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荷運びクエストを受けてみた!


シシャナク領に来たのでセルティナの様子見に館に寄ったら伯爵さんが出歩けるようになっていた。

おじいちゃん、話が長そうだったのでさっさと切り上げて来たよ。

妹たちをカイナ町に送らなくちゃいけなかったからね。


さて、MPカートリッジの構想がわかない中、自分のことも見直していかないと。



≪火炎のブレスレット≫

魔法攻撃力+4 火属性攻撃力+8 耐久力150/150

銀のブレスレット

火の宝玉がはめられている



かねてより作りたかった腕輪。サラマンダーの落とした"火の宝玉"のブレスレット。

できました。

むっちゃ強い。火矢が+12

水矢と比べると1.3倍くらい強い。水矢も+4されてるけど。



名前 シィリエ «銀色の月»

種族 ハーフエルフ

職業 狩人

年齢 15


・スキル

弓Lv11 貫通矢 二矢 一発必中

弓精霊Lv11 クイック ホーミング

盾精霊Lv7 シェル

杖精霊Lv6 クイック

火魔術Lv7 火矢 火炎弾

水魔術Lv8 水矢 水球

氷魔術Lv3 氷矢

光魔術Lv2 光矢


・スキル

裁縫Lv8 連縫

木工Lv8 線切り


・スキル

遠矢 野駆け 俊足 忍び歩き 回避 解体 目くらまし 集中

鷹の目 隠れる 魔素消費減少 魔素治癒力 魔物知識 精霊の友


≪火蜥蜴のフレアワンピース≫

≪火蜥蜴のケープ≫

≪火炎のブレスレット≫



・・・装備少なくない?

死ぬと落とすからいいか。

課金アイテムで保護できるらしいけど、ガチャ品でもなければまた作ればいいしね。




大量に余っている人形パーツを人形工房に持っていった。買ってくれないかなーと思ったのだ。


「えぇえぇ、買い取りいたします。全部買わせていただきますよ」

「多いけど」

「いえいえ家業ですので。これくらい引き取れないと専門店などやっていられません」


嘘臭い。


「・・・"機械の心臓"が手に入ったら他の店に売ろうかな」

「ははは」

「・・・"マギカ・ハーツ"が」

「軍の兵隊さんが魔導人形の部品を急に集めだしたんですよ。おかげで今特需でしてね。持っていけばどれも高値で買い取ってくれるんです。場所ですか?東内門のとこです。警備の人に言えばやってくれますよ」


紹介状書いときますね、と至れり尽くせりだった。


早速東の内門に行き、そこを警備している兵士に魔導人形のパーツを売りたいんだけどと告げた。


「なんだ?子供が何の用だ。壊れたパーツならいらんぞ。どこで拾ったか知らんが捨ててこい」


美少女ハーフエルフちゃんは15歳です。子供じゃないですー


わたしより頭2つはでかい男たちからすればわたしは子供だろう。

門前で帰される前に人形工房からの紹介状を出した。


「ぬ?・・・読めんな」


おい識字率


「隊長、なんぞ紙を持ってきたやつがいますぜ」

「なにい?ちり紙なら土の日の朝の時間に出せ。今日は燃えぬ日だ!」


ゴミじゃないぞー


「これはっ人形工房からの紹介状です!大量の人形パーツを売りに来ました!」

「なんだと」

「それを早く言えよ」


隊長は紹介状に目を通して「うむ、確かに紹介状っぽいことが書いてある」と納得した。あまり識字率は仕事をしていないようだ。


「ザンゴ、荷物持ち手伝ってやれ」

「がってんでさ」


アイテム欄があるのでいらないよ。ということでもなく、案内もかねてついてきてくれるらしい。


ザンゴは帝国軍の下級兵士だった。

バカなのでまともな仕事につけないが喧嘩だけは得意だったので酒飲み仲間からこの仕事に誘われたのだと言う。まったく聞いてないのに言う。

そして「へへ、あの有名な"銀色の月"に話しを聞いてもらえるなんてな。うれしいぜ」とか言う。好感度システムどうなってんのか。

なんで二つ名しってんの?有名なの?まじかー


悪童から下級兵士になった彼には、二つ名が人の口にのぼるというのは憧れの対象なのだろう。

何もしてないのに好感度爆上がりである。


ザンゴにまとわりつかれながら工場のような施設に連れていかれる。

中では流れ作業で人形を作っていた。工場だこれ。


「おぉい!喜べっパーツの補充に来たってよ!」

「仕事ふやしてるやつぁ誰だ!」


まったく喜ばれていないんだけど。

作業員の中から白髭のおっさんがこちらに来てザンゴにガン垂れている。

それをなめた目で見降ろしながらザンゴはわたしに書類を出せと合図した。こちらです。


「・・・・・・チッ。1パーツ5000だ。不具合があるパーツなら査定は下がんぞっ」

「えーと、じゃぁここでいいかな」


わたしはアイテム欄からパーツを出して並べ始める。


「待て待て待て待て!どんだけ持ってんだっ!?」

「うおお」


まだ1部位目ですが何か。わたしまた何かやっちゃいました?


