほとんどが

外人だ

向こうから歩いてくるほとんどが

外人であり

そのすごさに驚くばかりである

曰く、舗装道路ならまだ、シールなんかがあるが

山の中だと、逆打ちだとどこを歩いているのかわからなくなると言う

それを、言葉もわからない外人がゆくのだから

わざわざ日本に来るだけのことはある

観光地で、わざわざ日本間できる外国人の気が知れない、奴らはどうしてあんなに、明るいんだと

言う話題がでて、うなずいていたが

つれてきてくれた彼に、聞くと

実に心から納得できたのだが

「別に、外国人が明るい訳じゃない

暗い奴だっている

しかし、日本に来るようなアクティブな奴は

明るいから日本に来るんだ

じつに、納得である

別段外国人とて意志疎通がとれないほど感情が離れているわけではないのかもしれないのだから

74「橋」

本当に自分は、遍路についてなにも知らない

ただ歩いているだけの人である

温泉があったので、ついはいってしまったが

今日泊まるはずの場所が、予想以上に離れており

汗が出始めたころには、実に恐怖感に覚えていた

まずい、風呂にはいったいみないじゃん

で、つくと

二人の人物が居た

一人は、バイクで

もう一人は、前の寺で出会ったような気がする

外国人の女性であった

バイクの人が、風呂に入りにいくと

二人である

実に気まずい

ある時、橋の下に、泊まらないんですか

ときかれた

その寺は、88に、入らない番外寺と言う位置づけであり、一応御朱印はあるが

自分は、押さなかった、唯一押したのは

閻魔の御朱印という少々興味の引く物を

御朱印帳の予備のページに押してもらったほどだ

で、その寺の近くに、橋があり

その下で、大師が、夜風にふるえながら、眠ったという伝説があり

彼女の話を聞くまでぜんぜん知らなかったわけであり

また、お遍路で、橋を渡るとき杖をついてはいけないのは、下で大師が、寝ているかも知れないと言う

そう、四国では、今でも大師が、歩き続けているということになっているのだ

接待も、お遍路さんではなく、お遍路さんの姿をした大師に、お供え物を、と言うことになっているらしい

なんやかんやで、おじさんが帰ってくる頃には

パソコンを見ていた彼女は、近くの銭湯へ

自分はもったいなく汗でべとべとのまま

妙に暑い部屋で、寝ていた

いつの間にか、おじさんが帰宅

そこで、引きこもりの話しに、なってしまい

永遠と、遍路にこれるのだからと

学校に行けと、言われ

何となく、夜をごまかした

しかし、暑い

暑い

ついに、部屋を出て、ごそごそと、テントを張り出す自分

「大丈夫ですか」

彼女が、いつの間にか起き出してしまい

ライトいりますかと、聞かれ

「あはは、大丈夫大丈夫」と、ごまかしながら

赤面する

しかしながら、どうせ外に泊まるのだから

橋の下にでもとまれだ良かったと思う自分である

75「食べ物の後悔」

燃料切れは、旅の終わりを意味する

すなわち死だ

しかし、朝食を食べた後で、何かおいしそうな物を発見すると

なんとも、入ってしまったりする

そういうのは実にもったいない

食パン二枚に、人参生をかじり

羊羹一つを、口に含んだと

歯を磨き、歩き出した直後

牛丼やに、さしてはらもす居てないのに、入るのは、実に心苦しくもったいない

あれは、県境に向かう前

山の麓に、とある店があり

看板に

「食べ放題」の文字

そのしたに、「500」

嘘だろ

自分は、朝食後にも関わらず

その建物の中に、進入した

それは、天国だった

薄暗い店内

チェックのシャツにジーンズのおじさんが

食べ放題とは別のメニューメロンクリームソーダを

傍らに、マンガを必死になって読んでいる店内

奥には、バーのような喫茶店のような厨房

食材がおいてある場所は、さすがは、500円クオリティーとでも言うべきか

なんと気の使わなくても良い空間

このたびはここに出会うためだったのではないか

しかし、腹一杯食べても

結局ワントレイくらい

もったいない

なんど、ここにはいるために、ここら辺に泊まろうかと思ったことか

自分が遍路としってか知らずか

