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『Transients』〜異世界で筋肉無双してモテたい!〜  作者: NewSankin
第一章

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【34-1】船の危機と、三者三様の旅立ち

ギルド本部での騒動から一夜明け、護たちが仲間たちの待つ船『最強!スーパーガーディアンズ号』に戻ると、甲板は活気に満ちていた。

アリアの的確な指示のもと、老航海士ギデオンや解放された船員たちが、生き生きとした表情で船の損傷箇所を点検している。


「船長! お待ちしておりました!」


ギデオンが三人の姿を認め、駆け寄ってくる。


「おう、ギデオン!心配かけたな! 船の調子はどうだ?」


護が尋ねると、隣にいたアリアが、深刻な顔で報告を始めた。


「皆様、お揃いですね。船の状態ですが……芳しくありません。

これまでの度重なる無茶な航海のせいか、マストだけでなく、船体の骨格である竜骨にまで、深い亀裂が入っていました。このままでは、次の航海は絶望的です」


「なんだと!?」


「腕利きの船大工と、竜の鱗を混ぜ込んだ特殊な強化木材が必要です。ですが……」


アリアが言いよどむ。メルが、その言葉を引き継いだ。


「ギルドから支払われた報酬だけでは、資金が全く足りない……。そういうことだな?」


アリアは、申し訳なさそうに頷いた。

パーティーは、次なる目的地を前にして、あまりにも現実的な「資金難」という問題に直面した。


「金がねえなら、稼げばいいだけだ!」


重苦しい空気を、護の能天気な声が打ち破った。


「話は簡単だ! 俺がギルドでひとっ走り、ドカンとデカい仕事を見つけてくる!」


その単純明快な答えに、メルとアリアは呆れ顔だ。

しかし、カゲロウが静かに口を開いた。


「……俺は、少し見たいものがある。別行動させてもらう」


彼の脳裏には、ヴァルガスに己の刃が全く通じなかった、あの屈辱的な光景が焼き付いていた。


「おい、カゲロウ! 君まで勝手な行動を……!」


メルが咎めようとするのを、護が制した。


「いいじゃねえか。カゲロウにも、何か考えがあるんだろ。なあ?」


「……ああ」


カゲロウは短く答えると、一人、船を降りていった。 メルは深いため息をつくと、アリアに向き直った。


「仕方ない。ボクはアリアと、今後の航路や、より詳細な資金計画を練る。

脳筋が、せっかく稼いできた金を、変なことに無駄遣いさせないためにもな」


「はい、メルさん! お任せください!」


アリアも、頼もしそうに頷く。

こうして、三人はそれぞれの目的のため、リベルタリアの街へと、一時的に散っていくことになった。

お読みいただきありがとうございます!


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