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須藤要と仁科涼

昔々、こんな噂話がありました。


人生に未練を残し、若いうちに亡くなった者の元に女神が現れ、異世界に転生しもう一度人生をやり直す機会を与えてくれる。




「ね、気にならない!?異世界だってよ!?」


「ふーん」



少年、仁科涼にしなりょうは楽しそうにクラスメイトから聞いた噂話を幼馴染みの須藤要すどうかなめに話して聞かせた。


仁科は活発な少年で、噂話とか流行はとても大好物であった。

一方の須藤は外で遊ぶより家で本読んでる方が楽しい、という根っからのインドア派であった。



「ほんっとに要ってば乗り悪いよなぁ」


「だって異世界とか嘘臭いし、涼の持ってくる話はいつもガセネタじゃん」


「うっ…い、今まではガセだったかも知れないけど、今回のはマジなんだって!」


「はあ、それも耳にタコができる程聞いたよ」



仁科は、新しい噂話を聞く度に須藤に話して聞かせた。

その度に須藤は軽く仁科をあしらっている。

ただ、須藤はこんな態度でありながらも仁科から噂話を聞けるのを楽しみにしていた。

というのも、須藤はクラスで話の会う友達がいない。本ばかり読んでいるせいか、友達も出来なかった。

それを救ってくれたのが、仁科の噂話なのだった。




そんな思い出も、もう何年も前の事だ。

須藤は、25になっていた。

社会人になって3年目、仕事も順調。昨年には大学の時から付き合っている子と結婚。お腹には子供もいる。

まさに順風満帆。



そんな日々が終わったのはあっという間だった。

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