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『Transients』〜異世界で筋肉無双してモテたい!〜  作者: NewSankin
第一章

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【35-2】美食のセッションと、新たな依頼

「それで、お父様。わたくしがおりませんでした間、領地に変わりはございませんでしたか?」


アリアの問いに、リチャードの顔が曇った。


「実は、一つ問題が起きている。我が領地の東にある、古代の『色彩の地下回廊』の様子がおかしいのだ。

これまで報告のなかった、凶暴な魔獣や、見たこともないモンスターが出没し、

先日、調査に向かったギルドのBランクパーティーが、消息を絶ってしまった……」


その話を聞いた護は、即座に立ち上がった。


「よし!分かった! 俺たちが、そのダンジョンを調べてきてやる!」


「待て、脳筋! 君は、少しは休むということを考えたらどうだ!」


「だってよ、このまま帰ったら、後味が悪いじゃねえか。それに、乗りかかった船だ。

 困ってる奴らがいるなら、助けるのが、俺たちの役目だろ!」


話がまとまったところで、一行を歓迎するための、盛大な晩餐会が始まった。

護の前のテーブルには、次々と豪華な料理が並べられていく。


「うめぇー! この肉、なんだ!? めちゃくちゃ柔らかいのに、噛むと肉汁がジュワって……!」


護が、仔牛のローストを頬張りながら叫ぶ。


「坊主、気に入ったか! それは、生後六ヶ月のミルク・カーフのフィレ肉を、低温でじっくりとローストしたものだ!」


厨房から、恰幅のいい料理長が、誇らしげな顔で出てきた。


「おっちゃん! このソース、最高に美味いんだけど、ほんの少しだけ、

岩塩を足して、黒胡椒をほんの少しだけ振ってみてくれ!

 そしたら、肉の甘みが、もっと引き立つはずだ!」


護の、あまりにも的確なアドバイス。料理長の目が、カッと見開かれた。


「……面白い! 坊主、お主、ただの大食らいではないな!

 よし、分かった! わしの、次の一皿、受けてみろ!」


料理長の闘志に、火が付いた。

次に出てきたのは、七色に輝く魚のポワレ。


「うおお! 綺麗で、うめえ! 皮はパリパリなのに、身はとろけるようだ!

 ……この魚、火を通す前に、ほんの数分、柑橘の汁に漬け込んでみ!

 そうすりゃあ、この魚が持つ、ほんの少しの泥臭さが消えて、もっと上品な味になるはずだ!」


「なっ……! こいつ、この『虹鱒レインボー・トラウト』の、わずかな臭みまで見抜いたというのか!?」


シェフたちは、驚愕する。

その後も、護と料理長たちの、料理を通した真剣勝負が繰り広げられた。

護が感想を述べ、それに触発されたシェフたちが、さらに高みを目指した一皿を提供する。

その光景は、もはや食事ではなく、一つのセッションのようだった。

そして、最後の一皿を食べ終えた護は、満足そうに腹をさすると、深々と、料理長に頭を下げた。


「おっちゃん、ごちそうさま! 今日の飯、最高に美味かった!

 もしよかったら、レシピ、教えてくれねえか!

 俺も、仲間たちに、こんな美味いもん食わせてやりてえんだ!」


その、どこまでも純粋な言葉に、料理長は、料理人として最高の賛辞を受け取った気がして、涙ぐみながら、何度も頷いた。

お読みいただきありがとうございます!


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★更新予定 毎日19時に更新します。ストックはあるつもりなので、安心してお付き合いください。

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