【37-3】護 VS ボーロ:剛力と技巧の開花
一方、護とボーロの戦場は、純粋な破壊の嵐と化していた。
「おらよっ! 面倒だから、さっさと死ねや!」
ボーロが振るう巨大戦斧の一撃は、単調だが、ヴァルガスにも匹敵するほどの「質量」を持っていた。
ドォォォン!!
護が回避した場所に斧が叩きつけられ、石畳が爆発したかのように砕け散る。
破片が散弾のように護の頬を打つ。
(やべえ……! こいつ、やる気はねえみてえだが、一発一発が重てえ……!)
護は冷や汗をかきながらも、その瞳をぎらつかせた。
ヴァルガスとの絶望的な敗北。
ゼノヴィアとの回合。
それらの経験が、護の戦闘センスを強制的に引き上げていた。
(ヴァルガスの斬撃は見えなかった。けど、こいつの攻撃は……見える!)
「そらそらぁ!」
横薙ぎの一閃。
護はそれを力任せに受けるのではなく、斧の腹を『岩砕き』で斜めに受け流し、軌道を逸らした。
ガギィンッ!
火花と共にボーロの体勢が泳ぐ。
「なにっ!?」
「お返しだオラァッ!」
護が懐に飛び込み、ボディブローを叩き込む。
しかし、ボーロの腹は鋼鉄のように硬く、逆に護の拳が痺れた。
「チッ……! 小賢しいマネを!」
ボーロが本気の殺気を放ち、筋肉を膨張させる。
「おらぁっ!」
本気を出したボーロの猛攻は、まさに暴風雨。
護はいなすことはできても、決定打を与える隙がない。
防戦一方となり、じりじりと壁際へ追い詰められていく。
(くそっ……! 強い! あと一瞬、奴が隙を見せれば……!)
その時、後方で戦況を見守っていたメルが叫んだ。
「護! 今だ!」
メルが投げたフラスコが、ボーロの顔面で破裂した。
中から飛び散ったのは、強烈な粘着性と刺激臭を持つ、特製の目潰し液だ。
「ぐあぁぁっ!? なんだ、こりゃあ! 目が……目があああ!」
視界を奪われたボーロが、滅茶苦茶に斧を振り回す。
その一瞬の隙を、護は見逃さなかった。
全身の闘気を練り上げ、右腕に集中させる。
ゼノヴィアの教えが、脳裏をよぎる。
『火薬に、火をつける』
「うおおおおおおおっ!!」
赤黒い闘気が爆発的に膨れ上がる。
「《漢の一撃・磐座クラッシュ!》」
ドゴォォォォォォォン!!
護の渾身の一撃が、ボーロの戦斧ごと、その胸板を粉砕した。
ボーロの巨体が砲弾のように吹き飛び、ダンジョンの壁にめり込んで沈黙する。
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