「嬢ちゃん、あんたアイテムボックス持ちか!?待て、あっちの台に並べてってくれ!」


並んだパーツを吟味している髭のおっさんはふうむとうなってからわたしをにらんだ。


「物がいいな。アイテムボックスのおかげで劣化がねえや。いいぜ。数を言いな。査定なしで全部買い取ってやらぁ」

「アイテムボックスって、アイテム欄のことか。スキルなの?」

「スキルなこともあるし、ちょうレアなアイテムのこともあるらしいぜ。あんたのアイテムボックスは時間の経過もねえらしいからな。輸送でぶつける心配もなけりゃ時間で鮮度が落ちることもねぇ。最高の運び屋だぜ」


ほーん。便利だとは思ってたけど、改めて言われるとすごい性能だね。


パーツを全部買い取ってもらい小金持ちに拍車がかかってきた。これだけ売っても精霊結晶(大)には手が届かないんだけど。


「そんで嬢ちゃん。これとは別だが頼まれ仕事をしちゃくれねぇか。出来上がった人形を運びたいんだがよ」


あー、なるほど理解しました。

組み上げた魔導人形は精密機械みたいなものだ。運ぶときにぶつけたりすればそれだけで動作に支障が出るかもしれない。

それを防ぐのにわたしのアイテムボックスに目を付けたんだね。


「報酬ははずんでね!」





人形の運び人になったシィリエです。こんにちは。

わたしは今兵士のザンゴといっしょに帝国の東に向かっている。ちょいちょい見覚えのある景色があるような気がするが気のせいでしょうたぶん。


道中にザンゴが言うことにはこれから戦争になるのでその物資を運んでいるのだとか。

相手国にばれないように少しずつ少しずつ輸送して一気に攻め入る算段なんだそうな。

・・・・・・・・・・・・


いやぁ。なんかわかっちゃったぞ。というか東にあるのはこないだまでわたしがいたなんちゃら王国だよね?王国自体に思い入れもないので滅ぼうがどうしようがかまわないんだけど、ある場所だけは攻め込んでほしくない。


わたしが輸送している魔導人形の数は2万。動力用の精霊石が2万。

生物でないためにアイテム欄1枠だけで2万を持ち運べてしまう。

相手国の領地でこれを解き放つということがどういうことか。モンスターが突然2万体襲ってくるのと同じだ。悪夢でしかない。

解き放たれた領地は確実にペンペン草も生えないことになる。


「・・・・・・ねぇザンゴ」

「おう、どうしたね”銀色の月”」

「シィリエでいいよ。ねぇ、この人形ってどこで使うのかな?」

「ああ?そりゃシシャナク領だろう。あっこは切込み伯爵がいるってんでろくに攻め込める隙がなかったらしいが、なんでか知らんが自滅して戦えんようになったんだとよ。だからそこを一番砦にしてロンメルシアに攻め入るって話だ」


あー。


「ザンゴ」

「んだよ」

「ザンゴ、わたしはシシャナク領を守りたいんだけど」

「はぁ?・・・・・・どういうこった?」


わたしは説明をした。

あそこの領主が国を守るために処断を覚悟して行ったこと。道案内を頼まれただけだったのに彼らに肩入れしてカイナ町の領主代行を捕虜にしたこと。

王族に意見するために斬られ、それでも命をギリギリでつないだこと。

お孫さんが優しくてオヤツをくれること。メイドさんたちが甘やかしてくること。

別れるときに泣いて引き留められたこと。

わたしが大好きなこと。

わたしが嫌だってこと。

わたしが彼らを傷つけるやつらを許さないってこと。


それを聞いてザンゴは心を決めた。


「つ・・・そうか。あんたぁ敵だ」


そうだよね。ザンゴは帝国の兵士だもんね。国が王国を攻める方針を出しているのならザンゴも従うよね。

スラリと剣を引き抜くザンゴから距離を取る。ユエを呼び出して火矢をつがえるが——近い。


「ふっ」


『回避』があって良かった。ザンゴの斬撃は鋭い。なまじ知性を犠牲にして筋力に振り分けているわけではないということか。

足の速さでほんろうできているがこちらの攻撃も当たらない。一対一では矢の軌道は簡単に読まれてしまう。


「へっ、負けねぇならおれの勝ちだぜ。このまま仲間の所に行ってあんたを捕まえるように言やぁいいんだからな」

「・・・・・・そう」


そっかー。ふーん。


「仲間使っていいんだ」

「あ?」


わたしは魔導人形を取り出して起動した。


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