表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/51

妹の推しになりました!


※STRにペナルティーを受けました

※100G落としました

「また死んだー!また下がったー!」


ひどいな。STRはなんでそんなに下がりたいのか。STRしか下がらない呪いとかあるのか。


「くそう。あのクソ美形エルフめ。今度見つけたら仕返ししてやろう」


あのエルフの言いがかりのせいで殺されたのだ。ステが下がり、お金も落とし、怖いので回収にもいけず、解体スキルも教えてもらえなかった。

いいことなしである。

全部あのエルフが悪い。

絶対仕返しする。泣いて謝るまで許してやらんぞ。


ともあれ、お金が心もとない。下がったデスペナを解除するためのお金さえないのだ。どうにか懐事情を改善しなければならない。


「ウサギ肉を売るか、もしくはモノを作って売るしかないな。西に行くか」


カイナ西にしか行ったことがないので別の所でもいいかもしれない。


北に行くと木が生えている。

森だ。

マップ名は”カイナ北”から木々の中に入って”カイナの森”へと変わる。木があるなら木工が活きそうだ。


「おー森林浴~」


落ち込んだ気分が解消される。緑は精神安定に良いのだ。


「お、おっきなリス!さてはモンスターだな!」


モンスターでした。わたしの周りをトテトテと走り、ピタっと止まるとどこからか木の実を取り出して投げてくる。

近づこうとすると距離をとられる、厄介そうな奴だ。

けれど私には弓がある。

木の実をシールではじきながらユエに矢をつがえて放つ。


7


おお、良いダメージ。

リスは矢を二回当てればすぐに倒せたのでした。


「ウサギよりHPがないな。こっちが適正狩場かなぁ」


ウサギは格上感あったのでたぶんそうだろう。一撃死させられる狩場は明らかにおかしかったよ。


※???を倒しました

※回復の実


落としたのは木の実だ。回復アイテムっぽい。これはありがたいのでもうちょっと集めておこう。

ついでに所々に落ちている枝や倒木も拾っていく。わたしより大きな倒木も入るアイテム欄さんには感謝したい。


「あ、実がなってる。こういうのも採っていいんだよね」


回復の実がたくさんなっているいる木を見つけたので登って集めていく。

木の実がいっぱいだ♪

次の木はないかとあたりを探すと別の生き物がいた。

大きな蝶々だ。


「モンスターかなぁ。でも寄って来ないぞ?」


蝶はひらひらと森の中を飛んでいるが、わたしに興味がないのか近づいてこない。けどマップでは赤ポチだ。


「うーん、モンスターだと思うんだけどなぁ。・・・いいか」


気にしないことにした。わたしは別の何かを探すことにする。

その後リスを二匹倒した後にまた別の生き物を発見した。

胸の大きなハトだ。

ハト胸。それにしても大きい気がする。

狙いやすい胸に矢を放つ。


7


一射目で地面に落ちたハトにもう一回矢を放てば、あっけなく倒すことができた。


※???を倒しました

※鳥のササミ肉


「ササミ肉~♪」


鳥ササミは好きだ。もうちょっと狩り集めたい。

その日はしばらくカイナの森を動き回った。





「矢がなくなってしまった・・・」


使えば壊れるのがこの世界のルールである。

矢がなければ弓は無用の長物となる。

買うか 作るかだ。


「作ろう」



町に戻り、集めた木の実や肉を売る。そして小刀と金物のやすりを購入してきた。

場所は馴染みの井戸のそばだ。切り株もあるのでそこに腰を下ろして道具を広げる。


「さて、木工ってどうすればいいのかな?」


スキル使いたいなーと意識しながら木の枝を手に取る。うーん、勝手に処理してくれたりはしないのか。

材料があれば選択肢が出て加工してくれるようなゲームではないらしい。

ならばと小刀を手に、枝を整えていく。葉を落としいらない枝や節を整え、矢の胴体部分を作ってゆく。次に矢じりだ。これも木で作る。石とか加工できないしね。


「あ、羽根の所はどうしよう・・・木?うーん」


木で造ったとしても接着しないとだめだろう。

そもそも木で作ってしまうと重さの問題がある。バランスが悪ければうまく飛ばない。

うむぅ。そだ、聞いてみよう。

今のわたしには聞ける人がいる。そう弟──ではなくレテである。


「レテレテー」


呼び出して聞けばどうやら羽根は鳥型モンスターからドロップするらしい。あれ?何羽かハトを倒したけどドロップしなかったよ、と思えば、やはり『解体』のスキルがないせいだと言う。くそうあのエルフめ。いつかしばく


『解体』は冒険者ギルド以外にもスキルポイントを消費して自分で覚えることもできるらしい。スキルを認識していれば取得欄に出てくるので取ってね、とのことだ。

今重要なことを言った。

認識していれば出る。

勝手に出るわけではない。

おおん?。これ、実はそうじゃないかなーと思う例がすでにあるよね?