店員さんが、新しい料理を、追加していた

泣く泣く後にする

タクシードライバーだろう

大盛りのカレーを、席まで運んでいた

近所のおばちゃんが、わいわいと会話をしている

料理のすみを、ゲジゲジが、歩き、机の隙間に消える

実に良い店だ

76「ノザワ」

ある時、一軒の総菜屋にはいると

おむすびが何個もあった

そこで、梅干しだったと思うが

一つ買うと

「それだけか」と言う

何て野郎だとも思うが

パックに、一つというのは、少々無理をさせてしまっているのか

脂ぎったおじさんは、何個か、パックに総菜を、詰め始めた

「もってけ」

「あっえっと」

自分は、納め札を出そうとすると

「どうした、お金は」

どうやら、お金を渋っていると思ってるらしく

納め札を出すと

手を振って、いいよ、いいよと言う

お言葉に甘えるというわけではないが

何となく、渡さなくていい気になり

おにぎりだいだけ、渡す

「毎度あり、しかし、どこから来た」

「長野です、飯山野沢温泉のしたです」

「どこで働いてる」

「バイトですけど」

「それじゃあ」

彼の口から、スキー場のゲレンデの名前がすらすらと

これほど、驚きと感動を覚えたことは無かろう

「去年も行ったんだ」

なんか、すごい日であった

77「何度もあう人」

道が同じなので、よく同じ人とあう

二三日見ないと思ったら

すれ違ったりする

こう言うのは不思議なもので

そんな経験を、4、5回は、確実にしている

電車を乗り継ぐ坊主

広島にあるというプチ遍路をマスターしたので

今度はと、何度かに分けて歩くつもりが

もう、香川にいる、夫婦で応援する野球チームが違うおじさん

懺悔の旅をする老人

尼さん

など、まあ、道はほとんど同じだから

しかし、ある時、ゴルフクラブから、送迎で、二人でおりた

自分と、尼さんだったが

自分の方が先に歩き

尼さんが、その後ろを進むことになったが

どうやら自分は道を誤ってしまったらしく

二人して、コースから外させてしまったことがあった

会話は、無かったが

実にすいませんなことをした

そのあと、何度か、その足の速い尼さんと

すれ違ったが、彼女はどうやら、寝袋組のようだという推測することが精一杯だったが

ある時、道後温泉から離れた頃に

堤防で、二人してあるいていたとき

声をかけられた

彼女は、修行をしているが

どうしても行きたくなり

お遍路に行かせてくれと

おししょうさんに、いって、今ここにいるという

だから初めてであり、道によく迷うなど

確かに、良く道を聞いているのを、目撃していたが

同じくらい、自分も道に迷いながら聞いているので

あまり距離的に違いがないのだろう

一度だけ、彼女のお経を唱える姿を見たが

かなり長いらしく

一通り、すませた後にも、彼女はまだお経を、一カ所で同じように唱えていた

それっきり彼女を見かけることはなかった

78「ジップロック」

それは至極の必需品である

下着を入れたり

濡れたら困る物を入れたり

カバンのほとんどの物は、ジップロックと

ゴミ袋に、守られているといっても、決して過言ではない

彼は、御朱印帳を、最後まで守ってくれたりした

ある時、団体の御朱印を、待っていたとき

待ちきれず、山のような御朱印帳の横に置くと

書いていた人が

「そんなところにおいて、バスの人が持って行ったりしたらどうする危ないじゃないか」と、怒られた

その日、トイレに輪げさを、その寺でかけたまま、歩き出してしまい、その日から、大荷物を持った浮浪者のようなことになる

なんやかんや言って、輪げさの効力は、強い

あれさえかけていれば、何となく、堂々としていられるが

あれが無くなってから

なんとも、心許ないものとなった

とある、うどん屋で

「あんたここらへんうろうろしているの」ときかれ

ええ

と、お遍路のことだと思い答えると

「そりゃそりゃ」となんか、馬鹿にされたような

驚きも見た

もしや、本当に浮浪者と思われたのか

と思い返す

79「うどん」

このたびでなにが印象的だったかと聞かれれば

うどん

と、答えてしまう

正直に言おう

