表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Transients』〜異世界で筋肉無双してモテたい!〜  作者: NewSankin
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/169

【28-2】船乗りたちの矜持

試合直前、『最強!スーパーガーディアンズ号』の船内。 護たち三人、アリア、そして船員たちが集まり、作戦会議を開いていた。


「よし! 作戦はこうだ! 俺が海に飛び込んで、相手の船の底に穴を開ける!」


護が自信満々に提案する。


「却下だ!」


メルが即座に叫んだ。


「君がサメにでも食われたらどうするんだ! 

第一、そんなことをしている間に、こっちが蜂の巣にされるに決まっているだろう!」


護の脳筋作戦は、秒速で棄却された。 しかし、船での戦いはメルにとっても門外漢だ。

有効な作戦が立てられず、天才少年(少女)も頭を抱える。


「くっ……! どうすればいい……。あの船、明らかにこちらより速力も火力も上だ。

正面から撃ち合えば、一瞬で海の底だぞ……」


その時だった。 元奴隷の船員たちのリーダー格である、老航海士のギデオンが、静かに口を開いた。


「……船長。この戦い、わしらに任せてもらえんかの?」


護は振り返る。 ギデオンの自信に満ちた目に、自分と同じ「漢」の光を見て、護はニカっと笑った。


「おう! どういうことか、聞かせてくれよ、ギデオン!」


ギデオンは、相手の『クリムゾン・バイパー』を指差す。


「船長。奴らの船は、確かに速そうだ。だが、見てください。あの停船の仕方。

風向きも、潮の流れも、全く計算に入れとらん。

あれでは、いざという時の急な方向転換はできんですたい。

わしらなら、この船でも、あの最新鋭の船を赤子の手をひねるように、翻弄できます」


その言葉には、長年海と共に生きてきた、船乗りとしての確かなプライドが宿っていた。 護は大きく頷く。


「すげぇじゃねえか! よし! 分かった! お前らに、この船の全てを任せる! 

俺たちは、お前らを信じるぜ!」


第一回戦の海域。 ドォォン!! 試合開始の合図となる花火が上がった。


「撃てぇ! あのオンボロ船を、海の藻屑にしてやれ!」


相手の海賊団は、開始早々に大砲を撃ち込んでくる。 だが、ギデオンの指示を受けた操舵手ダグラスが舵を切ると、護たちの船はまるで波の上を踊るようにスライドし、全ての砲弾を回避してみせた。


「船長! やっぱりお相手さんは、ズブの素人ですよ! 

あんな撃ち方じゃ、カモメ一羽落とせやしねえ!」


ダグラスが楽しそうに叫ぶ。


「魔法使い! 何をやってる! 火球で帆を燃やしちまえ!」


相手の船から火球が放たれるが、風を読む船員たちの的確な操帆によって、それらもことごとく空を切る。


「風向きが変わった! 帆を半開きにしろ! 一気に回り込むぞ!」


ギデオンの檄が飛ぶ。 船員たちは阿吽の呼吸でロープを操り、船は信じられない角度で急旋回した。

相手が焦って無駄弾を撃ち尽くしていく中、護たちの船は悠々と死角である真横に回り込む。


「船長! 今です! 奴らの腹は、がら空きですぜ!」


「おう! 野郎ども、ぶっ放せ!」


護の号令と共に、数発の大砲が放たれた。


ドガァァン!


狙い過たず、喫水線へ正確に着弾。 船体に穴を開けられた相手船は、瞬く間に航行不能となった。

護、カゲロウ、メルの主力三人は、甲板からその光景を眺めているだけで、出番すらなかった。


「すげぇじゃねえか、お前ら! 完璧な操船だったぜ!」


護は、歓喜に沸く船員たちを心の底から賞賛する。


「いや……船長が、わしらを信じて、自由にやらせてくれたおかげです」


ギデオンは誇らしげに、しかし少し照れくさそうに答えた。

お読みいただきありがとうございます!


もし「面白そう!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、 ページ下の【☆】マークから評価や、ブックマーク登録をしていただけると、作者のモチベーションがマッハで上がります! (感想もお待ちしています!)


★更新予定 毎日19時に更新します。ストックはあるつもりなので、安心してお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