第7話 追加ルール
気が付くとそこはだだ白いだけの空間だった。
足は地についているのだけど地面がない。上も下も横も永遠に広がっている何もない真っ白な空間。
『ふふふふフー、どウ?みんなびっくりしタ?わめいたってさけんだってむだだヨ。なんたってここにはぼくしかいないんだかラ』
そんないくつもの声を束ねたような陽気な声が白い空間に響き渡った。
『じゃあみんナ。ぼくからこのじょうきょうについてせつめするネー』
ポンッ
そんな気の抜けるような音を出してそいつは目の前に表れた。
『みなさんこんにちハ。ぼくはぱんぷきんぼーやでス』
そいつの見た目は頭がカボチャで目と口の位置に穴が空いていて、体?はローブで隠れていて見えなかった。
『さきにいっておくけド。ぼくはみんなのところにどうじにいっているかラ、こべつのしつもんにはこたえられないヨ。でモ、いちばんおおかっタ、ぼくはなにものカ?についてはこたえてあげるヨ。』
そう言ってそいつはふふふフーと笑った。
『ぼくはきみたちにいまのじょうきょうをせつめいするためのぱんぷきんぼーやだヨ。きみたちにはこれからいわゆるですげーむっていうのをやってもらうヨ。みんナ、ういんどうをひらいてみてヨ』
試しにウインドウを開いてみると今までログアウトボタンがあった所に追加ルールという項目があった。試しにタップしてみる。
【ここは新たなルールを追加した際にそれを確認していただく場所です。※ここは定期的に更新されます。
ルール
1. これはデスゲームです。死んだ時点でゲームオーバー、つまり死です。※現実のあなたも死にます。
2. 脱出する方法はゲームクリアのみです。
3. PKはありです。
PKを一人する毎に次の特典がつきます。
◯ ボーナス経験値:大量の経験値がもらえます。
◯ ボーナススキル:ユニークスキル、エクストラスキル、ノーマルスキルの中からどれか一つをランダムで差し上げます。
◯ボーナスポイント:大量のステータスポイントがもらえます。
◯ボーナスボックス:アイテムボックスの容量が殺した人数分増えます。
PKをした人数が素数人目ごとにスキル枠の最大数を1ずつ上げます。
4. 軽犯罪は窃盗や軽い傷害です。犯罪はPK未遂やNPCの殺害などてす。重犯罪はPK行為やNPCの殺害となります。
5. 軽犯罪の場合は黄色、犯罪の場合は橙色、重犯罪の場合は赤色の水晶がアバターの頭上に出現します。
6. それぞれの解除方法は以下になります。※カルマクエスト、懺悔は教会で受けることができます。
黄色:罰金を払う。無罪を主張しlogを確認したのちそれが証明される。カルマクエストを受ける。一ヶ月たつ。
橙色:自衛行為や正当防衛を主張しlogを確認したのちそれが証明される(懺悔)。カルマクエストを受ける。75日たつ。
赤色:自衛行為や正当防衛を主張しlogを確認したのちそれが証明される(懺悔)。カルマクエストを受ける。
7. 痛覚に関しては現実の二分の一となっています。】
(何だよこのルール。まるでPKをしろって言っているようなもんじゃないか)
俺はこのルールにイライラした気持ちを抑えきれずにいた。叫びたくても声が出ず、動きたくても体が動かない。
『それト、いまきみたちはじぶんのいしでしゃべることもうごくこともできなくなってるかラ』
そう言ってばんぷきんぼーやは、ぷぷぷと笑った。
『あト、ぼくからきみたちにぷれぜんとだよ』
ボンッッ
そんな音と共に目の前に姿鏡が表れた。鏡が光ったと思った瞬間、鏡にはリアルの自分が立っていた。
『どウ?きにいってくれたかナー。みんなをげんじつとおんなじすがたにしたヨ。これからなんにちかんげーむのせかいにいるかわかんないからネー。もしげんじつにもどったときにせいしんてきにまずいんだヨ』
確かにそのとうりではあるが最悪のプレゼントだった。
『るーるはかくにんしてくれたかナー?さア、ゆうかんなぼうけんしゃたちヨ、ぼうけんのはじまりダ。はじめはみんなひとりからすたーとということデ、みんなのふれんどりすとからふれんどをけさせてもらったヨ。あト、すたーとちてんははじまりのまちのどこかかららんだむですたーとだヨ。じゃあみんナ、がんばってネー』
ぱんぷきんぼーやが言い終わると同時にまた、視界が閃光に包まれていった。
ぱんぷきんぼーやの台詞が読みにくくてすいません(^^;;