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ライバル

スイートピーステークスをレコードで勝利し、オークスへ向かっていたステラマター陣営は最大の敵の研究を行なっていた。

「クラウドクイーンがどんなレースをするか、それでステラマターのポジショニングは決まるな。こっちは、3枠4枠が欲しいなどうしても。」

クラウドクイーンは、阪神ジュベナイルフィリーズを勝利後桜花賞へ直行。川村尊を背に最後方から稲妻のような末脚で最後方大外から差し切った。

「鶴崎、お前ならクラウドクイーンでどんな競馬をする? クラウドクイーンの騎乗を断ってこの馬に乗ったお前ならどう考える?」

川口がそう聞いた。

クラウドクイーンの鞍上は川村尊に戻った。理由は、鶴崎のプライドであった。クラウドクイーンは、新馬戦勝利後、札幌2歳ステーク3着、サウジアラビアロイヤルカップ2着、全騎乗川村であり、アクシデントで同期の鶴崎に回ってきた。だが、それで勝って川村の馬を奪い取るのは鶴崎のプライドに反していた。そして何より、ライバルである川村と真っ向から勝負したいという思いが強かった。川村は、506勝のG1レース3勝。鶴崎は、仲こそはいいがずっとライバル視していた。

「自分だったらできるだけ好位で競馬して最後抜け出して突き放したいですね。スピードも勝負根性もありますから。けどステラマターと自分が絶対クラウドと川村に勝ちます。」

胸を張って答えた。自信気合何もかもが過去の鶴崎とは違っていた。ステラマターとの出会いで何かを掴みかけていた。


枠順の発表当日、ずっと厩舎で待っていた鶴崎は川口から枠を聞いた。

「わりい大外の18番だわ。そして、クラウドは3枠6番。圧倒枠順の差生み出しちまった。」

絶望的である。逃げる可能性のあるステラマターにとってこの枠は厳しい。

「大丈夫っすよ。俺今回逃げる気なんてそうそうないんで。真っ向から勝負します。」

川口は、自分のくじ運のなさのフォローで行ったのか、マジなのか分からなくなった。なぜかといえば前走発言どうりに心臓に悪かったからである。

「分かった。俺はもう文句言わない。なんせ騎手出身じゃねえし。自信あるなら枠で自信ちょっと落とした俺より勝算がある気がする。」

そう言われ鶴崎は何か認められた気がした。嬉しさ、優しさ、信頼全てを受け取り鶴崎はオークスへ向かった。




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