保険
掲載日:2026/04/26
大の犬好きで知られた友人が、飼い犬に高額な保険を掛けていると聞いて驚いた。
「お金で済むことなら、あの子のためにできるだけのことをしてあげたいんだ。もしあの子がいなくなったら、僕も生きてられないかもしれない。そんなこと考えただけでも気が狂いそうだ」
自分にはさっぱり理解できなかったけれど、まぁ価値観は人それぞれだと納得した。
それからしばらくして、災難なことに例の愛犬が事故にあったと聞いた。
それはさぞ気落ちしていることだろうと元気づけに会いに行ったところ、なんと犬はピンピンしており、友人にもこれといって変わった様子はなかった。
大事がなくて良かった、例の保険で腕の良い医者にでもかかれたのかと聞いたら、
「ああ、最高の医者に診てもらうことができたんだ。かかった費用は莫大だったけど、クローン保険ですべて賄えた」
友人は得意げな様子でこう続けた。
「僕に何かあってこの子がひとりぼっちになったらかわいそうだし、今度自分にも掛けておくつもりなんだ」