モンスターの名前である。

こちらがウサギだ、リスだと認識していても、戦闘後のログには???としか表示されない。きっときちんとした名前を知らないと???が消えないのだ。

聞けばその通り、『魔物知識』がいるらしい。そして今わたしは『魔物知識』のスキルを知ったことで取得の選択肢に増えたわけである。


スキルの選択肢を増やすにはどうすればいいのか。

ギルドの書棚や町の図書館に行けばいいらしい。なるほどなるほど。時間があるときにでも行けばいいだろう。それにわたしにはレテがいる。雑談のついでにでも色々気になることを聞いて教えてもらえばいいのだ。


たとえばMPが減ってHPがなくなることがあるんだけど、なんとかならないかな?

と聞けば『魔素消費減少』や『魔素治癒力』が良いとか。

弓がうまくなりたいんだけど

と聞けば属性矢を覚えたり『遠矢』や『集中』『一発必中』が良いとか。

一発必中があるなら百発百中もありそうだね、と話すとあるのだそうだ。


うふふ。取りたいスキルが多くて大変です。スキルポイントどんだけいるのやら。

今のわたしのスキルポイントが8点。初期に5点あってあとはレベル1ごとに1ポイント増える感じかな。


剣 1

槍 1

斧 1

杖 1

格闘 1


一発必中 5

百発百中 5



火魔術 1

水魔術 1

風魔術 1

土魔術 1

木魔術 2

光魔術 2

闇魔術 2

治癒魔術 2


栽培 1

鍛冶 1

彫金 1

料理 1

交渉 1

演奏 1

俊足 1

集中 1

遠矢 1

回避 1

隠れる 1

魔力制御 1

魔素消費減少 3

魔素治癒力 3

魔物知識 1

解体 1

水泳 1

乗馬 1

歌唱 1

旅歩き 1


覚えられるスキルのリストはこんな感じ。後ろの数字が必要なポイントだ。

キャラ作成時に見たスキルリストと同じだ。ハーフエルフはこの選択肢が多かった。図書館に行けば数のアドバンテージなんて無いようなものだろうけれど。


火魔術 1

水魔術 1

集中 1

遠矢 1

魔素消費減少 3

解体 1


こんなとこかな。他にも色々取りたいけどポイントが足りないし、溜まったら取っていこう。



名前 シィリエ «銀色の月»

種族 ハーフエルフ

職業 狩人

年齢 15


・スキル

弓Lv2

弓精霊Lv2

盾精霊Lv2

火魔術Lv1 火矢

水魔術Lv1 水矢


・スキル

裁縫Lv1

木工Lv1


・スキル

遠矢 野駆け 解体 集中 鷹の目 魔素消費減少 精霊の友



うんうん良いね。早速試し打ちに・・・と行きたいところだけど矢はどうするか。魔術矢でいけるかな。


行ってみた。

あやうく森林火災になるところだった。あぶねー

水魔術取っておいてよかったよ・・・


「うん。矢はいらないな。魔術があればしばらく困んないでしょ」


なんたって攻撃力が高い!ダメージが倍くらい違う!

そして消費するのはMPだけなのだ。空っぽの矢筒なんてアイテム欄にしまいっぱなしである。

あれ?弓も盾も矢も装備してない。何も持ってないのに戦える冒険者になっている。

そこのところは思ってたゲームとは違うが、まぁいいか。面白いから問題ないな。


MPの消費が減ったおかげでユエやシールを出す時間が短ければほとんどMPの消費を考えなくてもすむ。まぁ一射か二射で倒せるモンスター相手なら、だけど。

出したりしまったりも手間がかからないため苦労ではない。むしろ重みがないために快適ですらある。


やー、精霊武器当たりでは?いいわー楽だわー


まぁ育たないので先のマップに進んだ時にどうなるか。店売りの武器の性能にほぞを噛むことになるだろう。


・・・木工で弓と盾を作っておこうかな。自作の武器でも食べさせられるでしょ。


解体も覚えたおかげでドロップが増えた。羽根用の鳥の羽根もあるので矢は作れる。作って自分で使わずに店売りしてもいいかもしれない。きっとみんな矢がなくて困ってると思うんだ。