うどんは、香川のごく一部

最後の最後以外

あまり特徴などない

自分は、うどん好きだ

吉田のうどんと言う

日本一堅いうどんこそが

世界一のうどんだと

信じて疑わない

香川のうどんなんて

そう思っていた

このたびで、幾度と無く

試しにうどんを食べたが

あまり、うまいと言うものではなかった

しかし、それは、香川以外であり

香川に入り

うどんを食べてみたが

正直、驚きは皆無だった

ただ、威勢が良いと言うくらいで

しかし、それは、大きな間違いだった

彼は言っていた

ある時それは変わると

そう、

それは、うどんに絶望して

それでも、つい、入ってしまったうどん屋での

一口

うどんは、生きている

そう思えた

今までの物は何だったのか

その地区にはいったとたん

それは別物として

現れた

一見チェーン店ぽくても

その味は、感触は天地の差であった

そう、今まで食べてきたどんなうどんも死んでいたのだ

そこには、錬金術師たちが

平然と、全く別の物を、作り続けていたのである

80「かぶれ」

老人と、競うようにあるいていた

と言っても、老人の後を、追うのだが

明らかにペースが速い

無理を、している

しばらくして、先を進められる

「かなり速いペースでしたね」

と、本音を言うと

なにやら和む雰囲気が

老人は、両親の死に

本当にもっとしてやれることはなかったのだろうか

と、思い、歩き出したという

最初は、車だったが、徐々に歩くことにして

そして今回、初めて、とうしで、歩いているという

何回に分割して歩くことはあるらしく

東京のサラリーマンの若者が

とうして回れるのが羨ましいと言っていた

かくして、老人と別れたが

最後の寺まで間近と言うとき

山の中で、別ルートがあり

何かのほこらがあるらしく

脇にそれる

そのとき、もしかしたら、蔦をさわったのだが

それが原因なのだろうか

ようやく終わったとき

明らかに、背中が、ぶつぶつしているのだ

かゆい

そんなとき

あの老人が

神頼みてきに

老人に、かゆみ止めはあるかときくと

ムヒアロワーを、出してくれた

はじめは、服を、着ていたが

どこまでかわからないと

公然の前で、Tシャツを、脱ぐ

しかし、なにやら、誇らしい気がした

あんなに、歩いたのだ

それで最後に、アクシデント

もう、人目が気になるとかではない

何か、こんなことぐらいどうってこと無い

かぶれの方が心配だというような

旅をしたからこそ、少しのことが重要なことを

直感的に感覚的に二人には、いろいろと違う物ではあるが、どういつだったのだ

彼は、薬をあげると言ったが

そこは、かれが、なにがあるかわからないと返す

かくして、かゆくなりながら

香川から徳島に

帰ってきたが

そんなとき、また彼と会う

そこで、薬は必要かときかれ

すいません、いただきますと言うと

そうだろう、あげるあげると

しんそこ、嬉しそうに、心配していたと言った

81「船」

先輩風を吹かせて、そのまま、最後の寺までゆっくり行っても良かったのだが、自分は、その日のうちに、脱出するかのごとく、いち早く船に乗ろうと思っていた

根底にはいつも

早く帰りたいが、あったような気がする

かくして、そこで無理して、治りかけていた足を、ぐずぐずに、壊すのであるが

まあ、一番はじめの寺に着いたときには

ひわくれており夜である

子供連れの親子が

公園にでも来たような感覚で

ライトアップしている寺をはしゃいでいた

自分はと言えば、もう、ひざまずいて

ただただ、ここまでこれたことを感謝していた

もう、感謝するしかなかった

閉まった本堂の戸の床に、頭をすり付けて

親子連れは、変な人がいると思っただろうが

どうでも良かった

しかし、まだ終わらないのであった

82「喫茶店」

何とか、寺の前にでている売店のおじさんに聞き出し

例の奢るコーヒーの、店に入る

そこで、なにが大変かと聞かれ

即答できない変人がいた

どうも、望んでいる大変な話が

ずれているらしい

そのまま、すぐ寄せ書きに苦戦したが、店を出た

