表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Transients』〜異世界で筋肉無双してモテたい!〜  作者: NewSankin
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/166

【26-2】囚われの少女と、海賊コロシアム

「さて、まずは情報収集だな」


カゲロウの言葉に、メルも頷く。


「この街で、最も情報が集まる場所…。こういう無法地帯の定石で言えば、やはり酒場だろうな」


三人は、港でひときわ大きく、そしてひときわ騒がしい酒場『セイレーンの歌声亭』へと足を踏み入れた。中は、世界中の荒くれ者たちが、酒を飲み、賭博に興じ、喧嘩をする、カオスな空間だった。メルの眉間に、深い皺が刻まれる。


「…空気が悪い。一刻も早く、ここから出たい」


「まあ、そう言うなよ。腹が減っては戦はできねえってな!」


護は、そんなメルの様子も気にせず、カウンターで巨大な骨付き肉の塊を注文した。


三人がカウンターで情報を探っていると、店の奥の薄暗い路地で、数人の海賊が、一人の小さな少女を取り囲んでいるのが目に入った。


「おい、嬢ちゃん。一人かい?俺たちと、いいことしようぜぇ」

「ひゃはは!こいつ、なかなかの上玉だぜ!高く売れそうだ!」


下卑た笑い声。少女は、恐怖に震えている。


「おい、てめえら。女の子相手に、何してやがる」


護が、地を這うような低い声で割って入る。


海賊たちは「よそ者がでかい顔してんじゃねえ!」と襲いかかってくるが、護とカゲロウに一瞬で伸されてしまう。


助けられた少女、アリアは、震える声で語り始めた。


「あリがとうございます…。わ、わたくしは、アリアと申します…。数日前、家の庭を散歩していたら、急に布を被せられて…気づいたら、暗い船の中に…。そして、この街に連れてこられて、さっき、変な男の人に売り飛ばされそうになったところを、勇気を振り絞って、逃げてきたのです…!」


彼女は、護とカゲロウの、いかにも「海賊」然とした風貌を見て、再び怯えてしまう。


「ひっ…!」


その様子を見たメルが、アリアの前に立ち、優しく声をかけた。


「大丈夫だ。ボクたちは、君の敵じゃない。

この脳筋と、そこの根暗は、見た目は怖いが、悪い奴らじゃないから、安心しろ」

「…うん」


メルの言葉に、アリアは少しだけ落ち着きを取り戻した。


そして、彼女は船に閉じ込められている間、すぐ近くの部屋から、「毎晩、恐ろしい獣のような呻き声が聞こえてきて、怖かった」と、重要な情報を漏らす。


その言葉に、メルとカゲロウの目が光った。「魔物の裏取引」と「獣の呻き声」。自分たちが追っている海賊船である可能性が、一気に高まった。


アリアの情報と、カゲロウが集めた情報を元に、三人は港に停泊している、一隻の不審な大型ガレオン船を特定した。しかし、その船の周りには、おびただしい数の海賊たちがたむろしており、近づくことすらできない。


近くで酔っ払っている海賊に話を聞くと、彼は上機嫌で教えてくれた。


「おう、兄ちゃん!あれは『ブラック・クラーケン号』!

今夜、あの船に乗るための、『海賊コロシアム』の出場権をかけた、予選バトルロイヤルが始まるのさ!」


護が詳細を聞くと、海賊はゲラゲラ笑いながら答える。


「優勝すりゃあ、金と女と名誉が手に入る!

そして、その褒美は、あの『ブラック・クラーケン号』の船上で、船長直々に渡されるってわけよ!」


「よし、決まりだな!その『海賊コロシアム』ってのに、俺が出てみるぜ!」


「待て、脳筋!まさか、金と女という言葉に釣られたわけじゃないだろうな!?」


メルの疑いの眼差しに、護は慌てて否定する。


「ち、違うわ!よく考えろよ!優勝すりゃあ、あの船に、堂々と乗り込めるんだぞ?

そこで、モルゴーに繋がる手がかりを探せばいい!

これ以上に効率的な潜入方法が、他にあるか!?」


その、あまりにも正論で、かつ護らしくない「合理的」な意見に、メルとカゲロウも納得せざるを得なかった。

お読みいただきありがとうございます!


もし「面白そう!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、 ページ下の【☆】マークから評価や、ブックマーク登録をしていただけると、作者のモチベーションがマッハで上がります! (感想もお待ちしています!)


★更新予定 毎日19時に更新します。ストックはあるつもりなので、安心してお付き合いください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