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『Transients』〜異世界で筋肉無双してモテたい!〜  作者: NewSankin
第一章

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【36-2】立ちはだかる『壁』と、実力の証明

馬車がダンジョンの前に到着すると、そこには侯爵家の紋章を掲げた屈強な衛兵たちが、厳重な警備網を敷いていた。

リチャードの馬車が到着すると、衛兵たちは一糸乱れぬ動きで整列し、敬礼する。

リチャードが、一際大きな体躯を持つ衛兵長に、護たちのことを説明した。


「バルトール隊長、ご苦労。この方々は、私の娘を救ってくれた、腕利きの冒険者たちだ。

このダンジョンの調査を、彼らに任せたい」


しかし、衛兵長バルトールは、護たち、特にその若すぎるメルの姿を一瞥すると、露骨に侮蔑的な表情を浮かべた。


「侯爵閣下、お待ちください!

 先日、このダンジョンの調査に向かった、ギルドのBランク冒険者パーティーですら、消息を絶ったのです! 

これ以上、ダンジョンを荒らされるわけにはまいりません!」


「バルトール、口を慎みたまえ。彼らは、私の恩人だ」


「失礼を承知で申し上げます! 冒険者など、所詮は金で動く信用の置けない傭兵崩れ!

 前回の者たちも、危険を察知して、任務を放棄して逃げ出したに違いありません!」


バルトールの言葉に、護の眉がピクリと動く。


「もし、どうしてもと仰るのであれば、まず、その実力を、我々に見せていただきたい!

 そうでなければ、一歩たりとも、この先へは通しませんぞ!」


護が、一歩前に進み出た。


「面白い! いいぜ、おっさん! 俺たちの実力、見せてやるよ!」


「ほう、威勢だけはいいようだな、小僧。貴様のような若造が、この俺を倒せるとでも?」


「倒せるかどうかは、やってみなきゃ分かんねえだろ? それとも、怖いのか?」


護の挑発に、バルトールの顔が怒りで赤く染まった。


まずは、護と衛兵長バルトールの試合が始まった。


「小僧、聞いて驚くな! 俺は、かつて王都の武術大会で優勝し、あのゼノヴィア長官からも、直々にスカウトされたほどの男だぞ! その実力、その身に刻みつけてやる!」


バルトールは、全身から淡い闘気を立ち上らせると、巨大なバスターソードを護めがけて振り下ろす。

しかし、護は、その渾身の一撃を、戦斧『岩砕き』で、片手で、いともたやすく受け止めてしまった。


「なっ……!? 馬鹿な!」


「どうした、おっさん! そんなもんかよ! ゼノヴィアの姉御にスカウトされたって話は、嘘だったのか?」


護の挑発に、バルトールは「黙れ!」と叫び、何度も、何度も、両手でバスターソードを振り下ろすが、護は一歩も動かず、その全てを受け止め続ける。

やがて、バルトールは肩で息をし始め、ついに膝から崩れ落ちた。


「はぁ……はぁ……馬鹿な……! こんなはずでは……!」


護は、そんな彼を一瞥すると、近くにあった馬車ほどもある大岩に向き直る。

そして、まだ不格好な、しかし、以前とは比較にならないほど凝縮された闘気を斧に纏わせると、一閃。


ズンッ!


大岩は、綺麗に真っ二つに断ち割られた。


「……これで、いいか?」


その、あまりにも規格外な光景に、衛兵たちは言葉を失う。


次に、カゲロウと、衛兵団一の剣の腕を持つという、副衛兵長ライナスの試合が始まった。


「隊長は、パワーだけの猪武者だからな。本当の実力ナンバーワンは、この俺だということを、教えてやる、浪人!」


イキリ散らすライナスに対し、カゲロウは、新たな愛刀『夜叉』を抜きもせず、ただ静かに、居合の構えで彼を見据えている。


「……来ないのか? それとも、俺の姿に怖気づいたか?」


カゲロウの、あまりにも侮辱的な一言に、ライナスは逆上し、全力で斬りかかろうとする。


「なめるなよ、クソがぁ!」


しかし、彼が剣を振り上げた瞬間、そこに、もうカゲロウの姿はなかった。

気づいた時には、カゲロウは彼の背後で、静かに刀を鞘に納めていた。


「……勝負、ありだな」


護が呟く。


カキン、


と軽い音を立てて、ライナスの身につけていたプレートアーマーの胸当て部分と、その剣が、綺麗に断ち割られて、地面に落ちた。

リチャードが、呆然としながらも、試合終了の合図を出す。


護とカゲロウの、圧倒的な実力を目の当たりにしたバルトールと衛兵たちは、先ほどまでの侮蔑的な態度を改め、護たちに、心の底からの敬意を込めて、敬礼した。


「……申し訳なかった。我々の目が、曇っておりました。

どうか、このダンジョンの調査、そして、冒険者の捜索を、よろしくお願いいたします!」


そして、リチャードが、自らも軽鎧を身につけ、剣を手に、一行の前に立つ。


「わたくしも、同行させていただきたい。領主として、この地の異変を、自らの目で見届けねばならん。

 それに、このダンジョンの古いギミックについては、わたくしが一番詳しい」


衛兵たちの制止を振り切り、彼は、護たちへの信頼と、領主としての覚悟を示した。

お読みいただきありがとうございます!


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★更新予定 毎日19時に更新します。ストックはあるつもりなので、安心してお付き合いください。

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