糊を買ってくっつけて武器を売る露店の店員に売るとそこそこのお金になった。聞けばやはり矢は品薄状態なんだとか。

薬草、食料、矢なんかが足りないらしい。矢の上手な作り方のアドバイスをもらいながらそんな話になった。

肉がいっぱい手に入るだろうと思いきや、ウサギの事故率を恐れて討伐に向かう冒険者がまだ少なく、鳥は狩れる職業が少なくて肉の供給にはいたっていない。

なるほど、遠距離攻撃職じゃないと鳥は倒しづらいよなぁ。


弓用の糸なんかを購入してまた狩りに行く。

たまに井戸の近くで木工の時間だ。

最近ウサギからドロップする格闘ウサギの毛皮が溜まってきたのでこれを使って何か装備を作れないか画策中である。毛皮のコートか腰みのか・・・ううむ。


『シィ姉シィ姉、みぃただよー。今暇ー?』

『みぃ?どうしたのー?』

『うん。ユニット組んだから紹介したくってー。シィ姉カイナ東地区これるー?』

『いいよー行くいくー』


ユニットとはあれだろうか。パーティーでもチームでもなくユニット。踊ってみたり歌ってみたりしてたからたぶんそうだ。


カイナの東には公園と林、小川などがあり、また(うまや)や牛舎があり動物たちがのんびりと草を食んでいる。

その公園にみぃたはいた。


「メインダンサーのみぃた!」

「メインボーカルのマユラですわ!」

「リードダンサーの花風です」

「「「わたしたち『グラスペディア』です!!」」」


「おー」


パチパチと拍手を送る。みぃたの他に金髪でウェーブ髪の美少女と青いロングヘアな美少女がいた。

みんなかわいい。作成キャラな初期衣装なのにアイドルな雰囲気がある。わたしには見えるぞ!赤と青と黄色のカラーが幻視できる!

かわええなー


「シィ姉、これからこの3人でアイドルするから、後援よろしくね!」

「よろしく!」

「よろしくお願いします」

「はーい。まかせてー!お姉ちゃんがんばっちゃうよ!」


うへへ。稼ぎなら任せろー。バリバリ 食事代を削ってでも推しにいい舞台を踏ませるんだー


元々みぃたは動画サイトでアイドル活動をしていたので、踊り子のジョブをとっていたときに踊るのかなーとは思っていた。まさかユニットを組んで活動したかったとは思ってなかったけど。

弟妹のプレイの後方支援を目的としていたわたしとしては当然賛成する。妹のみならず、彼女たち三人を支援することに全力を向けようではないか。


弟はいいか。姉弟妹三人で遊べればと思ってたけど、どうせ奴は一人でも問題ない。勝手に長時間ゲームしてどうせ最前線でイキっていることだろう。


きゃいきゃいかわいい三人と話しながら色々と目標とか欲しい物の相談をされる。

知名度を上げることと金銭問題。

まぁそうだよねって言う。

今のままでは人に知ってもらう機会が少ないのだとか。


まぁほとんどの人は狩りに行ってしまう。町にいるのは買い物や冒険者ギルド、生産職の人たちだけだ。

あとは中央広場の噴水の集団か。あれも初日に比べれば減ってきているらしいが。


「目立てればねー」

「そこまで目立つ必要はないですわ。ここで撮った動画をコンスタかマイチュベに挙げればいいですわ」

「でも、ゲームでもがんばりたいです」


うーん、難しい問題だね。やるならやっぱり人気は大事だと思うけど。


「そういやこんなのがあるよ」


溜まっていた格闘ウサギの毛皮を見せる。これと裁縫スキルで何かできないだろうか。


「毛皮、いいですわね」

「色付けたいなー」

「ふわふわです」

「衣装作ってみよっか。でもデザインとかしたことないんだよなぁ」

「あの、なら私がやりましょうか?」


青っぽい花風ちゃんが申し出る。アイドル衣装が好きでいろいろとスケッチしているのだと言う。

マユラちゃんは動画撮影が得意なようでそのあたりのことは任せてしまえる。うちの妹も動画上げてるので話がはずむようだ。


その他のこともちょこちょこ決めているといい時間になり、彼女たちと別れる。もちろんフレンド登録をして。みんな明日も学校があるんだそうな。


「ふふっ、さぁ忙しくなってきたぞー」


お金も稼がないとね。

わたしはもうちょっと狩りにいそしもうかと思う。



■本作には元となるゲームが存在します。フォルダを複数回、ゴミ箱にぶち込むまでがチュートリアルと言われる無料PCゲームです。神ゲーですよ?

■グエンちゃんモグモグ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