第7話 公爵令嬢は合格したい(2)
カクヨムにもあるお。
PV数とかUU数でランキングつけてると思ったら、ブクマとか必要だった。
ブクマとか面倒いよね……。でもしてくれたら嬉しみんみんぜみ。
記入して近くの椅子に座って待っていると、試験官と思われる男性が奥から出てきた。
「フィーナ、シン、ミーシャ、リリア。呼ばれたものは前へ」
やはり試験官だったようだ。他の受験者と一緒に魔法の試験を行うようだ。そして聞き覚えのある名前もあったような……。
「はじめまして、皆さん。魔法試験よろしくおねがいします」
と横にいたリリアが挨拶をしている。
「ええ!リリアも受けるの?」
「反応遅すぎよ。ほんとおばあちゃんじゃないんだから。これから冒険者やっていくならもっとしっかりしないとよ?出会ったときはあんなにキレキレだったのに。何があってこんな鈍くて丸くなってしまったのかしら」
「どすこいっ!」
「いやそういう丸いじゃないから。いきなりキャラ変わりすぎよ。本当はそっちが素なのかしら?」
今までは貴族らしい振る舞いや時期王妃としての振る舞いを求められてきた。その緊張感から解き放たれたからだろうか。自分でもよくわからないノリで話していた。
受験者の流れに合わせながら試験会場へ入る。
全員が会場内に入ると教官らしい男性が扉を閉め、会場の外にも聞こえるような声で指示をする。
「では、さっそく試験を始める。各々使える魔法をあの岩に向かって唱えるように。では登録順にフィーナから開始!」
不合格にならないようにしなくては。
相応の魔法を使べく、複合魔法ファイアストリーム(炎嵐)の魔法陣を取り出し、岩と向かい合う。
「火よ、風よ、渦となり我が力となれ。ファイアストリーム」
火よ、風よ。と唱えたところで、教官が『ま、まて』と焦った声で話しかけてきたが、緊張のせいもあり、力んだ声でそのまま魔法を発動させてしまった。
ドゴーン!という激しい音が場外へ響き渡る。
砂埃がおちついたところで目を開けると、岩だけではなく天井の一部も欠けていた。
さ、さすがにまずい……。弁償しろと言われた1日目にして親に泣きつくことになる。それだけは避けたい。おそるおそる教官の方へ振り向く。
「ばかもの!ケガはないか?」
私の身を最初に案じてくれた。良い人だ。
「本来、登録試験とは初級魔法が使えるかどうかの試験なんだが……。初級魔法では使わない魔法陣を取り出した時点で止めるべきだった。俺も常識だと思い込み説明を省いていたな。すまなかった。だがしかし、やりすぎだ!ばかもの!試験で天井に穴をあけるやつがおるかっ!たくっどうギルド長に説明したものか……」
あまりに大きな音だったため、様子を見ようと野次馬が集まってきた。野次馬の中から有能さがにじみ出ている30代くらいの男性が話かけてきた。
「これはどなたがしたのかな?」
「申し訳ございません。つい力が入ってしまって……。料金のお支払いは遅くなるかもしれませんが必ずします」
「将来有望な人材がギルドへ登録してくれて嬉しく思うよ。ようこそ、冒険者ギルドへ」
と手を差し出されたため、反射でそのまま握手をする。
「あの……。料金はいいんですか?」
「ああ、知り合いに修理が得意な人がいてね。つてがあるから気にしなくていいよ。ただしこれは貸しひとーつ。これから先よろしく頼むよ」
暗黒微笑の顔とはこのことだろうか。底の見えない笑顔にぞくりとする。しかし支払いできる余裕も無いため、頭が上がらない。
こうして無事?全財産を使って冒険者ギルドへ登録することが出来た。
貯金ゼロから始める異世界生活
主人公の所持金:0
作者のカクヨム収益:0