正直、終わってほしくないと言う気持ちは

ほぼほぼ無かった

で、電車に乗った

文明への接触

ようやく、歩くのではなく

勝手に、動いてくれる

もう、ほとんど終わったのだ

後は比叡山、それだけである

電車で、行き先を聞く

もうなんか、比べることができないほどにうきうきである

いざ、つくと

そこは、にぎわいの激しい町だった

フェリーまで、行かなければならないが

妙に寂しい

そこまで土田舎というかんじはぜず

どこもにた様なものかとがっくりはしたが

それでも、都会よりは、遙かにましである

にぎやかな中を歩く

交差点の前で、地図を見ながら石によっかかっていると、しゃしんをとられた

珍しいのか

途中、ヘロヘロになりながら

弁当屋に入る

注文して

ここで食べて良いかと聞くと

もう、閉店だという

暗闇の駐車場で、食べる

コインランドリーを、進められたがもうきりょくもない

ふらふらである

こんなことなら、ゆっくり歩いて楽しめば良かった

しかし、こんな所で止まるわけにも行かない

なんども、テーピングを直し

もうつかないんじゃないかと

思ったとき

海が見えた

良かった

しかし、やはり、もっとゆっくり

なんて、思っていると

道に迷う

ランニング中のおじさんおばさん若いに、あう

良くはしってくれた

そので島のようなばしょで、道を聞くと

多少誤解はあったが

何とか理解でき

フェリーまで向かう

チケットは、まだ販売されていないと

小さなビルのような建物の中に入り

チケット売場の奥の人に言われ

いったん待つことに

二階には、小さなゲームセンターが、ずらりと並んだ

待合室の奥の方にあり

妹が好きだと言っていた

おそまつさんのUFOキャッチャーも、あったりしたが

なんやかんやかんやでやらなかった

ひとり、おばさんが、横になっており

正装だ

歩きなのだろうか

かくして、真夜中

本当にようやく堅いベンチから起き出し

船に乗り込むと

速攻で、余裕もなく、寝袋を取り出すと

入り込む

気がつくと、もう港につくらしく

本当に惜しいことをした

それにしても、寝袋を出すのは、自分が一番早く

何となく差を感じた

比叡山の御朱印は、実にあっけなく

「はいはいはい」で終了した

もしかすると

色付きの判子が、割高だが、それにしなかったせいなのか

どちらにしても、何ともかんとも

寺とは、感情的になってはいけないと思うが

それでもと、思う自分であった

83「感謝」

これほど、家族に優しく接したことはないだろう

しかし、根底として、人は、ある程度、ストレスなりがあった方が良いと思う

なぜなら、危機感もなく

ただのほほんとするのは

生きているとは到底言えず

そんな物は、消えてしまった方が良いとさえ思う

人は、困難があるからこそ

より確信に近づける

ただでさえその問題が見えないのに

それから目を背けるなど問題外に、ほかならない

しかし、人は、感謝で、なんじゃくかする

弟に、ありがとう

なんて、全く、旅とは、末恐ろしい

もし、どうしても、どうにもならない

人格も何もかもいらない

死んでも良いなんて言うのであれば

案外良いのかも知れない

自分の場合

問題もなく行って

逆に悩むことになるのだが

84「ポスター」

荷物になる物は、極力避けるべきだ

しかし、がちゃがちゃを、気のゆるみで買ってしまったり

巨大な、ガラス瓶を、購入し

一つ5000、一つ10000を、あわせて10000に、シテもらい、送料を、1000円と、ききその安さに、今までの物は何だったのかと

送ったみかんたちを思い浮かべたり

しかし、愛読書を、送り返し

ジャンパーを、送り返し

音楽プレイヤーとかした電波のないスマホを、送り返し

一グラムでさえ、ともう人間が

実に馬鹿である

それは、セブン-イレブンの出来事

そのとき、シンゴジラが、公開を控えており

セブン-イレブン限定で、エヴァというアニメのロボの色をメカゴジラに、塗ったフィギュアが、高いが買うと貰える事を知り

どうしようか迷って、母親に電話しているさなか

