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金なら(なぜか)ある。時間はない。


盾を自作する時に、もしかして丸太を薄く輪切りにすれば盾になるんじゃないかなとやってみることにした。


≪丸太の小盾?≫

防御力+4 耐久値20/20

丸太を切っただけの盾?取っ手くらいは付けよう


はいスイマセンでした。


≪丸太の小盾≫

防御力+4 耐久値30/30

丸太を切っただけの盾


うん。できた。

取っ手は糊で付けただけだけどそれでいいらしい。そもそも商店に接着剤系が糊しか売ってないのだからこれでいいのだろう。

あとはこれを量産すればいいんだな?


休日一日がかりで量産すると、ようやくシールの数値が1上がった。


«精霊盾 シール»

防御力9 rank E

低級精霊の盾


計算では250枚で+1かな。休日使ってあげる数値じゃない気がする。隙間時間にやる作業だな・・・

おかげで木工がすでにLv5になった。これくらいになると工作速度が上がったのがわかる。最初よりも思ったところに刃を入れられるようにもなった。


「お疲れさんー。そんな端材でよければいくらでも持ってっとくんな」

「はーいありがとうございます。あ、またノコギリ借りにきますねー」


本日は井戸の近くの作業場には人がいたので、いろいろと道具類を借りてしまった。彼らは木こりや木材関係の職人たちだ。いつもは街の工場で働いているが、週に一度はこうして乾かした木材を取りにくるのだそうだ。


木にもいろいろあるらしく、盾に使うなら加工のしやすい木材よりも硬い方がいいのではないかと言われた。

硬いと切るのが大変そうだけども。もっと木工が上がればスイスイ切れるようになるのかもね。そうなったら考えよう。


ついでに拾った枝を整えて紐を張ったのがこちら。


≪枝の弓≫

攻撃力+3 耐久値10/10

枝に紐を張っただけの弓


簡単作業の割にはそこそこの性能がある。これもたくさん作っておこう。




アイドルグループを支援するために何ができるか。自分ならかわいい衣装で応援したい!

ということで衣装の素材を得るためにマップを徘徊することにした。欲しいのは布素材と染料素材だ。


カイナ町の南は岩場と荒れ地だ。植物のモンスターや虫のモンスターが多い。どれもウサギより弱いので問題ない。ドロップ品や荒れ地に生えてる草花を採取していく。岩場だし、たぶん採掘をすれば鉱石とか手に入るんだろうけど・・・そのためにはツルハシとか道具がいりそうなので後回しにする。東マップも見ておきたいし。


東はまた草原だ。こちらはスライムやふわふわした生き物がいる。モンスター・・・なのかこれ?スライムもふわふわもやたら可愛らしくほとんど攻撃してこないのだ。なんだこの癒し空間は。癒されたい人が多いのか人気の狩場?である。

うむ。

このふわふわ、稀に『綿』というアイテムを落とす。コットンである。


水魔術で狩っていたが、火魔術で狩ってみるとこれが効率がいい。火に弱いのもあるようだが、燃えてる草原にリポップしたふわふわが勝手に焼け死ぬのだ。


野焼き。してみました。

自分が火にまかれないように風上から火付けしていく。

火が移動していった後には色々なアイテムが落ちていた。『綿』『スライム液』『皮の帽子』『皮の靴』『銅の剣』『木の盾』『石の矢』『木の実』『薬草』そしていっぱいのお金。


「わーい」


よし逃げよう。これは事故なのだ。肉?そんなものはない。見てはならぬ。SUN値が減る!


レテの能力で町に戻ったわたしは綿の加工をしてくれそうな店を探して商店通りをうろつく。

途中で鬼気迫る表情で東に向かう冒険者集団とすれ違ったが、知らない人たちだ。かかわらんとこ。


商店では糸巻き機や布や服を売っていた。左の物ほど安い。

わたしは『綿』を売って布を購入した。ちょうど手元に大金が入ったし。けちる理由はないよね。

染料も露店で発見できた。店主に聞くとやはり採掘や花の採取で染料の素材を集めるのだと言う。

しかし流石MMO。わたしがやらなくても誰かがやる。そして大事なのは金銭だね。南で集めた染料の素材と思わしきアイテムも染料屋の店主に快く引き取ってもらえた。

これが分業というやつか。


わたしは布を裁縫する。

その布を作るのはまた別の人であり、染めるのも別の人であり、そして着るのも別の人なのだ。


歯車の一つにはまっているいるなぁと思いつつ、ストレスがないのはなぜだろう?きっと好きなことのためだからだ。

ふひひ。布素材も染料も確保できたのであとはデザインを待つばかりである。

待ってる間にちょこっと布と毛皮で裁縫スキルのレベル上げでもしておこうかな。




おっきなぬいぐるみができた。中身は綿。再び東で『綿』を狩ってきたのである。水魔術が良く育った。



≪大きなウサギのぬいぐるみ≫

呪われたぬいぐるみ 耐久値200/200

犠牲になった者たちの怨嗟が詰まっている

依代があれば動き出す



解せぬ。中身はピュアピュアな綿のはずなのだが、もしかして怨嗟とやらがドロップ品にではなく東の草原に溜まっていたのでは・・・?

依代ってなんだろう。

教えてレテせんせい!


”依代”とは木札で造った人形(ヒトガタ)のこと。呪術師系のスキルで人形(ヒトガタ)に怨嗟を閉じ込め、主となる者の血で呪を描けばできあがる。

その依代を人形(ぬいぐるみ)にいれることで簡単なゴーレムが造れるのだそうだ。


「面白いね!」


呪術師はどこにいるのかな。弟に相談すれば紹介してもらえるかもしれない。

その前にもう一点、推しの好きな動物を聞くところから始めよう。




「きゃー!かわいいよぉ!」

「あーん ふかふかですわっ」

「はうぅ。幸せです・・・」


推しの三人が自分と同じくらいの大きさのぬいぐるみに抱き着いてほぇほぇしている。にゃぁ眼福じゃぁ


みぃたはピンクのウサギぐるみ

マユラはオレンジのライオンぐるみ

花風は水色のサンショウウオぐるみ


ぬいぐるみたちは主である彼女たちを受け止め、優しく抱き返している。

自立して動くぬいぐるみである。

サンショウウオぐるみってなんだ。マニアックだなぁ


「お姉ちゃんありがとう!」


喜んでくれてうれしいです。

SS(スクリーンショット)いっぱい撮ったので後で三人にあげよう。


「これは撮れ高たかいですわね」

「衣装と一緒に発表すれば注目されると思います・・・」


戦闘にもつれていけるぬいぐるみらしいので、三人のダンスに参加させることもできるだろう。ぜひとも試してみてほしい。


「シィ姉はイベント期間中は何してるの?衣装作れないかなぁ?」

「ん?イベント?」


聞けば今はイベント期間中なのだとか。全然知らなかったよ!

カイナ町周辺のアイテムドロップ率と生産による作成物に大きな補正が入るらしい。ぬいぐるみが縫いやすかったのもそのおかげか。


”ポーション作りや食べ物作りをやってみよう☆”というキャンペーンなので運営が何をさせたいのか透けて見える。品物がなくて値段が高くなってるって話しだからね。

そして衣装を作るなら補正の入るイベント期間中がいいってことだ。


デザインはできている。今もらった。

あとは時間だけなのだが───

有給あって良かったね!ログアウトして上司に連絡いれてくるよ!


だいぶプリプリしていたのでツールをOFFにしておいた。これで心置きなく作業に没頭できる。



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