流星群だと思ったら死にました。
流星群が降ると言われていた日の夜、玉野キンタは望遠鏡を持って山に来ていた。
「今日は流星群が降るんだな、楽しみだな〜」
金太は望遠鏡を置きそう言った。
周りは金太以外誰もいない。聞こえるのは風で揺れる木の葉の音。
その音はキンタの心にある孤独感を幾らか薄めたが、完全に消す事は出来ずため息をついた。
「神田遅いな」
金太は今日の流星群を親友の神田と見る約束をしていた。
金太は待つ神田を。金太、待つ、神田。キンタ待つ神田。
しかし神田は来ない。木の葉の音が相変わらずカサコソと周りを通っている。
少し不安になる金太。それに追い打ちをかける様に金太の携帯が鳴り響いた。
「びっくりしたな」
そう言って金太は携帯の画面を確認する。だが携帯の画面には何も映っていない。
「もしかして故障……?」
キンタはボタンを押すが携帯から反応はない。
世界が自分を拒否しているのではないか、大袈裟ではあるがキンタはそう感じた。
空に流星が流れれば多少はその孤独も無くなるだろう、だが空にあるのは小さな赤い光を放つ旅客機である。
その旅客機を見たキンタはますます孤独を感じ、望遠鏡を片付け始めた。
「……ン……タ…」
望遠鏡を片付けいる最中キンタは胸ポケットに入った携帯からそんな声を聞いた。
「携帯は故障しているはずだ」
疑問を感じ、キンタは携帯を確かめる。すると真っ暗だった画面はいつもの画面に戻っていた。しかもその画面には神田からの不在着信が21件も表示されていた。
ただ事では無いと感じたキンタは真っ先に電話をした。だが幾ら待っても呼び出し音が聞こえるだけであった。
焦らされ歯痒い気持ちのキンタはちらっと空を見る。
偶然か必然かその時キンタは一つの流星を見た。
「何だ、これ……」
キンタの目が捉えた流星は普通の流星では無かった。普通の流星なら発する事は無い黄金の色。
真っ暗闇の夜がまるで夕焼けに感じるほど黄金の流星が空を舞っている。
その幻想的で美しい光景を見たキンタは圧倒された。だが
「綺麗だな……」
その美しい流星は破壊の象徴と化した。
突如響く轟音。それは人工的な響きではなく大地が怒号を飛ばしているかの様であった。轟音に随して大地が揺れキンタは仰向けに転ぶ。
キンタの視界に流星が映る、だがそれらは普通の流星と違い消える事なく流れて落ちていた。
するとまた轟音が聞こえた、しかもそれはさっきよりも大きい。
流星達は空中で消える事なく落ちているのだ。
「うっうわあああああ!」
キンタはよろけながらその場から走り去った。
小枝が刺さる、根につまづく、だがキンタは気にしない。息を切らせながらキンタは走る。
しかし轟音は止まない、それどころか轟音の大きさは増すばかりで、まるでキンタを狙って近付いている様だった。
「げひっ!」
足を泥にとられキンタはすってん転ぶ、すると辺りが昼間の様に明るくなった。
「う…そ……」
キンタは自分の頭上に流星が迫ってきているのを見た。恐怖で竦む足。キンタは僅かも動かない。
そして流星は無慈悲にキンタとぶつかった。