「大量のドリンク三本買うとおへんろ。の四種類の内の一つのポスターが、貰える」という文字を発見

さっそく店員さんに、聞くと、貰えるという

買ってしまった

自分はやってしまったと

その持ち運びが難しいポスターを持って

途方に暮れていた

結局、敷物の中心に、入れて、ぐるぐる巻くことで、大事をえたが

その後、間違えて、同じ物を、買ってしまったり

愛知を、愛媛を、間違えて

店長に、渋い顔をされたりとしながら

何とか無事コンプリートして

無事持ち帰ることに成功した

案外一番の奇跡かも知れない

85「夜中」

基本夜中にはあるいてはいけない

しかし、その日、いろいろあり、歩いてみることにした

彼に、怒られるかと思ったが

マンネリ化したので挑戦しているというと

すんなりokが、もらえたが、

これがまた長かった

途中、コンビニで、アイスを食べたり

したが、なかなか目的地に着かない

途中、ネットカフェが、あった

入ろうかとも思ったが

進んだ

そのあと何度もネットカフェに、入ろうと模索したが

結局、このたびで、文明の快楽を得ることは不可能であった

途中、安売りしているスーパーにたちより

エビクリームコロッケを、買う

そのころには、ほとんど目的地に近かった

母親に電話をすると

まだ歩いているのと心配される

はじめの頃は、電話するとダレるのではと思ったが

案外、気楽になれる

深夜のガソリンスタンドでおじさんに

場所を聞く

こんな深夜に、大荷物の男に

公園を聞かれるのに

たいして不思議そうな顔をせず

ふつうに答えてくれる

この島はすごいのかも知れない

86「勧誘」

歩いていると

いきなり、ちょとだけ

といわれ

橋の上で、おじさんと立ち話

長いので、鞄をおろす

重いのだこっちは

そういうところに、あまりきがつかない

彼は、一から授業を成功させたのも

とある宗教のおかげだとか

また宗派をきき自分の宗教の悪口をいったり

したが

正直

あまり関心が無いというか

まあ、そんなもんだろうあまり考えもしない内容なのでと

まあ、ほんのたちばなしだと

二人シテ、この話しに終着がないとわかると

おじさんは、ジュースを奢ってくれた

87「前日」

栄村まで、着替えも持たずノープランで、無理矢理合わない靴を履いて、家をでて村の人間に、目撃され驚きの目を向けながら、歩いたことがあった

そのとき、道の駅まで歩き

酷い水膨れになり

家に、ヘルプを、出した事があった

実に馬鹿である

彼と別れるとき

絶対に、嫌になっても道路に飛び出すなと

言われたが、ふざけるなである

こちとら、死ぬ気で、来てるっちゅうの

いままで、地獄のような、苦悶をしてるっちゅうの

なんど、死のうとして、のうのうと生きていることか

それを、こんなつまらないことで、こんな何の悩みもないようなことで、死ねるか、あほう

おれを、何だと思っているのか

貧弱だとでも、学校に行かない弱者だとでも、

格下だとでも、馬鹿だと

違う、おれは、そういう偏見が嫌いだから

あえて、そちらに行く

やりたいことがあるから偏屈になるんだ

俺がしんでも、先に進めよ

そういわれた

知るか、おまえ、死ぬ気なんて、これっぽっちもねえだろう

本当に、他者のことを思っているのか

でも、死なないでしょ

自分は言う

まあ

曖昧な肯定

彼は、その日の一方的な尋問を

良い会話だと言ったが

あんなの自分だけ、身を削っただけの強奪だ

88「おへんろ」

帰ってからと言うもの

足が痛くて

ほとんど、家に引きこもることになる

なんだかな

正直、旅をしている間中

物事を考えられたためしがない

あれは、ものごとを考えるために行くんじゃなくて

忘れるために、気楽になるために行くじゃないかと思う

まあ、人それぞれ個人差はあるとは思いますが

まあ、そんなこんなで、ぜひおへんろへ

八十八カ所巡り、いかがでしょうか

拝啓 なんでも、野沢にも、あるらしく

出発前に、それじゃあ、だめなのかと言われた自分であった

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