【37-1】衛兵団の視点:崩れ去るプライドと、蹂躙
『色彩の地下回廊』の入り口前。
護たちがダンジョンに足を踏み入れてから、しばらくの時間が経っていた。
衛兵たちは持ち場に戻りつつも、先ほどの模擬戦の衝撃からいまだ立ち直れずにいた。
「チッ……あの浪人め、どうせ何か汚い手を使ったに違いねえ……!
そうでなければ、この俺の剣が、あんな簡単に……!」
副衛兵長のライナスが、割れた自身の剣を忌々しげに見つめながら悪態をつく。
一方、衛兵長バルトールは、護の圧倒的な力を思い出し、部下たちに檄を飛ばしていた。
「貴様ら、聞いたか! あの小僧、冒険者になりたての新人だそうだ! それであの強さだ!
それにひきかえ、貴様らはどうだ! 日々の訓練を怠ってはいないか!? 我々も、一から鍛え直すぞ!」
「「「はっ!!」」」
部下たちの士気が、新たな熱を帯びる。
その時だった。
二人の、異様な風貌の男が、ダンジョンに向かって歩いてくるのが見えた。
「おい、貴様ら、何者だ! ここは、ウィンズレイ侯爵閣下のご命令により、現在、立ち入り禁止となっている! 速やかに立ち去れ!」
バルトールが、威厳のある声で警告する。
しかし、二人の男――細身で神経質そうな男と、巨大な斧を担いだダルそうな男は、バルトールを完全に無視し、任務の確認を始めた。
「おいボーロ、さっさとゴーレムの核と顔料を回収して帰るぞ。面倒なことになる前に終わらせたい」
「へいへい、分かってますよ、ゼーロス隊長……。あー、だりぃ……。腹も減ったし、さっさと終わらせて、美味い飯でも食いに行きましょうぜ」
完全に無視されたバルトールは激昂する。
「聞いているのか、貴様ら! それ以上一歩でも動くというなら、実力行使で排除させてもらう!」
その言葉に、ゼーロスと呼ばれた細身の男が、心底うんざりしたように、深いため息をついた。
「……これだから、下等な人間は頭が悪くて困る。大人しくしていれば、見逃してやったものを……」
数分後、ダンジョンの入り口は、血の海と化していた。
衛兵たちの死体が、まるで壊れた人形のように、無残に転がっている。
かろうじて息のあったバルトールが、「そん、な……馬鹿、な……」と呻く。
「ああ? まだ生きてたのか。しぶとい奴だな」
ボーロが、面倒くさそうに、その巨大な斧を振り下ろす。
ズシャッ
バルトールの体は、赤子のように、あまりにもあっけなく真っ二つに引き裂かれた。
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